「ローマの休日」の巨匠ウィリアム・ワイラーが監督したオードリー・ヘプバーンのラブコメディ。共演は「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥール。


「ローマの休日」の時は無名の新人だったヘプバーンでしたが、「おしゃれ泥棒」の時には押しも押されぬ大スターになっていました。ワイラー監督にとっては「ローマの休日」「噂の二人」に続くヘプバーン作品です。


シャルル・ボネは腕利きの贋作画家。表の顔は有名な美術蒐集家で、自分が描いた贋作を競売にかけて大金を稼いでいました。娘のニコル・ボネ（オードリー・ヘプバーン）は親がいつか捕まるのではと気が気ではありません。シャルルのコレクションに疑問を抱いた美術商のソルネは、探偵（ピーター・オトゥール）を雇って調査を依頼します。


調査のためにシャルルの家に忍び込んだ探偵は、娘のニコルに発見され、咄嗟に自分は泥棒だと嘘を吐きます。それを信じたニコルは、自分の父親が美術展に出展した贋作の「チェリーニのヴィーナス像」を、贋作とバレる前に盗み出すことを依頼するのでした……。


オシャレで楽しいロマンティック・コメディ。原題は「How To Steal A Million Dollars」で直訳するなら「百万ドルを盗む方法」ですが、これを「おしゃれ泥棒」の邦題にした日本の映画会社宣伝部は天才ではないかと思います。


ヘプバーンとオトゥールは気が合い、撮影現場ではオトゥールがヘプバーンをわらわせて何度も撮り直しになったとか。


この映画の音楽は当初ヘプバーンの希望でヘンリー・マンシーニが作曲する予定でしたが、どうしても都合が付かず、弟子のジョニー・ウィリアムズが担当しました。この後、ジョニーはジョンと名を変えて「ジョーズ」「スターウォーズ」の音楽を担当することになります。「おしゃれ泥棒」がジョン・ウィリアムズの初仕事だったのです。

「おしゃれ泥棒('66米)」

https://jp.mercari.com/item/m82893547164
↑【メルカリ売り場】★