「プリンシプル オブ Aの魔法陣」という本を思いついた

 冬のTRPG大集合アドベントカレンダー2016 (  http://www.adventar.org/calendars/1898 )、

12月22日の登場は三たびわたくし、マッチ棒こと山内が務めます。
と言うのも、すごくイカス企画を考えついちゃいまして。
誰にとってイカスか、というと、もちろん僕にとってです(笑) 
まあでも、みんなにとってもいい話だと思うので、ここで紹介させてください。

 来るコミックマーケット91で、突発でもう一冊出そうと思います。
サークルブースは1日目東地区オ13a「シアワセ修練具現場」。
タイトルは「プリンシプル オブ Aの魔法陣」。まさかのAの魔法陣(以下、Aマホ)本です。

 Aマホ、実はわたくし、ここ十数年間追い続けているTRPGでして。
進化の極北、T&Tでいうタレントの先駆けこと「成功要素」概念の生みの親、
極小ルールで何でも回せる低水準TRPGことAマホ、僕は大好きだったんです。

 で、当然の帰結としてコミックマーケットではAマホ同人誌をつくってお出ししていたんですが、
これがさっぱり頒布がはかどらない。
出た当初ならいざ知らず、世間一般では「なんだか良くわからない、TRPGっぽい何か」
という扱いのAマホですから、そのファンブックを出したって、
届けるべき読者の母数が少なすぎるわけです。その結果できたのは、在庫の山、また、山。

 なので、わたくし、考えました。
頒布をはかどらせるためには今までのやり方ではだめで、それはターゲットの母数が少ないから。
でも、同人誌は頒布数を稼ぐためにやるんじゃないですよね。
同人誌は内容が刺さる特別な読者に届けるためにやるんです。

 今現在のAマホファンはどうなっているかと言うと、(一部の芝村さんファングループを除いて)
Aマホの潜在的ファンは薄く広くひろがり過ぎてて、(他システムに比べても)Aマホが好き。とかいう奇特な人はごく少ない。
ゆえに、ごく少ない人=特別な読者にのみ刺さるド濃いいやつを作って、サークルブースには見本誌だけ置く。
必要な人は勝手に嗅ぎ付けてくるから、その人に聞かれた時だけお出しする。と言う手で行こうと考えました。

 というわけで、私は私の考える最高のAマホ同人誌を作る。ということにしました。
突発本なのでもちろんキンコース製(印刷代や表紙の紙代以外に、製本で一冊320円かかる)、価格もお手頃とは行きません。
部数も当然、きわめて少部数と言うことになります。

 幸い、芝村さんファン界隈では(Aマホではありませんが)高難易度ゲームのブームが再燃しています。
(芝村さんファン界隈がゲーム同人誌を買うかどうかはさっぱりわかりませんが)
彼らの把握するAマホ観を大きく逸脱、もとい、凌駕する、ハイローラー向けAマホプレイング技術書を書けば、
高難易度に悲鳴を上げている人の何人か、あるいは好事家が頒布を求めてくるでしょう。
(ついでに昔のファンブックも入手してくれるといいなァ)


 てなわけで、「プリンシプル オブ Aの魔法陣」という本を書きます。(今書いています)
やさしい技術書として記述しますが、TRPGの技術書(解説書にあらず)なんてこれまで僕は見たことないので、
おそらく普通のTRPGerはウルトラ面食らうと思います。
見本誌はサークル「シアワセ修練具現場」、ブース番号1日目東地区オ13aに置いておきます。心の琴線にヒットした人だけ、どうぞ。
とりあえず冒頭の文である「はじめに」を書き上げましたので、載せておきます。

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○はじめに:プリンシプルとはナイスプレーの指針
 この本はAの魔法陣(以下、Aマホ)というTRPGの解説本ですが、この本はAマホがどんなゲームか。という解説はしません。
 この本が目指すのは、Aマホの基本的な文法を覚えてプレーできるようになったけれど、今一つ「ナイスプレー」に結び付けられない……という人に向けた本です。
例えばこういう事象にぶつかったことはありませんか? もしあれば、この本はあなたの為の本です。

