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「未来少年コナン 」Blu-ray全話ボックス〈5枚組〉

宮崎駿の初シリーズ監督作品「未来少年コナン」のBlu-rayボックス。新品未開封です。

1978年にNHKが初めてアニメ番組を毎週放送する、しかもそれが宮崎駿の初監督だと聞いて、しかしそれほどピンと来ていませんでした。

当時はアニメブームが始まったばかりの頃で、アニメファンも出始めておりましたが、皆、キャラクターが素敵とかアニメーターが誰とか、声優が誰とか、そういう方向のファンばかりで、監督・演出家の名前で観る時代には少し早かったのです。

宮﨑駿は東映動画出身のアニメーター、程度の認識はありましたが、監督としての実力は未知数だったので、「未来少年コナン」は何より「ルパン三世」の作画監督・大塚康生の作画を見たいがためにチャンネルを合わせたのです。

最初は大塚が作画監督なのに、ずいぶん絵が優しく子供っぽいな、とガッカリしました。まだ宮崎駿のスタイルに慣れていなかったのです。しかし、観ていくうちに「これは凄いアニメでは?」と引き込まれるのを感じました。

一番驚いたシーンは、三角塔に囚われたラナを救うために外壁をよじ登ってコナンが助けに来る回です。三角塔は高層の建物で、コナンは見えないくらいの手掛かりを探ってラナを背負って外壁を伝うのですが、途中で敵に見つかってしまう。

銃撃を受け、絶対絶命になったコナンは、ラナを背負ったまま「飛ぶ!」と叫んで飛び降りるのでした。

地表は数十メートル下で、絶対に助からないような高所なのですが、なんとラナを抱いたまま着地するのです。全身に震動が走り、踏ん張った足はビリビリと痺れるのですが、2人は脱出に成功します。

文章で読んでも凄さは伝わらないと思います。常識で考えて、死ぬような高所から少女を抱えて飛び降りて脱出に成功するなんて、あり得ないからです。しかしアニメとしてはあり得てしまう。実写映画の脚本家ならまず絶対に書かない場面でしょう。

宮崎駿はアニメーターなので、アニメーション的な見せ方であれば、こういう非合理な場面も成立すると考えたのだと思います。少なくとも、自分なら説得力を持たせて描ける、という自信があったのだと思います。

「未来少年コナン」には随所に「アニメでなければ成立し得ない場面」が散りばめられていて、アニメーター出身監督の演出とはこう言うことか! と感心して見たのでした。宮崎駿が国民的アニメ作家になる、遙か以前の話です。

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↑プライム・ビデオ「未来少年コナン」



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