植松侑子

「まてぃっこ」と呼ぶ人は呼ぶ/「働き方」と「組織経営」のフロンティアを開拓しようと日々…

植松侑子

「まてぃっこ」と呼ぶ人は呼ぶ/「働き方」と「組織経営」のフロンティアを開拓しようと日々地雷を踏み抜き続けている人/舞台芸術制作者にむけた人材育成と労働環境整備のためのNPO法人Explat理事長/合同会社syuz'gen 代表

マガジン

  • 舞台芸術のハラスメント防止のために

    舞台芸術のハラスメントに関しての投稿をまとめます。

  • syuz'gen2.0への道

  • 舞台芸術制作者むけ/業務効率化の道

最近の記事

パワハラ行為者が持つ「被害者意識(のようなもの)」について

※今回は、基本的にパワーハラスメントとモラルハラスメントについての投稿です。 最初は全く想像していなかったけど、自分がハラスメント対応にあたるなかで徐々に分かってきたことがある。それは、パワーハラスメント、モラルハラスメントの起きている現場で、行為者側が「被害者意識(のようなもの)」を持っていることが少なくないということ。 これが、舞台芸術業界の場合、かなり根深くあって、知れば知るほど、一度言語化しないといけないなと。 特にそれを感じるのがテクニカルスタッフがパワハラ・

    • 誰がその思いを成仏させるのか?(ハラスメント防止講習・講師のみている景色)

      私が稽古場でのハラスメント防止講習に入らせていただく際、「これまでにハラスメント防止講習を受けたことがありますか?」とよく質問をする。 2023年8月現在、8割以上の方が「無い」の稽古場もあれば、7割以上の方が「ある」の稽古場もある。稽古場によって全く違う。 いろいろな現場にハラスメント防止講習を導入していくには、まず講師の数を増やさないと全然間に合わないなと思う。 「どうやったら講師になれますか?」という質問を受けることもあり、ハラスメント防止関連の講座はたくさんあるの

      • 審査員の方々へ

        昨年の12月に「かながわ短編演劇アワード2023」戯曲コンペティション公開審査会の司会をご依頼いただきました。 アートマネージャーである私が、戯曲コンペの公開審査会の司会を行うというのはどういうことなんだろう?としばし自問自答したのですが、場の環境を整備するのがアートマネージャーの仕事のひとつだと普段から考えているので、そう考えれば役に立てることもあるだろうと解釈し、お引き受けすることにしました。 主催のご担当者の方々は、私のリクエストに対して非常に前向きに検討・実現して

        • ハラスメント防止研修がアリバイになってしまう話

          4月はいろいろなところでハラスメント防止研修をさせていただきました。呼んでくださった劇場や団体のみなさま、ありがとうございました。 ハラスメント防止研修をした際、2回に1回くらいの頻度で聞くのが「ハラスメント防止研修をしたことを、アリバイにしたくない」という言葉です。本当によく聞きます。そしてめっちゃ共感&同意します。 ハラスメント防止研修をしたはずの稽古場でハラスメントが起きていた、あるいは、ハラスメント防止研修をしたはずの劇団で未だにハラスメントが行われている、そうい

        パワハラ行為者が持つ「被害者意識(のようなもの)」について

        マガジン

        • 舞台芸術のハラスメント防止のために
          6本
        • syuz'gen2.0への道
          7本
        • 舞台芸術制作者むけ/業務効率化の道
          1本

        記事

          「どうやったらチームの創造性をあげられますか?」

          嬉しいことに、いろいろな劇団や劇場にお招きいただき、ハラスメント防止研修をさせていただく機会が増えた。 研修に使える時間・対象者・目的などによって内容をカスタマイズしているので、毎回微妙に(場合によってはかなり)違うのだが、いつも必ずいれている話が「他者に暴言を吐く人が、周囲の人にどれだけのダメージを与えているのか」というもの。 他者に暴言を吐かれ、その瞬間頭が真っ白になったという経験をしている人はいても、それがどのくらい自分や、自分以外の周囲にも影響があるのかは分かって

          「どうやったらチームの創造性をあげられますか?」

          ハラスメント防止講座の講師が失礼だった話

          先日、「これから始まる稽古場のハラスメントガイドラインをどのような内容にするか」というミーティングをしていて、その最中に、めっちゃ過去のことを思い出したので今更書いてみる。 経営者という立場もあり、いろいろなハラスメント研修を自主的に受けてきたのだが、1年半くらい前にオンラインでのパワーハラスメント防止講座を受けた。 ハラスメント防止講座はいろいろなアプローチのものがあるが、その講座自体は、アンガーマネジメントという視点からのものであった。 講師は50代くらいの男性。講

          ハラスメント防止講座の講師が失礼だった話

          細かすぎる求人票【2021年/syuz'gen版】

          なべはるさんの「細かすぎる求人票を作ってみた!転職するときにほんとうは知りたい情報12選」というエントリーを拝見し、2019年5月に作成したsyuz'genバージョンの2021年版です。 細かすぎるけど知りたい 慣習 / 雰囲気■宅配物を会社で受け取っていいです。  Amazonはもちろん、実家からの荷物まで、いろんなものが届きます。(ただし今は業務がリモート中心なので、家で受け取れる為、あまり届かなくなりました…) ■社内コミュニケーションにはLINE WORKSとSl

          細かすぎる求人票【2021年/syuz'gen版】

          舞台芸術の制作者にホットヨガがおススメな理由

          どうも!最近口を開けばホットヨガのすばらしさを語ってしまう植松です。 決して適当に言っているのではなく、本当に心からおススメしたく、その気持ちが押さえられずに飛び出しちゃうんです…。 その煽りを受けている弊社スタッフのみなさん ↓ 私は舞台芸術の制作者にこそ本当にホットヨガを薦めたいんです。 ホットヨガのすばらしさを語る前に、その前提として、私の考える舞台芸術のすばらしさから語らせてください。私が考える舞台芸術のすばらしさは(私が言い出したことではないですが)「いま、ここ

