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ラグビーファンはお金持ち!? W杯で2020年を占おう 週刊インバウンドニュースマガジン(8月1週号)

この記事は、株式会社MATCHAが毎週送付しているメールマガジン「週刊インバウンドニュースマガジン」の内容を転載したものです。メールマガジンの受信を希望される方は、こちらで登録を行ってください。

1.不透明な東アジア情勢により、インバウンドにも暗雲

韓国を優遇対象国から除外へ、さらに関係悪化か(8/2 読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190802-OYT1T50186/

インバウンド業界に限らず、今週はこちらのニュースが日本中で話題となりました。

春頃から続いていた日韓の諸問題は、日本による韓国のホワイト国除外で新たなステージに移行した感を強めています。

インバウンド業界にとっては、優遇対象の除外がもたらす直接的な影響よりも、これによる韓国人旅行者の対日感情の悪化、韓国経済の減速を原因とする韓国人旅行者の減少が気になるところです。

何より、日本に関心を持ち、日本に好意的な気持ちを持ってくれている人々の心象がこれによって悪化したり、日本を訪れる・訪れたことで肩身の狭い思いを抱いているとしたら、それはとても憂慮すべき事態です。

その他国際関係では、一旦落ち着いたかに見えた米中の経済戦争が、休戦もつかの間、再開しました。

トランプ大統領、中国製品3000億ドル相当に関税へ-9月1日から(8/2 ブルームバーグ)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-01/PVKJZC6S972801

こちらも中国経済の減速が周辺諸国の経済状況、ひいては各国の訪日客数に大きな影響を及ぼすでしょう。

2019年現在、日本を訪れる旅行者の半数以上を中韓の2カ国が占めています。その2カ国に政治・外交・経済リスクのあることは、インバウンドマーケット全体にとっての大きな懸念事項です。

先行きは不透明ですが、どこかに偏り過ぎないバランスの取れた集客プロモーションで、リスクを軽減することができるでしょう。

2.メーカー・小売各社の売上・営利が減少 理由は購買目的の変化

花王の1~6月、純利益9%減 中国への転売規制で (8/2 日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48022030R30C19A7DTD000/

今週は、メーカー、小売業各社の売上・営業利益について、ネガティブなニュースがいくつか届きました。

三越伊勢丹、営業利益11%減 4~6月 インバウンドが鈍化(7/31 日経新聞)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO4801245031072019DTA000?s=0
コーセー—急落、インバウンド低調で第1四半期は想定以上の大幅減益に(8/1 MONEY VOICE)
https://www.mag2.com/p/money/741042
小林製薬、訪日客向け減速 漢方を成長の軸に (7/31 日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48022180R30C19A7LKA000/

花王や小林製薬の事例では、中国向けのEC規制が関連していると推測されています。

中国国内では、日本で仕入れ中国に戻ってEC転売する動きが活発であり、日本国内での購買にも影響していました。

今年1月からの規制でそういった動きが制限され、転売目的の購入が抑えられたと考えられます。そう考えれば、適正な水準に調整されたとも言えるでしょう。

今後は現在のレベルを基準に、異なるおみやげの開拓、購買以外の経済活動をいかに増やすかを考える必要があるでしょう。

3.訪日客にわかりにくい梅田駅の名称が変更! 外国人からの評判は?

「梅田ってどこ?」で「大阪梅田駅」に改称 阪急・阪神(7/30 朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASM7Y622TM7YPTIL02Z.html

訪日客にとって位置の分かりづらかった「(阪急・阪神)梅田駅」の名称が、「大阪梅田駅」に変更されることとなりました。

訪日客の視点で地名や駅名称を検討し直すのは、それ自体はとても素晴らしいことだと思います。

ただし、上記の変更を経ても、複数の梅田駅が林立する周辺の状況は変わらないため、引き続き混乱は生じることでしょう。また訪日客のために名称が変更することは、地域の方にとって受け入れがたい場合も予測されるため、慎重に検討することが肝要です。

ちなみに、弊社の海外スタッフにこのニュースを伝えたところ、「ないよりはいいけど、複雑さが大きく緩和されたわけではない」と、厳しい意見でした。

もしもこのような名称変更を検討する場合は、1.検討するメンバーに海外の人間を実際に入れること、2.地域の方の意向も汲むこと、3.関わる事業者で統一した変更を行うこと などが欠かせません。

4.もうすぐラグビーW杯 どんなユーザーが訪日するの?

世界の旅行顧客データに特化した ADARA(アダラ)が ラグビーW杯期間のフライト予約データの分析結果を発表(7/31 ADARA)
https://adara.com/2019/07/31/adara-rugby-world-cup-booking-report/

様々なトラベルデータから旅行顧客の行動を分析する、トラベルデータコープ「ADARA」が、今秋のラグビーワールドカップに関する訪日旅客データを発表しました。

その結果、ワールドカップ主要参加国からの旅行者は、平均に比べ
1.滞在日数が長く
2.富裕層の割合が多い
ことがわかりました。

この傾向は以前から予測されていたことですが、データの裏付けが得られた結果となります。

ラグビーワールドカップは同じスポーツイベントという意味で、翌年のオリンピックの結果を占う機会でもあります。

欧米圏向け、富裕層向けのサービス・観光資源を用意している方々は、翌年のマーケティングデータを集める意味でも今秋のが重要になってくるでしょう。

5.中国・インド・ロシアなど、ビザ緩和予定国に勝機あり!

中国人観光客のビザ申請が2020年4月より電子化、さらなるインバウンド拡大へ(8/2 MINPAKU.Biz)
https://min-paku.biz/news/china-visa-202004.html

中国からの旅行者について、先ほどはネガティブなニュースを紹介しましたが、こちらは前向きなニュースです。

現在中国からの旅行者は、訪日前に日本大使館・総領事館へ、指定旅行社を通して直接ビザ申請を行わなければなりません。

それが日本の外務省によると、2020年4月よりオンラインでの申請が可能になるそうです。

今後も中国、インド、ロシアなどの国でビザ発給の条件・方法が緩和されることが予定されています。

中国人旅行者の近年の急増も、ビザ発給条件緩和によるところが大きいとされているため、今後は上記のような国からの旅行者増が期待されるでしょう。

改善アンケートのお願い

今後みなさんにより有益な情報、コンテンツをお届けするため、改善アンケートにご協力下さい。以下のフォームより、興味深かったニュース、今度届けて欲しいニュースジャンル、コンテンツなどをご記入ください。

https://forms.gle/KCirJGesP2Ldq9As5

まとめ

今週は梅雨明けもあり、都内は非常に暑い日が続きました。

1年後の今は、このような気候の中で、世界中のアスリートがしのぎを削ることでしょう。熱中症や暑さを理由とする事故が懸念されます。

オリンピックを翌年に控え、今年は上記のような具体的な懸念や問題が想定されるようになりました。残り1年という期間を十分に活用し、数十年に一度のビッグイベントを成功裏に終えたいものです。

インバウンドマーケットにとってもそれは同じ。

今回のマガジンではラグビーワールドカップがオリンピックの結果を占うよい機会になると述べました。

訪日客の流れが大きな山場を迎える2020年に十分な成果を上げるため、今年は事前のマーケティング・プロモーション、サービスプレリリースを行う年となるでしょう。

わたしたちMATCHAでは、オリンピックに向けて訪日集客を拡大しようとする企業・自治地帯の方々のパートナーとして活動を続けています。

誰に、何を訴求していけばよいか悩まれている方は、ぜひ私たちに相談してください。

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