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僕が「政治家=正義の味方」だと、心の底から信じている理由

僕は「政治」が好きだ。
どのくらい好きかと言えば、社会人になった後にわざわざネット選挙について研究するために大学院に入り直したり、その後に政治家秘書→選挙ドットコム編集長と政治系でキャリアを積み重ねたり、特技は市長選の当落予想で9割方は的中できる自信がある、というくらい好きだ。

僕はいま、NEWPEACEという会社で「政治・公共」部門を担当している。
この会社は面白い。「時代遅れのシステムから人々を解放し、多様性が爆発する社会へアップデートする。」というビジョンを掲げ、アパレルからスポーツ、飲食や不動産、そして政治や公共まで、幅広い領域・多種多様な方法で、社会を変えていっている会社だ。そして、ここには僕と同じくらい変わった偏愛を持つメンバーが揃っていて、それぞれが自分の専門領域で活躍している。

さらにNEWPEACEの素晴らしいところは、HOW(どうやるか)やWHAT(何をやるか)ではなくWHY(なぜやるのか)を常に意識していること。みんな、自分の専門領域・偏愛について自分の言葉で魅力を語れるし、心の底から自分たちの取り組みを愛し、信じている。

僕の偏愛はもちろん「政治」。そこで、なぜ僕が政治が好きなのか、政治を通してどんな社会を作りたいのか、自分の整理のために言語化しておこうと思う。

「政治=困っている人を助けて、未来の日本を作っていくこと」

先に言ってしまうと、僕は「政治家=正義の味方」だと思っている。子どもが、仮面ライダーや警察官、弁護士に憧れる気持ちと同じだ。
だって、政治家の仕事は「困っている人を助けて、未来の日本を作っていくこと」だし、法律や制度を作る立場にいる政治家は、それを本当に実現できる立場だからだ。最高にかっこいいし、わくわくする。

そして僕は政治を通して「全ての人が尊重される」社会を作っていきたいと思っている。
そんな僕の思いを伝えるために、少しこれまでの話をしたい。

仏教と父親。純粋無垢で道徳心の強い増沢少年

僕の実家は、日本で最も古い仏像が置いてある善光寺の近くだ。生活のいたるところに仏教が染み込んでいて、保育園はお寺の中にあったし、周りには「寺の息子・娘」という友だちが何人もいた。悪いことをすると地獄絵図を見せられたし、学級文庫には手塚治虫のブッダや「365日の説法」みたいな本が自然と置いてあった。「勧善懲悪」「世のため人のため」みたいなことをずっと聞かされていた記憶がある。この影響なのか、今でも毎朝、犬の散歩がてら近くのお寺に一礼するのが習慣になっている。

そして、欠かせないのは親父の存在。父親の口癖は「子どもは放っておいても大人になる。だから、いつまでも子ども心を失わせないようにすることが親の役割だ」。PTA総会でもこう発言して、会場全体を唖然とさせたらしい。

仏教と親父の影響もあってか、純粋無垢で強い道徳心を持っていた増沢少年は、この頃から将来の夢として「正義の味方」を考えていた。最初は警察官か弁護士、それかお医者さんだった。ただ、どこかで「法律を作るのは政治家だから、政治家の方がもっとすごいに違いない」と知った僕は、漠然と政治家への憧れを持っていた気がする。

大学3年生、政権交代。政治にわくわくを感じる

子ども心を持ったまま大人になった僕は、さらに政治への思いを強くする。「何か大きなことをしてやるぞー!」「日本を変えてやるぞー!」と、中二病を引きずった大学生特有の、青臭い思いを爆発させていた。

そして2009年。大学3年生だった僕は、友だちが就活のためにインターンをしていた様子を見て、「僕もインターンしよう」「企業じゃなくて、あえて政治家事務所にインターンしたら、人と違って面白いに違いない!」と思い立ち、国会議員の選挙をお手伝いしていた。

自民党→民主党への政権交代のタイミングで、政治への期待は高かった。盛り上がりは絶頂を迎えており、日々いろんな人から「日本を変えてね!」「がんばって!」「今日より、明日、明日より明後日が良くなるかもしれない!」そんな言葉をたくさん聞いた。時には涙を浮かべたおばあさんに抱きしめられた。開票結果を見たときは、僕自身も「何かが変わるかもしれない」との高揚感が全身を駆け巡った。

政治からいちばん遠いIT業界へ。しかしまた政治に出会う

大学卒業後、そのまま政治の道に進もうとも思ったが、狭い視点しか持てないことは良くないと思い、「政治からいちばん離れた業界に行こう」と、IT企業に就職した。ところが社会人2年目のとき、友人たちがネット選挙の解禁を呼びかける活動「One Voice Campaign」をはじめた。(ちなみに、発起人の1人はNEWPEACE代表の高木。僕も高木とここで出会った)
IT企業に就職したら、ネットと政治が結びついてしまったのだ!

もちろん僕も活動に参加した。そして、なんと僕らの後押しもあって法律が変わり、本当にネット選挙解禁が実現してしまった!

