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2023 セレッソ大阪 プレイヤーズレビュー①【GK&DF編】

さて、今年もサッカーの無い寂しい週末が続く季節になりました。
当記事では2023年セレッソ大阪で奮闘してくれた各選手の振り返りを行っていきます。
MF編やFW編、レンタル組の振り返りも行っていきますので是非noteアカウントのフォローやTwitterのフォロー、記事の拡散をお願い致します!

それでは本編です。


GK

キム ジンヒョン

「強風が吹いても、桜は強く咲き続ける」

同郷の後輩が加入し、一時期立場が揺らぎましたが、結局は定位置を勝ち取りシーズンを終えました。
キャリアで初めて、少なくともセービングに関しては互角のライバルが出現した今季、最終的に決め手となったのは繋ぎの部分でした。
ロティーナ氏との出会いがジンヒョンにとっていかに大きかったかを再確認。
セーブ率もなんとリーグ2位。本当に衰えません。というか、未だリーグ最高峰のGKがこのクラブに忠誠を誓っていてくれることがいかに贅沢で当たり前でないことか。
今年は2015シーズン以来の長期離脱となりましたが、本当に無事戻ってきてくれてよかった。36歳と毎年のことながら世代交代がチームとしての課題になるでしょうが、大きな怪我なく、セレッソでキャリアを歩んでいってほしいなと思います。

ヤン ハンビン

「驚きのMVP候補」

シンプルに期待以上のシーズンだったと言えるのではないでしょうか。
ジンヒョンという絶対的守護神がいながら、怪我で彼を欠いたおよそ3カ月の間、その不在を感じさせない活躍を見せてくれました。間違いなくMVP候補でしょう。データ上でもJ1で10試合以上出場したGKの中で最も失点を許さない鉄壁っぷりを見せてくれました。(被ゴール数/0.8)
1番の懸念材料とされていた球出しの部分も、初先発の時点から悪くないものを見せており、試合を経るにつれてパスの出し方や持ち方でテンポを制御することもできてきました。
最後に定位置を失ったのはやはり「ビルドアップの貢献度」というところになりましたが、ジンヒョンがスペシャルなだけでハンビンも上手くこなしてくれていました。
ジンヒョンがロティーナ氏と出会い、大きく成長したのがちょうどハンビンの年齢くらい。来年も残る見込みとのことなので、更なる成長を期待したいです。

清水 圭介

「ロッカールームを掌握も気になるプレー面」

序盤はセカンドキーパーとして、ジンヒョンの怪我やハンビンの順応もあって出場機会を得ましたが、やはりルヴァンカップの京都戦がネガティブなハイライトになってしまうはずです。キーパーとしての安心感は少し欠けるかなと。
別に我々が彼を評価する必要はまったくないのですが、サポーターを味方にできてこそ守護神であると思っているのでそこがピッチ上では難しい出来だったかなとは思います。
一方でピッチ外では常にチームを支えるナイスガイ。ベンチ入りした際には出番がなかった選手への声かけ含め、チームを盛り上げ、支えてくれました。欠かせない選手の一人です。


真木 晃平

「キャリア選択の時」

今年も出場なし。今年がプロ入り5年目ではありますが、公式戦での出場はまたもお預けになりました。
25歳の選手がGKとはいえ、一番目立ったのが開幕前のキャンプ(それもピッチ外)というのは寂しいところ。
来季はどうなるでしょうか。

12/8(金)追記
真木選手の契約満了が発表されました。
彼の明るいキャラクターはGK陣をはじめ、チーム全体にいい影響をもたらしていたはずです。
第4キーパーという滅多に出場機会が訪れないポジションで、変わらず明るいキャラクターを発揮するのは簡単なことではありません。つらい時にもそのように演じてくれたこともあったでしょう。
チームファーストのプロフェッショナリズムを私たちに見せてくれた真木選手の次の選択が良いものとなりますように。
ありがとうございました。

DF/CB

鳥海 晃司

「颯爽とピンチを救うDFリーダー」

最も出場した選手の1人となった鳥海。
特筆すべきはその危機把握能力。ピンチの時に必ずいる。ブロックが間に合う。「ここから入れる保険があるんですか?!」「安心してジョディ。TORIUMI損保なら安心だよ!!」海外通販のコントが聞こえてくるようです。
ヨニッチの出場が減った中で、誰よりもDFラインの選手とコミュニケーションを取り、彼らを統率してくれました。試合開始前のCBの相方とのボディコンタクトや円陣ダッシュはセレサポの目をハートマークにさせました。
攻撃面でも運んで相手を食い付かせる動きも積極的に行っていましたし、ここは来年更に良くなるポイントにもなるでしょう。
もしもセレッソが来年左利きの主力級CBを取った場合に右CBとして鳥海がどのようなプレーを見せるのかは少し見てみたいところですね。