・行動宣言内容によって状況が変わって、難易度が急激に上がった。
・行動宣言を提出したが失敗に終わった。
・行動宣言内容を人に見てもらったら、分かりにくいと言われた。
・行動宣言内容を後で見返すと、見にくさに愕然とした。
・行動宣言内容を整理すると、何もしていなかったことに気付いた。
・セッションデータを修正してプレーしたら、予想外の展開が頻発した。
・セッションデータに機能を追加しようとしても、どこを修正していいかわからない。
・セッションデータに機能を追加しようとしても、その余地がどこにもない。
・セッションデータの環境設定を変更したら、全体的に書き直しになった。

 こうした事象を頻発させているなら、それからのステップアップは簡単ではありません。
いいセッション、いい感想戦、他プレイヤーのナイスプレーに、自分に都合のいいタイミングで出会って、自分の技に取り込めれば良いですが、これは運に左右されます。もちろん、確率は高くありません。そこで、書籍を読んで勉強する(どんな遊びも真剣にやるとなれば、その様式を学ぶことは重要です)事になるわけですが、これまで、初学者向けの書籍としてルールブックのその先、本質的なプレイングスキルの改善に関する本はありませんでした。かくいう筆者(山内)も上記のような壁にぶつかった一人です。この本は、その壁を突破するための足掛かりとなるべく書いたものです。
 本書は、デジタルゲームデザイナーでありAマホの作者である芝村さんのゲーム群で活躍するための「プリンシプル」を紹介します。そして、各プリンシプルについて、「どういう事なのか(what)」「なぜ必要なのか(why)」「どうすればよいのか(how)」を中心に紹介します。
 プリンシプルとは、プレイングの指針となる前提や原則、思想のことを言います。十うん年に渡るAマホと芝村ゲームの歴史をつぶさに見てきた筆者(山内)の視点で良いと考える、ナイスプレーの為のエッセンス(本質的な知識)と考えていただければ幸いです。エッセンスですので、特定の技術に特化したものではありません。抽象度は高く、一見して「何の役に立つかわからないものが含まれている」、と考える向きもあるでしょう。しかし、現在みられる様々なプレイングテクニックとは、その実プリンシプルの目的を具現化したものです。古くは誘出(サターン戦術)や方陣、覚醒(共にニンジャ戦術のひとつ)、新しくは回復連撃(リワマヒ戦術)等も、プリンシプルの目的をより高度に達成するために生まれ、より効率的に達成できるように進化する過程で生まれたものです。
 プリンシプルの目的は、ナイスプレー「でない」プレイングに含まれる本質的な問題を解決していくことです。本質的な問題とは例えば、行動宣言を読みやすくしたい、セッションデータに想定外の展開を無くしたい、などの要求です。プレイングテクニックとはプリンシプルの目的を、プレイヤーやセッションデザイナーに達成してもらうために発明されます。これまで様々なテクニックが生まれては消えていきましたが、本当に目的を果たしたテクニックこそが、今も残っています。
 つまり、プリンシプルを理解していれば、新しいテクニックを学んだ時、その存在理由(なぜその技術が必要なのか)を理解することができます。これにより、ただ単にテクニックをまねるより早く、深くテクニックを習得できます。それは、知識が素通りしないで定着するための「土台」がプリンシプルにより構築されるからです。
 さらに、プリンシプルを理解していれば、技術の使い方もより一層上手くなります。それは、技術の存在意義や意図をプリンシプルで会得しているため、用法、用量を正しく適用できるようになるからです。
 しかも、プリンシプルは普遍的な情報なので、陳腐化しません。技術の種類によらず、「どのような行動宣言をすればよいか」「どのようなセッションデータを書けばよいか」を判断できるようになります。つまり、プリンシプルはことAマホ(および芝村さんの運営する一連のゲーム類)を遊ぶ限りにおいて、今後ずっと使える情報となります。
 本書の目的は、プリンシプルを通じて、あなたに、ナイスプレーを連発する「Aマホの上手い人」になっていただくことです。
 上手い人は、良い行動宣言や良いセッションデータを作り上げます。それらは、プレイヤーの在りように寄り添う形でさらに改善できます。そしてそれゆえに上手い人は良いセッション(すなわち良い記録や記憶として残り続けるセッション)を生み出し、プレイヤーの役に立ち続けることができます。
 あなたがAマホの上手い人になるために、本書がお役に立てれば幸いです。
(2016年12月21日 山内剛)

