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2023 セレッソ大阪 プレイヤーズレビュー②【MF&FW編】

クソデカ感情のあまり長いです!!
それでも見てくれよな!!

前回はこちら↓↓


CMF

※柴山昌也は右WG,上門知樹はFWで紹介
※原川力はレンタル組の振り返りにて

香川 真司

「チームの柱」

何をやらせても誰よりも上手くできる。
だからこそ、彼に頼り過ぎた・頼ることに盲目になったシーズンだった印象です。
徳真よりも全体を俯瞰でき、喜田陽より相手をいなすことがうまくて、原川力より縦パスを刺すのが上手い。奥埜と同じレベルで走れる。
本当に本当にスペシャルな選手。
でも。だからこそ、私は自由に活き活きとしていて欲しい。
もちろんチームとして全員が100%満足したり、全員が自分のプレーをするというのは不可能です。誰かの持ち味を活かそうと思えば一部分では誰かの持ち味が失われたり、弱い部分が曝け出される。それが人間関係であり、社会であり、チームだと思います。
しかし、負担を軽減し、香川真司を開放できれば、彼の力はこんなものではないのでは?(今季も十分すごかったけど。)
もしかしたら、私たちはまだ本当の「香川真司」を見ていないのかも?
兎にも角にもシーズン途中からは笑顔も見えるようになってよかった。始まりたては厳しい表情が多かったですから。

奥埜 博亮

「潤滑油」

大きな怪我もあり、出場時間は30%減。苦しむチームの中で、試合勘も復活しきらなかったシーズンであったと感じます。
シーズン前半はボランチとして、中盤にはインサイドハーフにポジションを移し、加藤移籍後から負傷するまではFW、最後にはインサイドハーフと様々なポジションをこなしてくれました。
スペースに飛び込んでいくのが上手い選手で、それを持ち前のスタミナで連続して行うことができる。身体の使い方が非常に上手いので、しっかり前進の時間を独力で作ることができる。本当にどこに当てはめてもある程度の役割を果たしてくれる素晴らしい選手です。今季は全体としてここ数年のボールの中間地点の役割というよりはロティーナ期のようにボールの行き先になる意識がどちらかと強かったのかな。
一方で今年彼の良さが100%活きたかというと疑問が残るところ。彼が走っても走ってもボールが出てこなかった新潟戦なんかもその代表例でしょう。
チームの構造上の欠陥の穴埋めに奔走した、そんなシーズンでした。

喜田 陽

「飛翔一歩手前。」

数少なくなってきたU-23組のうちの1人。
プロ4年目、かなりの危機感を持って始まった一年だったのではないでしょうか。
そんな中、ボランチ陣の負傷・不調があり出番を掴むと13試合連続スタメン。最初の神戸戦でのハイパフォーマンス、次の札幌戦ではゴールを決めることができたのが大きかった。
プレー面では鹿島戦では捕まってしまったものの、相手をいなして前を向くのが上手い。サポートいらずで前を向けることから香川真司にある程度の自由を与えることに成功していました。香川と2ボランチを組むなら来季も間違いなく1番最初に名前があがる選手になるでしょう。
「これをするときは喜田陽」。ここまで成長できました。あとはどんな時も喜田陽という選択肢を取られるプレイヤーになれるか。
絶対的な力で外せない選手になるのか、上手くチームの間を埋める選手として外せない選手を目指すのか。
1年越しに覚醒の兆しを見せた桜の戦士に期待です。

鈴木 徳真

「こんなもんじゃない」

今季も名古屋戦を境に出場時間を減らすこととなってしまいました。
4-3-3導入後は、より前向きなパスを出せる原川が重用され、4-4-2に戻した後は彼の不調も相まって、自分で前を向ける喜田が先発に起用されました。
適切なサポートが受けられなかった構造的な問題もありつつも、2シーズン連続でミスがクローズアップされて出場時間が激減するのは当たり前ではありますが、厳しく感じるところ。
ボールを握るにしても、そうでないにしてもアジャストできるいい選手なだけに周りも放っておかないでしょうね。
昨季のアウェイの大阪ダービーのように比較的相手陣に押し込んでサッカーができる時に最も活きる選手なので、不運なシーズンでもありました。