進藤 亮佑

「再起の一年」

文字通り「再起の一年」。セレッソに来て止まっていたキャリアの針を再び自らの力で動かしました。
背景にヨニッチの怪我があったことは事実ですが、西尾との2番手争いを制したのもまた事実。データ上ではデュエル勝率がヨニッチに次ぐチーム2位、空中戦勝率に関してはそのヨニッチも上回るチーム1位。ロングボール成功率もJ1同ポジションの平均以上と良いパフォーマンスを披露してくれました。
札幌の攻撃的で、アグレッシブな印象と反対に堅実、とにかく堅実なプレーを見せてくれた印象です。失点に直結するミスが起きたこともありましたが、長いシーズンのうちそのようなことはあるものです。来季はよりチャレンジする一年にしてほしいですね。

マテイ ヨニッチ

「2度目の別れ」

桜の壁として戻ってきてくれた2年間に終止符を打つことになってしまいました。
彼自身、特別コンディションが悪かったかと言われればそうでもなく、CB内でのデュエル勝率ではリーグ7位、空中戦勝率も平均以上という成績でした。一方でスタメンを掴み取った進藤と異なる点はロングパスの成功率とタックルの成功率。ロングパスは開幕からヨニッチも頑張っている印象がありましたが、精度は最後まで付いてこず。
セレッソには6年在籍し、総出場時間は222試合とクラブ歴代13位。もちろん外国人では歴代1位です。(ん?ジンヒョン?)
得点した16得点もどれも勝負に関わる重要な得点で、2017シーズンの第2節浦和戦でのJ1初ゴールやダービーでのゴール、どれも記憶に残るものばかりです。
彼がどこに行くのかは分かりませんが、彼の個性が活きる場所であればまだまだできるはず。彼の健闘を祈っています。
AJMO Matej Jonjic!!!!!!

西尾 隆矢

「今年は実らなかった愚直さ」

愚直に目の前の練習、目の前の試練に取り組む愚直さは清武キャプテンから一目置かれるほど。しかし、その愚直さという花が今年芽吹くことはありませんでした。
今季のリーグ戦出場時間は322分。うち先発は僅か3試合。CBの柱であったヨニッチが負傷離脱したシーズンではありましたが、納得の行く出場時間を得ることはできなかったということになりました。
322分の時間内ではありますが、タックル成功率は80%とリーグのCBで3位の数字。一方で、CBとして空中戦勝率27.3%というのは致命的な数字。昨年、一昨年が58%前後であることから今年は不調だったのかどうかは分かりませんが、迫りくるオリンピックに向けてこのままではいけないという決意はあるでしょう。

山下 達也

「For the team」

セレッソ復帰後、今季もリーグ戦での出場時間は0。その中でもチーム内のBBQやインスタグラムを見る限りでもベテランとしてチームを盛り上げてくれているのが伝わってきます。
クラブ歴代8位の出場記録を持つ彼ですが、1つ上の松田陸の記録まで15試合。どこまで彼がチームにいてくれるのか、チームが彼を必要とするのかは残念ながら分かりません。しかし、1つでも記録を伸ばして、セレッソの歴史に名を深く深く刻んでほしいと願います。
ちなみにCBの選手に限ると歴代1位だったりします。

DF/LSB

舩木 翔

「Hop “step”来年はjump」

昨年はCBの怪我人が多発した関係で、CBとしてプチブレイク。今年は本職のSBで定位置を奪取。来年への期待を見せる一年にしてくれました。
山中の負傷と左WGにカピシャーバが定着したこと(為田が負傷したこと)が大きく作用した印象がありますが、低い位置でも落ち着いてプレーができること、レーンを飛び越えてやや内側でもプレーできることが評価された印象です。
ただ、若干カピシャーバのサポートが遅いなという場面や積極性というところにはやや欠けると感じる部分もあり、そこはまた来年でしょうか。
個人的舩木のベストゲームは去年のアウェイのダービーで、かなり前への推進力やゴールを目指す積極性が見られた試合だったので、そこを目指して欲しいなと個人的には思っています。