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 上記「はじめに」以降の項目では、「ではどうやってプリンシプルを学ぶか?」 を解説し、プリンシプルの骨子である前提・原則・思想についてどのようにまとめているか、また各解説の書式や、用語、注意事項などを記載しています。
 各項目では「どういう事なのか(what)」「なぜ必要なのか(why)」「どうすればよいのか(how)」を書き、状況のときどきに応じたナイスプレーとはどのようなものか、その外延に迫ります。
 この本では、いわゆる「Aマホのプレイングで発生したさまざまな戦術の紹介」ではなく、その戦術を編み出した際に念頭にあったガイドラインやイデオロギーを開陳する、予定です。
 収まりどころのいい値段設定もさっぱり考え付いてませんし、DTPする余裕もないかもしれませんが、Aマホプレイヤーズグループ(今や僕とその周りぐらいですが)が贈る、2016年最高の(というか唯一の)Aマホ技術書になるかと考えています。
Aマホ男子(漢なら女子も可)は括目して見よ! 

 最後に目次を載せておきます。
気になる項目があったらぜひ現場でお会いしましょう。

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タイトル:
「プリンシプル オブ Aの魔法陣」

副題:
別システムに移行するまでに身につけたい!
TRPG全般に役立つ46の原理原則

目次:
○はじめに:プリンシプルとはナイスプレーの指針である
○どうやってプリンシプルを学ぶか
○プリンシプルの説明書式
○本書内での用語
○本書のプリンシプル説明に関する注意点

○前提
100%通る万能成功要素は存在しない
行動宣言は設計書である
作戦は必ず変更される

○原則
シンプルに短くまとめよ
二度同じ技は通用しない
いつか必要になる日は来ない
意図を意識して行動宣言せよ
粒度は大から小に流せ
拡張にはオープンに、修正には閉鎖的に
名前重要

○思想:プレイヤー編
最高の行動宣言を導くセオリー
セオリー1:コミュニケーション
セオリー2:シンプル
セオリー3:柔軟性
セオリー実現の6原則1:変更影響の局所化
セオリー実現の6原則2:重複の極力排除
セオリー実現の6原則3:行動と扱う対象の同一宣言内包
セオリー実現の6原則4:行動レベルを合わせる
セオリー実現の6原則5:行動宣言に事実以外を書かない
セオリー実現の6原則6:作戦変更の頻度で色分けせよ
行動宣言の根底技法(良い行動宣言には型がある)
根底技法1:捨象と一般化の両アプローチから抽象化する
根底技法2:行動と扱う対象は同一宣言内に持つ
根底技法3:必要ないものは見せない
根底技法4:プレイヤーキャラをグループ化する
根底技法5:関心事毎に行動を分離する
根底技法6:目指す記述は十分・完璧・純粋
根底技法7:行動宣言・提出理由と成功要素は分離しておく
根底技法8:キャラの取扱説明書を書こう
根底技法9:設定再定義の禁止
根底技法A:難行為は分割せよ

○思想:セッションデザイナー編
セッションデータの非機能要件
セッション非機能要件1:変更容易性
セッション非機能要件2:相互運用性
セッション非機能要件3:リソース効率性
セッション非機能要件4:信頼性
セッション非機能要件5:テスト容易性
セッション非機能要件6:再利用性
7つの判定原理(判定処理の核心的観点)
記述原理1:シンプルにこだわれ
記述原理2:定型にこだわれ
記述原理3:対称性のある命名にこだわれ
記述原理4:階層構造にこだわれ
記述原理5:分岐ゼロにこだわれ
記述原理6:明らかな正しさにこだわれ
記述原理7:安全性にこだわれ

○付録

○あとがき

○奥付

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 と言うわけで、そんな感じの本をリアルタイム今書いてます。コミケ会場で見かけたら手にとってみてくださいね。

 今日の記事は濃かった! ここまで読んでくださってありがとうございました。
明日はjinbe_sさんの記事です。
( http://www.adventar.org/calendars/1898#list-2016-12-23 )
お楽しみに!

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マッチ棒

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