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【ライナーノーツ】ギターの神はかく語りき

逆噴射小説大賞に投稿した私の作品は、どれも思いついた話を衝動的に発射したものばかりだ。ゆえに、どれもそれ以上の続きは全く考えていなかった。
だが例外が出た!続きができ、あまつさえ掌編として完結したのだ。思っていた以上に褒めていただき、調子をこきにこいた結果だ。本当に皆様ありがとうございます。

この作品は、逆噴射小説大賞に私が最後に投稿したものだ。
これのひとつ前『人形の国』を投稿してから、まーこれ以上は特に増えないだろうなと思っていた。ほんと人間ってアテにならないね。

『ギターの神~』は、私と家人のしょうもない日常会話から生まれた物語である。
私も家人もヘヴィメタルが大好きで、普段からその手の会話が多い。
「ギターやってもモテないよねえ、特にメタルはねぇ~」などという会話は今まで腐るほどしてきたような内容だ。
普段ならそのまま流される会話が小説執筆のトリガーになったのは、逆噴射小説大賞開催期間中でアンテナが鋭敏になっていたからとしか考えられない。こういう出来事からも、このイベントが与えた影響力がうかがえる。

この作品を書いている間、常に私の記憶の片隅にあったのは大槻ケンヂ氏著『ロッキン・ホース・バレリーナ』である。
恥ずかしながら私はあまり読書を好むタイプではなく、読んできた本がだいぶ偏っている自覚がある。そんな決して多くない読書歴の中で、「ロックバンド」をテーマにした小説で心に残っているのがこの本だった。

この作品から、ライブのイメージとか、作品内に登場する曲選びとか、青春とは…とか、結構影響を受けているように思う。

『ギターの神~』はギタリストの話ではあるけれど、作者の私はギターを触ったことがあるにはあるが、結局長続きしなかった凡庸な人間のひとりでしかない。
それでも『ギターの神~』を書きながら、読んできた本、ギターをかじった経験、聴いてきた音楽といったものは確実に自分の肥やしになっていることに気付いた。インプットはした分だけ血肉になるのだ…。

私は何だかんだハピエンが好きなので、やっぱり最後はハッピーに終わりたいという思いがあった。ゆえのこのラストである。
実を言うと当初は、赤いエクステの彼女と主人公は「戦友」として終わるつもりだった。「彼女とならどこまでだって行ける!…あれ?なんでギター始めたんだっけ?」みたいな。
でもやっぱり書いてて登場人物が勝手に動くというか、その終わり方は何だか違う気が…となっていった。
イケメンだって初稿ではただの嫌な奴だった。いやしかし…!こいつにだけこんな悪役担わせていいのか…!?と考え直し、防音室から出て彼女と言い合うシーンから後はかなり大規模な修正を加えた。イケメンはこの作品で最も大きく変化を加えられた登場人物だ。おまえの破壊力MAXな笑顔を引き出せて作者は大いに良かったと思ってるよ…。
ちなみに作者の一番の推しはツンツンです。こいつ可愛い。し、物語を書く中でもあまりブレなかった。作った当初から動かしやすい子だったんだろうね。

心残りがあるとすれば…
実を言うとこの作品の続きを書こうと思ったキッカケは「ハーマン・リもびっくりのイケメン」というフレーズを思いついた、という至極どうでもいいものだった。でも結局出しどころがわからずこのフレーズは登場しなかった…。
それから、『ギターの神はかく語りき』ってタイトルなのに大して神様がなんも語ってないこと(笑)
いやそれは…ねえ…?続くつもりなかったから適当にそれっぽくつけたタイトルだったわけで…ごめんなさぁい。

何にせよ、私は普段小説を全く書かない人間であるにもかかわらず、掌編とはいえ完結させるところまで持っていくことができたことは、めちゃくちゃスゲーと自分で思っている。しかも1日1話更新をやりきった!
ここまでできたのは、スキを押してくださったり、感想ツイートしてくださったり、サポートしてくださった皆様のおかげだ。本当にありがとうございます!

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