清武 弘嗣

「桜は、かならず返り咲く」

256日間の離脱はキャリア最長。それも今年は違うぞと意気込んで背番号変更もした契約最終年。
メンタル的にかなりしんどいものがはあったはずです。
しかし、どれだけ離脱しても清武弘嗣は清武弘嗣だなと我々に鮮烈に思い知らせる、そんな京都戦のパフォーマンスでした。
まさに「清武にしか見えない景色」。パスのアイデアはもちろんのこと、とにかくボールを失わず、相手が「奪える」と思った瞬間にはボールが足から離れ、味方の元に向かっている。
清武と香川の共闘を心待ちにしていた我々にとっては試合結果がどうでもよくなるほど、それくらいのパフォーマンスでした。ここまでずっと終わってほしくなかった試合は人生で初めてかもしれない。
来年のことはわかりません。彼の決断次第ですが、動ける内に生まれ故郷に、なんて気持ちもあるかもしれません。
残って欲しいのは山々ですが、「ホントに引退やな」と2018年に思った彼がここに来てキャリア最長の離脱を乗り切って素晴らしいプレーを見せてくれたわけですから、まずはそれを喜ぶべきかもしれません。
おかえり、キヨ。

左WG

カピシャーバ

「個の力+α」

唐突のパトリッキの移籍によって、ブラジルから呼び出された「カプリシャバ」。
シーズンを通して、必ず一枚剥がすという殺意すら感じるゴリゴリ突破はチームが頼りっきりになってしまうほどの中毒性を発揮しました。
対応に苦労してるなと思うことはあれど、調子が落ちてるなとはあまり思わなかったことも驚異的。ゴールこそ1Gと苦戦しましたが、クロスに対して入っていく姿勢は悪くなく、大阪ダービーでのヘディングなど後少し、というところは見せました。
そんな我々を魅せてくれたカピシャーバ。あとはクロスの精度や味方を上手く使うことが課題でしょうか。
とはいえ、ここまでワンパターンで敵をてんてこ舞いにできるわけですから、味方を上手く使えれば無敵っしょ!!みたいな楽観さで来シーズンを楽しみにしたいと思います。
中東、やらんぞ。

為田 大貴

コンダクター」

カピシャーバが突破口を作るのが得意な選手なら、為田は味方同士を繋げるのが得意な選手でしょうか。
味方の間の絶妙なポジションを取って、ボールを引き取って前に繋げる。その姿はあれ?清武かな?と思うほど。
サイドに押し込まれていると良さを発揮できない選手で、シーズン序盤は山中&上門と共に左サイドのライン際で密集を作り、自爆していました。自分の周りにスペースができてくるとより活きる選手で、だからこそ復帰した京都戦はスムーズにプレーできてたのでしょう。
カピとは上手くキャラ分けされてるので、来季もいるだろうなと。(そもそも契約は残っている)
あとは、やはり得点力ゥ。画像のデータを見る限りは決定率自体は悪くないのですが、ビッグチャンスのミスが多いことが我々の心に突き刺さっている原因。頑張れ。
「得点できる為田は最強」。来季は完全体為田を見られるように応援しましょう。

新井 晴樹

「仕掛けろ!」

サポーター大好き「特徴がわかりやすい選手」。言い換えると不器用とも言えるかもしれません。
代表格の新井ですが、出場時間で見せたインパクトは大きかったものの肝心の出場時間が伸びなかった印象です。
そこが守備面なのか、得点への関与なのか、それとも単純にカピをピッチにできる限り残したいのかはあまりわかりませんでしたが、もう少し出番を与えられても良かったのかなというのが個人的な感想。
レンタルという形式になっているのは何でなんでしょうかね。よくわかりません。
あと新井のチャント好きです。

