対話と配信。

私はコミュニケーションが苦手だ。
コミュニケーションの定義が主観的すぎる。
楽しませるか楽しむか、自分がどちらを選ぶかという話だからだ。

伝わった気になって気持ちよく話して片方が会話を楽しんでいても、片方は楽しんでいないことなど当たり前にあるだろう。
そして気づいたら嫌われ疎遠になられた、という人も少なくないのではないだろうか。

会話の比率が 自分:相手=2:8 であればコミュニケーションミッション、大成功だ。相手の対話という定義に沿った会話ができている。花丸である。

しかし疲れる。これは頭をフル回転させ、癖づけをしなければいけない。
癖がつけば簡単だが、相手が気持ちよく話してエゴを押し付けてくる姿は不愉快極まりないから極力したくない。

配信の何がラクかというと、自分が拾う必要のないコメントを無視、もしくは軽く流すことができるところにある。私は、自分が楽しいことしかしたくない。私に興味のない人間には興味を向けない。面白くないからだ。配信ではそれが許される。私が話したい人と、話したいように、好きなように私の愛を伝えることができる。素晴らしいシステムだ。

しかし、現実ではそうはいかないし、誰かを好きになった時はそのような態度では嫌われる。当たり前だ。

両方が同じ熱量で会話を楽しむためには、人間の相性が前提として必要だ。
簡単に言えば、「話すのが好きな人と、聞くのが好きな人」のセットだ。

正直、相手に興味を持って深掘りしたり、心配したりするふりをすれば八割型の人間は気持ちよく話す。
その質問の質に、コミュニケーション能力が出ると言っても過言ではない。

相手を傷つけない最良の質問は、同じ話題を相手に振ることだ。
全く同じ質問だ。

「趣味はなんですか?」と聞かれたら、好きなだけ答えて、その後相手にも「あなたの趣味は何ですか?」と聞けばいい。

コミュニケーションの苦手な自分語り型は自分に向けられた「興味」の一割しか相手に返さない。だから「こいつは自分の話ばかりだな。」と思われるのだ。

褒められたら褒め返す。
聞かれたら聞き返す。

これを徹底すれば、まずまずの確率で会話の楽しさは双方に程よく流れる。


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