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2023 セレッソ大阪 プレイヤーズレビュー③【レンタル組編】

ポジション別でやっていきます。

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期限付き移籍中の選手について

8/19作成 色分けはレンタル先のカテゴリー ※12/20 19:00修正

この季節になると「なんで〇〇選手を戻さないんだ」「〇〇選手を完全で出すなんてユース軽視だ」みたいな声が出てきます。
気持ちはとてもわかります。一度自分たちのチームに所属した選手は等しく自チームで活躍してほしいものです。
しかし、選手の移籍というのはお金が発生しますし、チームバランスが崩れないように移籍の人数を調整するということも重要です。
その面で今季、セレッソは10名の選手を他クラブに期限付き移籍させていますが、ユースであれそうでない選手であれすべての選手を手放さない選択をするのは不可能です。出している選手が3名とかであれば全員来年一度戻して…ということはできるでしょうが、10名ではそうはいきません。
悲しいですが期限付き移籍というのは選手の成長というところに名目を置きつつも、「今年は戦力として含まない」という残酷な宣告でもあります。
そのことを踏まえてみると強化部の動きにもある程度の合理性が生まれますし、冷静に移籍市場を見れるのかな、なんて。

少し話が逸れましたが、本編どうぞ!

右SB

松田 陸

「吟次と誇り」
出場時間:956分(先発12/12)
ゴール:0ゴール
アシスト:1アシスト

右のボランチが凪生だったので、セレサポ的にはパス交換が多くうれしかったところ。
加入直後の練習から「モノが違う」と甲府サポーターの度肝を抜き、結果として出場可能な全試合で先発出場。もはや言うことがありません。松田陸は全然色褪せていません。
相変わらずインスタでの匂わせが多い(サポが勝手に読み取ってるだけ)ですが、来年はどうなるでしょうか。市場的にSB難なので戻ってきてくれるとありがたいのですが。毎熊は何となく残る気がしているので、2番手スタートをどう思うか。J1他クラブも目をつけているでしょう。

CMF

原川 力

「プロフェッショナルとして」
出場時間:677分(先発7/10)
ゴール:1ゴール
アシスト:1アシスト

東京では同じく夏に海外移籍した安部柊斗の代役としての期待を受けての加入となりましたが、リーグ戦11試合に出場。最初の2試合と最後の1試合を除く8試合連続でスタメンに名を連ねました。
本人も度々コメントを残していたが、彼の最大の持ち味はハーフスペースに飛び込んでのチャンスメイクであり、それがセレッソ、そして彼のポジションで十分活かされたとは言えませんでした。
その面では後悔が残りますが、彼の守備の強度・プレースキックなど他の武器は十分に見せてもらえましたし、そこについてはチームスポーツとしての割り切りは一定必要かと。どちらかというとプロとしてチームに徹してくれた彼を褒めるべきです。
…と書いているうちに完全移籍が発表されました。頑張れ。

松本 凪生

「もう一歩」
出場時間:2263分(先発27/29)
ゴール:1ゴール
アシスト:1アシスト

去年もそうでしたが、今年も波があるシーズンに。
ハーフシーズンレビューにも書きましたが、甲府の監督である篠田氏はボランチをユニット毎に考える傾向が強いです。例えば今シーズンでは【林田&佐藤】【凪生&中村】など。
そんな中でベンチ入りも厳しい時期もありましたが、結果としては27先発、2263分に出場。プロ入り最多の先発出場を記録しました。(2位はU-23時代)
インパクトがあったか、と言われると違う気もしますが、ボランチの入れ替わりが現状多いだけに一回戻ってきてチャレンジする、ということになるかもしれません。

岡澤 昂星

「自分探しの旅」
出場時間:1450分(先発17/18)
ゴール:1ゴール
アシスト:2アシスト

プロ2年目の夏、外に出ることを選択しました。
これはルヴァンへの早期敗退と香川真司の復帰が起因したと思われますが、結果としては大成功。チーム成績は微妙と言わざるを得ませんが、個人成績としては◎。出場可能な19試合で17試合に先発、うち10試合でフル出場と継続した出番を獲得したのは、プレースキッカーも任されました。
同ポジションに若手が多いことは彼も大きな危機感を感じているはず。いずれの選手も他クラブやセレッソで結果を残していたり、鳴り物入りでセレッソに来ています。何者かになる旅はまだ始まったばかりです。頑張れ。

右WG

中原 輝

「メシア」
出場時間:1498分(先発18/18)
ゴール:6ゴール
アシスト:4アシスト

昇格のライバルに不動の存在であったバスケスバイロンを強奪されて、東京ヴェルディが選んだ救世主。
合流直後の仙台戦で1ゴール2アシスト。大きなインパクトをもたらすと、その後も重要な局面でのゴールを連発し、バスケスバイロンの影を綺麗さっぱり塗りつぶしました。

得点関与率(計算方法は以下)は脅威の65.38%。出場可能だった18試合で生まれた26得点の内17点に関与していました。とんでもない。
…ここまで書いてたら鳥栖への移籍報道が。大詰めとのことで。これだけの選手が他クラブに移るのは普通に恐怖ですが、翻意を試みた上でそれでも違うクラブでという本人の意思だと思うので仕方あるまい。恋愛と同じで心が離れたら最後。あとは後腐れなく応援することしかできません。
…残ってくれてもいいんだよ???

