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「ルパン三世 」first-TV.BD-BOX〈4枚組〉

「ルパン三世」の1971年から72年にかけて放送された最初のテレビシリーズです。1話から9話までは大隈正秋(おおすみ・まさあき)が演出、10話〜23話まではAプロダクション演出グループ(高畑勲・宮崎駿)が演出しております。

大隈正秋は1969年に東京ムービー制作「ムーミン」の最初の26話を演出、この時のキャラクターデザインが大塚康生でした。このコンビがそのままTVアニメ「ルパン三世」の立ち上げに関わりました。

放送に先行して野沢那智や広川太一郎がルパンを演じたパイロットフィルムも制作されていて、このBOXに収録されております。

大隈正秋のルパンは大学生からアダルト層を狙っており、これは原作の掲載誌が高年齢向けの漫画雑誌「漫画アクション」だったこと、そして当時の少年漫画誌も高校〜大学生に読者を拡張していたことにあります。「ルパン三世」のアニメは最初の大隈・大塚路線が基本イメージを形成し、それは形を変えつつも今日まで受け継がれているといえます。

大隈ルパンにはその後のルパンでは薄れてしまったアダルトでアンニュイ、ときに殺人も辞さないハードな魅力があり、現在でも熱狂的ファンがいます。しかしテレビアニメとしては早すぎた企画で、視聴率は低迷、10話からは宮崎駿と高畑勲が共同で演出することになりました。のちに日本を代表するアニメ監督となった2人が入ったことにより、「ルパン三世」はますます面白いアニメになりました。宮崎駿はそれまでアニメーターでしたが、この作品に演出参加したことが監督になるステップとなりました。

第12話「誰が最後に笑ったか」のラストで悪党とルパンが延々と素手でお互いの顔が変形するまで殴り合うのですが、どうみても「紅の豚」のラストのどつきあいに流用されており、宮崎駿の原点を見ることができます。(※これ別の回だったかも。ディスクを再生すれば一発なんですが、このBOX、同封の冊子を読む目的で開封しただけで、実は一度も再生してないんですよ。まだうれてませんが、勿体無いので確認しません。)

また宮崎演出の「七番目の橋が落ちるとき」はシリーズ通しての最高傑作の呼び声が高く、必見。

ファーストシーズンは視聴率低迷で26話の予定が23話で打ち切りになりましたが、今見ても傑作であることは間違いなく、ファーストなくしてルパンはなく、ファースト見ずしてルパンは語れないと申せましょう。

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