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「電網適応アイドレス」について語るものは幸いである

 令和6年 能登半島地震で被災された方にお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と、被災地域の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 今夜は、休止と再開を繰り返しながらここ十数年続いている、
僕の大好きな超ロングキャンペーン、「電網適応アイドレス」について、語らせてください。

 アイドレスとは、ゲームデザイナーであり小説家でもある、芝村裕吏さんが主宰している、異世界シミュレーションです。
 公式なスタッフは芝村さんお一人、あとは全てプレイヤーがなんとかするという、ほぼ人力で動いています。プレイヤーは『にゃんにゃん共和国』もしくは『わんわん帝國』のいずれかの勢力に属する『藩国』(都道府県や藩のようなもの)に所属して、
テンダイスと呼ばれるブログに今後出題されるお題をクリアしていく、そしてトラブルを起こさない。というのが主な遊び方です。

 プレイヤーは所属する藩国に仕える国民として、藩王プレイヤーの指揮のもと、藩国の特色に合わせた多彩な活動を楽しむことができます。芝村さんもとある国のプレイヤーの一人として参加しています。
 藩王とは、県知事、かつ、RPGのギルド長のようなものという認識で大体あっています。新規に立国して藩王になることも、できなくはありません。

 国民として行える多彩な活動とは本当に多彩です。例えば……
国内にはびこる(かもしれない)犯罪者の掃討のために腕を磨いたり、
芝村さんの世界観「無名世界観」に属するキャラをゲーム内で召喚して会ってみたり、
内政官として国民が安全で豊かで安心できる生活になるように政策を発行したり、
生産活動のモデルとなるようなすごいモノづくりをしたり、
みんなのアクションの弊害として発生してしまうトラブルをがんばって解決したり、さまざまなアクションに挑戦することができます。
そしてやるべきことはたった二つ、「課題をクリアする」、そして「爆発しない」。それだけです。

 「課題」というのは国単位や国家連合単位で解決すべき問題です。国家規模を超えた課題に、当事者として解決に挑戦することはおそらく、一般のTRPGプレイヤー的にも滅多にないことなのではないでしょうか。もちろん難易度は鬼、悪魔、シバムラティック!って感じです。 超高難易度をクリアする時のゾクゾク感が存分に味わえます。

 もう一つが「爆発しない」です。色々できるアイドレスですが、もちろんなんでも上手くいくわけではありません。不用意な行動で不利な状況に転げ落ちていくことをアイドレスでは「爆発」と呼んでいますが、アイドレスではこの爆発がものすごい量、発生します。
そしてこの爆発は、放置すると加速度的に状況を悪くしていきます。これを解決するのもプレイヤーの役割です。鍛え上げられた歴戦のプレイヤーにとっては文字通り、トラブルシューティングを食べ放題です。やったね!
 これに加えて、アイドレスは人力でやってるネットゲームですから、人と人との交流上の爆発、これもちょっとした事で発生し、たとえば10年越しの険悪ムードにつながったりもします。
まさに、アイドレスは地獄! ホラーセッションが目じゃないぐらいの超・高難易度ミッション胃が痛くなる言葉のやり取りが、あなたの参加を待っています! 

 しかし一方で、アイドレスの楽しみは最高です。
たとえて言うなら、一見して汚物にまみれた沼地でも、そこには見事な蓮の花が咲いちゃう。どんな地獄であっても、楽しいことを知ってると案外粘れちゃうんですね。そんなアイドレスの楽しみはだいたい6つぐらいあります。
 一つに、先ほど言った無名世界観のキャラと会って話ができることがあります。
もちろん相手の都合もありますので、かならず友好的な対話ができる保証はありません、相手も世界観の中で生きているのですので……ともあれ、懐かしい顔にもう一度会える楽しみはあります。
 また、自分の所属国のNPC国民たちがだんだんかわいく思えてきます。お世話する楽しみですね。
 三つ目として、人類がクリアできない課題を人類でクリアします。超難易度を克服するという楽しみです。
 四つめは、ほかの人からの助けに感謝できることです。助け、助けられることに感謝する、素朴な心が取り戻せる楽しみです。
 五つ目は、長い長い歴史や世界の情勢に自分の足跡を残すことです。歴史に自分の名を刻めるという楽しみです!

 そして最後、六つ目が、同じ体験をともにした友達と過ごす楽しみです。
同じ釜の飯を食った、10年越しの友人と飲み会をする楽しみは替えの効かない楽しさがあります。

 もちろん楽しみを一度に全部味わうのは無理なので、1から5までの楽しさから無理なくできるものを選んで、選んだプレイを極めるつもりで大体参加者はやっています。その結果、6つめの楽しみが出てきます。

 とはいえアイドレスって苦労しそう、と言っても、そう構える必要もありません。
繰り返しになりますが、アイドレスでやるべきことは結局のところ、2個しかありません。課題をクリアする、爆発しない。の2つです。
この2つのためのアクションは様々、道は一つではない、ということさえ分かっていれば、あとは頑張りの世界です。
 それに、人間の頑張りには限界があります。一人でできる頑張りの限界はひと一人の1.5倍か2倍頑張るぐらいです。なので、個人の努力で無理なものは無理なのが、はっきりわかるゲームになっています。
 そのため、攻略法として、まずは人に頼り、頼られるのが攻略の手段として確立されています。
もちろん頼り頼られる関係をお互いに築くには、楽しい雰囲気づくりが大事です。なのでアイドレスはムードメーカー大歓迎! アイドレスでは藩国内での賑やかし役も立派な活動です。

 それに、アイドレスは人と人が織りなす異世界シミュレーションですから、雰囲気に合わせた言葉遣いや気の配り方など、現実で使えるスキルも直接使えます。
「仲良くまじめな雰囲気を楽しみ」、「シミュレーションの過程を面白がり」、「飲み会で喜びましょう!」 それがアイドレスです。

 そんなアイドレス、つらいけど楽しい異世界生活が、いよいよ今年2024年、ふたたびシーズンインする気配です。
続報は旧ツイッターことの𝕏のマッチ棒アカウントでもご案内できるかもしれません。その時はよろしくお願いします。

 というわけで、電網適応アイドレスの紹介でした。
人力でやってるシミュレーションなので、言葉遣いへの注意とか対人関係の維持管理、ストレス管理なんかも重要です、でもオンラインセッションを長くやってる人ならこの辺りは身についてると思います。
超絶長続きしてる世界観のオンセ環境に飛び込むと思えば、その面白さも苦労も想像できるのではないでしょうか。ネットの世界に爆誕している異世界、もう一つの現実であなたとお会いできるのを、楽しみにしています。

友情とトラブルが織りなす異世界こと、電網適応アイドレスの今後の展開にどうぞご期待ください!


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