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「巨泉・前武ゲバゲバ90分」DVD-BOX

1970年1月21日から日本テレビ系で放映が始まった「巨泉×前武 ゲバゲバ90分」は、今の60代にはとても懐かしい番組でしょう。当時人気絶頂だった司会の大橋巨泉と前田武彦は、共に放送作家出身のライバル同士で、この2人が共同司会を務めるということがまず事件でした。 人気タレントを集めたお笑いバラエティ番組は現在もありますが、「ゲバゲバ90分」ほど手が込んだ番組は、今や皆無、と言って良いと思います。 90分の放送時間の中に100個ものショートギャグがマシンガンのように詰め込まれた構成ですが、全て綿密な台本が用意されており、アドリブは厳禁だったそうです。 脚本は三木鶏郎・三木鮎郎のテレビ創世記からの重鎮に、井上ひさしや中原弓彦、キノトールら早計38人の作家集団が書いていました。 さらにギャグの合間を天才アニメーター木下蓮蔵による「ゲバゲバおじさん」のショートアニメが繋ぎます。これが番組に独特のテンポとリズム感を与えています。 驚くのは、出演者には萩本欽一・坂上二郎のコント55号、ヒッピースタイルで「あっと驚くタメゴロー」と叫ぶクレイジーキャッツのハナ肇などのお笑い芸人・お笑いミュージシャンも確かにいたのですが、彼らは例外で、殆どは映画俳優やお笑いではない歌手がレギュラーを務めていたのです。 私は日活のアクションスターだった宍戸錠がギャグをやるのが好きでした。宍戸錠は番組の「続篇」と呼べるお笑い教育番組「カリキュラマシーン」にもレギュラーで出ており、よほどギャグが好きだったと見えます。 製作費は1500万円で、これは不景気の現代では考えられない製作費です。貨幣換算すると大体物価が10倍ですから、1話につき1億5000万かけていたことになります。これをワンクール13本やったのです。 番組はビデオ撮影とフィルム撮影で構成されており、殆ど消失したと思われていましたが、奇跡的に残ったビデオ(当時まだ珍しかったホームビデオ)で録画されていたものも使われています。 再生1回のみ。盤面良好。詳細なデータが書かれたパンフレット、ゲバゲバおじさんのアイロンプリントが同梱されています。 「巨泉×前武 ゲバゲバ90分!傑作選 DVD-BOX〈2枚組〉」 大橋巨泉 / 前田武彦 / 田中知己


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