右WG

ジョルディ クルークス

「成長と結果」

結果だけ見ると27試合1790分出場、シュート40本で2ゴール2アシスト。
…難しいですね。
個人的には開幕戦で1人抜けてた印象があったのが彼で、左足の軌道や間合いがものが違うなと思って見ていました。
そこから主に守備面で9試合連続でスタメンを外れ、ベンチ外も多く経験。
戻ってきたかと思ったら、縦突破のクオリティが急に高まりスタメンに定着。以降はほぼ全ての試合でスタメンで出場しました。
ところが終盤は「ゴールの部分が〜」や「クロスの質が〜」という批判がサポーター内でも大きくなってシーズン終了という波乱万丈なシーズン。
事実として、決定率が下がっているというデータもあり批判も的を射ている部分もありますが、多くはチームの問題と戦術とのミスマッチというところだと思います。
そもそも彼は基本的にクイックネスで勝負するタイプではありません。急に抜き切ってクロス上げるのが君の仕事ね、と言われてもミスマッチなだけですし、WGにスペースを提供できていないチームの問題も根深いです。
あと、クロスの精度自体も元々そんなに高くないんですよね。(今年20% 去年23.2% 一昨年22.2%)山中みたいなタイプ。
縦突破が急にできるようになっただけでも十分よくやったシーズンだったのではないでしょうか。
とはいえ、外国籍選手な訳ですから成績面では物足りない。難しい。

柴山 昌也

「ワクワク系代表格」

移籍して初めの試合では仕掛けなすぎて「?」となり、次の試合では鳥海に怒られ、しばらく出場がなく、最終盤でインサイドハーフとしてスタメンを勝ち取るというドタバタっぷり。若い選手らしくていいですね。
最近のプレーはなにより大人しくないのが良い。今のセレッソはどちらかというと保守的な選手が多い中で、プレーに対して積極的で前を向いていくのが気持ちがいい。
プレー精度も試合を経るにつれて良くなっている感じがするので成長が楽しみです。
どの写真を見てもドリブル中に口が開いているのがポイント。あんぐり開いてます。

阪田 澪哉

「チャレンジ」

ルーキーの1番の出世頭が彼になると想像した人は少ないはずです。
高校生最後の選手権では、チームは準優勝だったものの、本人の出来としては正直に言えばプロ入りが内定している選手かというと疑問符が付くものでした。
しかし、結果としてはトレーニングマッチで最も得点を決めた選手になり、リーグ戦初先発まで掴み取りました。
2列目にスペースが与えられない今季のサッカーを考えるとかなり上手くやっていたと思いますし、トレーニングマッチではFWで起用されるなど幅も広げました。
彼のポジションには何らかの補強があると思いますが、今のまま恐れず、成長を続けてほしいですね。

FW

レオ セアラ

「待望のエースストライカー」

2017年以来、5年ぶりの二桁得点者。チーム状況さえ良ければもっと決めてくれていたのは疑いようがありません。
あと数年早く出会えていたら…という叶いもしない願いは置いておいて、得点のみならず、ポストプレーもしっかりと行い、まともな前進の手段を持たないチームで最前線で奮闘してくれました。
一緒に踊ってくれるというセレッソ外国人選手の雇用条件も早々に達成し、サポーターにも愛される存在になりました。
怪我をしないというのも魅力的で、出場しなかったのは累積警告で出場停止となった1試合のみ。このチームにレオがいなかったらと思うと背筋が凍るので、本当に良かったなと。
シュラスコを作ることが特技らしいので、来年はレオのシュラスコをキッチンカーで出してください。頼みます運営。

上門 知樹

「規格外の選手へ」

できることの幅が広がった一年。
ウィングやインサイドハーフでの起用の幅が出たということもそうですが、低い位置で相手を躱してボールを運ぶの上手いことがわかったりと新発見が多いシーズンでした。
総じて総合力の高い選手だなと。インサイドハーフで使いたい気持ちもわかります。
守備の前追い、コースの限定の仕方が上手い選手なだけに勿体無い気もする気持ちと走れる選手だし後ろができれば面白いかもという気持ちがぶつかり合っています。
ロマン派の私は対人が強くなってくれれば、ランパードやジェラードのような二桁狙えるBox to Boxの選手になってくれないかなと妄想。知らんけど。
来季はどのように起用されるか。
去年は2得点、今年は4得点と倍になったので、来年は8点取れるとチームとしても大きい。