山中 亮輔

「大砲を活かすためには」

怪我もあり難しいシーズンとなった今シーズン。
特にシーズン序盤は左サイドで渋滞する場面が多く、距離を詰められたらただただ縦ポンを繰り出すだけで、それも精度が伴わないということで狙われどころになっていました。
しかし、シーズンを経るにつれでディフェンス面でもオフェンス面でも進歩は見られ、ディフェンスでは粘り強く、一発で行かないようになりましたし(当社比)、オフェンスでも距離を詰められても中に自分で運んでいってパスコースをズラしてみたりと山中なりに工夫している感じは伝わってきました。
しかし、怪我による長期離脱で定位置を失い、最終局面で復帰しましたが、点を取るときの固定砲台としての途中出場に帰結してしまいました。セレッソのあのSBをやる上では少し不器用すぎるかなと。
彼には既に移籍の報道も出ていますが、個人的に期待しているだけにもう少し器用になって残ってほしいところですが果たして。

大迫 塁

「忘れたくないあの熱い思い」

プロ一年目は怪我もあり、苦しい一年に。
ただプロデビューは飾り、チームにも馴染んでいる様子が度々SNSで見られるので一安心。
今季は左SB中心だったようですが、来年はどうでしょうか。
彼の神村学園で見せた強烈なキャプテンシーは出番がない中でも、失ってほしくない。あの味方に強く要求するパッションがセレッソにも必要なはずです。

丸橋 祐介

「左足の輝きを」

いよいよ、完全にセレッソから離れることになってしまいました。
今季は夏にタイから復帰ということでしたが、TLでは復帰後にユニフォームを買っているサポーターの方を何人も拝見しました。本当に愛された選手でした。
何より彼が素晴らしかったのは出番がない中、復帰したての時も積極的にイベントに出てきて、チームに貢献しようとしてくれていたこと。18歳だった若者が30歳を越えてチーム第一に活動してくれている。この変遷を見られることがユースシステムのいいところであり、何よりサポーター冥利に尽きることだと思います。
来年は違う場所で戦うことが信じられませんが、またどこかで。
一緒に戦うサポーターが丸橋祐介という素晴らしい人間・選手を、愛してくれることを祈っています。

DF/RSB

※松田陸はレンタル組の振り返りにて。

毎熊 晟矢

「ここから世界へ」

日本代表入り、そしてJリーグベスト11と飛躍の一年となりました。
それはスタッツにも表れており、デュエル勝率は右SB&WBの中では酒井宏樹、片山瑛一に次ぐ3位。上位の2人がフィジカルが評価されている選手であることからも、身体面の成長が見られます。因みに同じく同ポジションとの比較で被ファウル数が最多だったりします。これはSBがなんとかしないといけないチーム状況の現れでもありそうですが。
チーム面だと数少ないレーンを飛び越えていける選手であったこと、独力で一枚剥がせることが大変助かっていました。
あとはシーズン終盤本人も言及していましたが、やはり数字の部分。シーズン序盤、WGもやっていたことを考えると1G2Aは物足りない。5G5Aくらいは狙いたいところです。(今年のチームの出来は一旦おいておいて。)
長崎から獲得時には1億円の移籍金を有したと言われていましたが、立派にそれ以上の価値を証明してくれる選手に育ってくれました。

石渡ネルソン

「全ては来る日にむけて」

正式に昇格を果たした今季はリーグ戦に関われず。右SBとして牙を磨く一年になりました。
長いストライドでの加速や、ドリブル突破はネクスト毎熊の予感も漂わせてくれました。
あと、いつでも笑ってるのがかわいい。
本人の目標は「点も取れる怖さのあるボランチ」。守備の強度、シュート技術、全てを高めて、自分なりの武器を見つけていってほしいです。

奥田 勇斗

「世界を感じて、前を向いてプロの世界へ」

今季途中に加入が発表され、すぐにルヴァンカップにてプロデビューを飾りましたが、それ以降は出番がなく終わりました。
一方で親善試合ではパリサンジェルマンと、U-22の遠征ではイングランド、そしてアジア競技大会と海外の選手たちと凌ぎを削る機会に恵まれました。
特にアジア競技大会では不慣れな左SBをメインで起用され、既に海外で活躍している選手と対峙。
毎熊が移籍なんてことがあれば、早速一番手ということもあるでしょうから、すべてを糧にして成長を続けて欲しいなと思います。



以上です!
感想等いただけると幸いです。
また次回!

※PICK UPの情報は第33節終了段階の情報です。

Photograph by Michie(みっちー)🚹🌸 さん

いつも素敵なお写真ありがとうございます!

参考資料


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