OMF

西川 潤

「まだプロ4年」
出場時間:729分(先発7/21)
ゴール:0ゴール
アシスト:1アシスト

今年も覚醒の1年とはならず。
昨季後半に引き続き、U-21代表に招集されることはあれどクラブで大きなインパクトをもたらしたとは言えませんでした。
ただ、ドライに数字だけをみると確かに「戦う」部分の数値は軒並み上がっており、U-21ではIHでのプレーもしていたことから幅も一歩ずつ広がっている印象です。出場時間もプロ入り後最多でした。

プロ入り後の各種データ 期待以上とは言えないが、最多の出場時間

個人的には実は目指すべきは為田なのではないか…???と思っています。中盤と前線の繋ぎ役、リンクマンのような感じ。
インパクトとしては薄いかもしれませんが、彼の足元の技術・パスセンスを活かしつつできるだけ広いポジションでプレーさせるという意味ではそういうプレーを重視させるのは個人的にはアリです。知らんけど。
なんとなく戻ってきそうなので、期待です。

中島 元彦

「募る焦燥感」
出場時間:1989分(先発23/32)
ゴール:6ゴール
アシスト:5アシスト

復帰の打診、他J1クラブ並びに海外クラブからの引きもあったという前オフ。そんな中、サポーターの声にグッと来て男気残留。J1で十分にやれる力を持ちながらも、J2での昇格争いに身を置きました。しかし、チームとしての結果は中位。出場時間も25%減。6ゴール5アシストと結果を残しましたが、ポテンシャルを考えると物足りない結果となりました。
しかしながら、プレー、特にシュートへの積極性は現チームに無いものであり、そもそも6得点は自身のJ2最多記録。悪くはないです。
得点を取りたい時のIH/ツートップの控えとしては十分かなと思っています。そんなこと考えていたら新潟が黙っていないでしょうが。
みんな大好き中島元彦。香川真司から8番を受け継ぐ日を夢見ながら来季は全力で応援したいです。

FW

藤尾 翔太

「藤尾無双」
出場時間:1444分(先発14/33)
ゴール:8ゴール
アシスト:2アシスト

移籍後は「走れない」「ポストプレーできない」で割と叩かれてたイメージがありますが、起用法が定まってからはJ2屈指のストライカーに成長した印象です。
転機となったのは途中交代から一時的にサイドの起用が増えて、「あれ?ドリブル上手くね?」となったこと。3バックのシャドウを経てストライカーのポジションをモノにしました。
基本的な仕事はロングボールに対して裏抜けして相手のハーフスペースをつくこと。ロティーナ期に奥埜やメンデスがやっていたことといえば分かりやすいでしょうか。そこで収めるもよし、自分でドリブルでゴリゴリ行くもよし。
既に町田に完全移籍濃厚との報道が出ていますが、それだけ彼にとってオリンピックが重要ということかな。オリンピックに選ばれ、早々に海外に行って活躍してくれ。セレッソ戦では活躍しないでね。
頑張ってください。
期待していただけに悔しい。

山田 寛人

「万能以上の存在に」
出場時間:1901分
ゴール:2ゴール
アシスト:4アシスト

結果だけ見ると2得点。不審に喘ぐチーム状況を加味してもビッグチャンスミスはかなりありました。見ている限り。(J2はデータ取られてないので数値上は不明。)
ただ、前線で収める動き、裏抜け、デコイラン…得点以外のところは上手くやってました。というか上手い。その結果が自己最多の出場時間であり、アシスト4でしょう。
ただ結果として目標であった15得点は未達。一つ噛み合えば得点量産しそうな雰囲気があるだけにその瞬間はいつになるのか。

澤上 竜二

「新たなステージに」
出場時間:996分(先発7/33)
ゴール:2ゴール
アシスト:0アシスト

先日、契約満了が発表されました。
セレッソに籍を置いたのは2016年からの8年間。大卒で加入して彼も30歳になりました。
今年は背番号も9番へと変更し、昨季7得点を挙げたチームのエースプレイヤーとなりそうな予感を感じさせました。
しかし、蓋を開けてみると福島への移籍までの21戦で先発出場は僅か3試合、得点は0という成績。天野杯の都道府県決勝でキャプテンマークを巻くなどちょっとしたトピックこそあれど期待されていた輝きを放てず。
後半戦は同カテゴリーの福島ユナイテッドFCにレンタル先を変更。
結果として出場可能な17試合にすべて出場しましたが、先発は4試合で2得点。物足りない結果になりました。
トライアウトに参加してなかったので将来のアテはあるのか?いずれにしても応援してます。頑張れ。


Photograph by Michie(みっちー)🚹🌸 さん

いつも素敵なお写真ありがとうございます!

参考資料


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