加藤 陸次樹
(シーズン途中でサンフレッチェ広島へ移籍)

「陸次樹に追いつけ、追い越せ」

今はサンフレッチェの選手なので、写真はなしで。
移籍するまでは17試合3ゴール3アシスト。4-4-2が定着してチームの調子も上がってきていただけにチームとしては大打撃を受けた移籍でした。
彼個人としても地位を築けてきていた中の移籍ということで、批判も大きいと思いますし、何よりチームの成績がそこから浮上と降下を繰り返すようになったことがその要因であると思います。
移籍後、13試合4ゴール1アシスト。かなり気持ちよくプレーできていると思いますし、ワントップの下で動くことで持ち前の献身性と戦術理解度が活きているように見えます。
彼より順位を下で終わったことは悔しいですが、まずは2年半の彼の奮闘に心からの感謝を申し上げると共に来年は絶対に負けないぞ!!と果し状を叩きつけて今年を終わろうと思います。
去年のルヴァンのゴールは一生忘れません。

渡邉 りょう

「悔やまれるのは最初の試合」

不運だったのが、加入早々にレオの出場停止で先発起用されたこと、そしてその試合でビッグチャンスを外してしまったことでしょうか。
もちろんこれがチャンスだったとも言えますが。
最終的にレオの負担を軽減するには至らず、スタメン出場もその1試合のみ。
この辺は来季、競争も0からスタートになりますからそこに期待になりますかね。
とはいえ、煮え切らない試合展開、結果が伴わない中で彼のSNSの発信はかなり心の支えになっていたのではないでしょうか?
割とああいうのって大事ですからね(ロティーナ初期に発信力のある清武、都倉がいてくれたことを思い出す)。
半期で移籍して、J2得点ランキング4位を保持しているわけですから、持っている力は間違いないはず。
ここ数年、彼のようなスタイルの選手を活かしきれていないだけに、彼には改めて期待したいと思います。

北野 颯太

「大人になる代償」

停滞感の漂うシーズンとなってしまった印象。
個人的に北野颯太が1番良かったのは去年の開幕戦(=プロデビュー戦)。何かを起こす予感が常にあったし、ピッチの空気を支配しているような印象がありました。
それが、何かを起こせるスペシャルな選手ではなくなってしまった。神戸戦では劇的なゴールを決めましたが、あれは去年感じたワクワク感というよりは、情熱的な感じでした。
なぜかと考えた時に、すこしずつ周りが見えるようになってきてしまったからこそ、規律やルールに縛られてしまっているからかなと思ったり。
まさに子供が自分の世界以外にも世界は存在しており、その広い世界の中で自分という存在を改めて認識してしまった、そんな感じ。自分を見つめ直す・分析する。そんな大人で素敵で、必要な行為がこの難しい状況を生んでしまっている気がしています。
些細なきっかけで浮上のきっかけは掴めるはず。きっと苦しんでいる自己分析の先には、「自分にしかできないこと」が見つかる。そう信じています。彼ならそれができる。

木下 慎之介


「すべてのことに意味がある」

昨年末に負った大怪我の影響で、半年近くを棒に振りましたが、終盤に復帰。プロ一年目を終えました。
彼の思い描いていた絵にはならなかったでしょうが、大きな挫折は人を必ず成長させます。怪我をしたことで人一倍怪我への対策は気をつけるでしょうし、外からチームを見る中でそこでしか気づけない気づきもあったでしょう。必ず来年以降のキャリアに活きてくるはずです。
昨年最後のPMで見せたドリブルもできて、周りも活かせる万能型なのか。それとも生粋のストライカーになるのか。行く末が楽しみな選手の1人です。


楽しく書かせていただきました!
感想等いただけると嬉しいです!
次回はレンタル組です。


Photograph by Michie(みっちー)🚹🌸 さん

いつも素敵なお写真ありがとうございます!

参考資料


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