          舞台芸術の制作者にホットヨガがおススメな理由

          リーダー/チーフを抜擢する苦悩

          チームで仕事をしていると、多様な意見を取りまとめ、決定し、そしてその決定の遂行に責任を持つ人が必要になる。そのポジションは「リーダー」と呼ばれたり、「チーフ」と呼ばれたりする。 組織をマネジメントしている人が苦労することのひとつが、この「リーダ、チーフを抜擢する」ことではないかと思う。単純に、その組織の所属年数が長い人とか、業界歴の長い人を抜擢すればいいように思えるかもしれないが、自分的にはこれで上手くいかなかった例を身近にいくつも経験しているので、なおさら慎重になりがちな

          リーダー/チーフを抜擢する苦悩

          猫背が改善した話

          デスクワークのせいで、近年かなりの「巻き肩」になってまして、プロジェクトをご一緒した振付家の方にも「うえまっちゃん、肩がすごい前になってるよ。胸張らないと老けるよ!」と会うたびに言われておりました…。 とはいえ、そのまま数年放置し続けてきたのですが(おい!)、そろそろちゃんとメンテナンスしないとこのまま一気に老化していくのではと、急に危機感が出てきて、昨年末についに「猫背矯正ベルト」を購入しました。 アマゾンで検索するといろんな種類の猫背矯正ベルトが出てきます。肩だけのも

          猫背が改善した話

          2020年の総括:いったんどん底まで沈んで、水底で淡々とメンテナンスしていた1年

          2021年、あけましておめでとうございます。 2021年になったということよりも、本当に大変だった2020年(まで)が終わったことの方が感慨深いです。昨日と今日の間に何かがあったわけではないけれども、それでも人類が同じ節目で、昨日と今日の間にいったん線を引く、というのは特別なことですよね。 2020年は大変だったけど、でも自分にとってはそのことで、「本当にやるべきこと、向き合うべきこと」に向き合えた1年間でした。自分自身の成長角度が上がった1年でもあったかなと思います。

          2020年の総括:いったんどん底まで沈んで、水底で淡々とメンテナンスしていた1年

          舞台芸術のマネジメントを行う組織とDX(デジタルトランスフォーメーション)

          世の中のだいたいのことは、(組織レベルでも、個人レベルでも)自分で言わない限り誰かがそれを取り上げてくれることはほとんどないので、弊社のDXのことについて今のうちに書いておこうと思います。 「DX」という言葉を耳にする機会も増えてきましたが、「デジタルトランスフォーメーション」とは、企業がデジタル技術を取り入れて業務やビジネスを変革していくことを指します。 経済産業省の定義は下記の通り。 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会

          舞台芸術のマネジメントを行う組織とDX(デジタルトランスフォーメーション)

          ストレングスファインダー分析による、私の取扱説明書

          「自分の強みの診断」ということで、受けたことがある人も多いのではと思う、ギャラップ社のストレングスファインダー。(最近、ストレングステストに名前を変えたみたいだね) 『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』という本を買っても、診断テストがついてきて、上位5つの自分の資質が分かります。 ギャラップ社のウェブサイトにいくと、34の資質の順番がすべてわかるテストが5,850円で受けられます。これを高いと思うか、安いと思うかは個人の価値観次第ではありますが、私個人としては、自分の適性

          ストレングスファインダー分析による、私の取扱説明書

          ファーストキャリア向け:とりあえずこれは読んだらいいよ6冊

          私、いわゆる自己啓発本とかビジネス本を読むのが趣味で、めちゃくちゃ読むんですよ。人がSNSでおススメしてるの見たら、我慢できなくて、すぐ買って読みます。そんな私がお薦めする、ファーストキャリアの方々向けの「これだけは、とりあえず読んだらいいよ!」な本6冊を上げてみました! (7月28日追記:なんかうっかり大切な1冊を忘れてました!) 結果、めちゃくちゃオーソドックスなセレクションになった感もあるけど、忙しい中読むんだったらど真ん中いったほうがいい!と開き直りました。 はい

          ファーストキャリア向け:とりあえずこれは読んだらいいよ6冊

          なぜ目標管理を行うのか?

          弊社では5月から目標管理のツールとしてOKRを導入しました。そして導入からちょうど1か月が経ち、月イチでの1on1がちょうど先週あったのですが、そこでスタッフの約半数から「なぜ目標管理を行うのか?」「目標とはなにか?」という質問が出ました。 ちなみに、弊社の1on1の方法は以前noteにも書きました。【syuz'gen2.0への道】#03 チームである前にまず個人。弊社の1on1(テンプレ付) 導入前にちゃんと目的を説明しろよ、という話なのですが、これはちゃんと言語化して

          なぜ目標管理を行うのか?

          非常時のリーダーシップ(初動)

          だいたい10年に1回くらいのペースで、自分の足元から揺らぐような大きな出来事が起こる気がする。 3.11の時、私は「雇用されていた」ので、組織という器に守られ、自分のキャリアのことだけを考えていればよかった。3.11を機に「もっと安定した職に就きたい」と業界を離れていった人もいたし、私も、まぁそうだよね、と、そんな業界内の人の入れ替わりを見ていた。 そして今、新型コロナの感染拡大で、世界が目まぐるしく変化し、様々なことへの新たな対応が求められている。もはや、新型コロナの影

          非常時のリーダーシップ(初動)