僕は、自分たちの手で政治を動かせた驚きと充実感から「やっぱり政治の世界に進みたい」と思い、会社を退職して東工大の大学院に入り、ネット選挙の研究をはじめた。

ふたりのヒーローが「政治とは何か」を教えてくれた

大学院生時代、僕の人生に大きな影響を与えてくれたふたりと出会った。
1人は「筆談ホステス」として知られる斉藤りえ東京都北区議、もう1人は乙武洋匡さんだ。

斉藤さんは聴覚障がいがある。政治家は、有権者と話す・議会で討論することが多く、「耳が聞こえない」ことは大きな課題だった。そこで北区の議会では、「耳の代わり」としてiPhoneのSiriのような音声認識ソフトが導入された。他の議員が話すと、リアルタイムでタブレットに文字が出てくるソフトだ。僕は秘書として斉藤さんの活動をサポートし、ソフトの導入も手伝った。

はじめて議会でソフトが使われる日、僕は傍聴席でその様子を見ていた。
傍聴席は、数十年ぶりとなる満席。しかもその多くが、斉藤さんと同じく耳の聞こえない方だった。北区では、希望すれば傍聴席でもタブレットを借りることができたからだ。

そして、タブレットを見る皆さんの顔は、満面の笑み。
「音声認識ソフトが無かったら、自分は政治になんて興味を持たなかった」
「自分たちの存在が認められた気がする」
手話や口話で嬉しそうに話す様子を見て、僕は思わず感極まって泣いてしまった。

政治の後押しとテクノロジーの進歩によって、障がいの有無なんて関係なく、みんなが同じ時間・場所・思いを共有できる。僕が子どものときから思っていた「政治家=正義の味方」が体現された場面だった。

乙武さんに感じる「政治家の役割

乙武洋匡さんも同じく、僕のヒーローだ。
たくさんある乙武さんの魅力の中で、僕がいちばん好きなのは「相手に気を遣わせない天才」ということだ。

乙武さんと一緒にいると、手足がないのだから当然、できること・できないことがある。でもそこには「気まずさ」がない。多くの人は、障がいがある人と一緒にいると、「これできるのかな?手伝った方が良いのかな?いや、そもそも『手伝いますか?』と聞くこと自体が失礼かな?」と思ってしまい、お互いに気まずさを感じてしまうことがある。だけど、乙武さんと一緒にいると、それを全く感じない。

それは乙武さん自身が、自分と相手を「障がいの有り・なし」という視点で区切るのではなく、「増沢諒と乙武洋匡」と、「ひとりの人と人」として見ているからだろう。例えば、「乙武さんはこれが苦手なんですね。でもこれは僕よりも得意なんですね」といったような感覚。一緒にいて乙武さんが障がい者であることは感じるのだけど、それは好き・嫌い、得意・不得意を話しているくらいの感覚で、気まずさは全くない。一緒にいて、とても居心地が良い相手なのだ。

だから僕は、そんな乙武さんに政治家になってほしいと思っている。政治家として法律・制度を変えるだけではなく、
「障がい者といっても普通の人と同じなんだね」
「どんな立場の人も、いい部分も悪い部分もあるんだね」
「障がい者とかLGBTQとか、そんな違いって重要じゃないよね」
と、価値観を変えてくれる存在になってほしいからだ。

そして、例えば乙武さんが、東京オリンピック・パラリンピックの開会式で、ステージ上に立ったらどうだろう。手足がなく、電動車いすに乗った政治家が、日本を代表してスピーチをする。
これは、「障がい者が困難を乗り越え、がんばっている姿」ではなく、「障がいの有無なんて小さな違いは誰も気にしていない。たまたま障がいがある人が、僕らを代表して話している」という画だ。

キング牧師のスピーチと同じくらい、ノーベル平和賞クラスのインパクトがあると思う。きっとそんな場面が実現したら、僕はまた感動で泣くだろう。

今でも政治家は、正義の味方。かっこいいし、わくわくする

学生時代を含めると、政治の世界に入って10年が経つ。子どもの頃に思ったように、今でも政治家は僕にとっては正義の味方で、「困っている人を助けて、未来の日本を作っていくこと」はかっこいいし、わくわくする。

さらに、政治を通して誰もが別け隔てなく、同じ時間・場所・気持ちを共有できる「全ての人が尊重される社会」に触れた時、僕は「政治に関わる仕事をしていて、本当によかった」と思う。政策分野でいうと、子育て世代やひとり親、孤独老人が困っているのなら助けたいし、障がい者やLGBTQ、外国人がもっと居心地の良い社会を作っていきたい。
そして、実際にこれまで、少なからず感動で思わず泣いてしまうような場面に立ち会えたことはとても幸せだと思う。

最高の偏愛集団、NEWPEACE

僕は政治を通して社会をアップデートしようと思っている。ただ、これからの時代、社会をアップデートするのは政治だけでは不十分だ。だからこそ、「時代遅れのシステムから人々を解放し、多様性が爆発する社会へアップデートする。」というビジョンを掲げるNEWPEACEで、様々な専門性・偏愛を持った最高のメンバーと一緒に働いている。

僕の思いに共感してくれる人がいるなら、一緒に政治の領域で仕掛けていきたいと思うし、それ以外の部分でも社会を変えていきたいと思うのであれば、ぜひNEWPEACEの仲間になって欲しいと思う。


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