見出し画像

イベントの成功はいかに参加者を「役者」にできるかにかかっている

イベント、特にカクテルパーティーといわれるような交流立食パーティーで「誰と話そう・・・何しよう・・・」とみんな困ったことありませんか?

それでよく「コミュ力が低いからだ」とか思って落ち込んだりする時あるじゃないですか。でもそれって全く見当違いなんですよ。何度かイベント企画運営して、コミュニティー論について学び、そして演劇を超ちょっぴりかじった結果、イベント運営ってもしかして一つの舞台を作るのに似てるんじゃないかなって。

イベントが盛り上がってない時って参加者が自分の役割を理解していない「役者」状態で、運営者がイベントという舞台設定を作れてない「出来の悪い演出家・脚本家」状態なんじゃないかと仮説を立てて、イベント運営におすすめテクをお伝えしたいと思います。それは参加者に明確な役割を与え、イベントを舞台装置にしてしまうということです。

・・・

友人に演劇の作演出をやっている人がいるのですが、数回演劇ワークショップに参加させてもらったことがあるんですね。そこで初めて即興で劇をやったりセリフを読んだりする体験をしたんですが、やるまでに熟考する時間は全くなくて。自分がこのストーリーの中のどんな役割でどんなキャラなのか分からなくてどういう雰囲気でどう振る舞っていいか分からないまま本番スタート。セリフの読み方一つ、声の出し方一つでも統一性ない謎の変な人になっちゃって超自分の中で大混乱ですよ。

本来物語の中にいるキャラは全て何かしらの役割を持っていて、それを全うしないと物語が成立しないわけですよね。逆に役割が分かっていればスムーズにストーリーは進んでいく。そのときふと、イベントもおんなじだなあと思ったんです。立食パーティーも参加者が自らの役割を知らないから困っちゃうんだって。ようするに人に話しかけたり、参加する明らかな舞台装置を作るんです。絶対に話しかけたりするキャラにしちゃう脚本演出を作っちゃえばいいんです。

私が以前企画したパーティーは「パン祭り」「ちょっとしたパーティー用ドレスを着る会」など。一見何だろう?と思えるものばかりですがでも実は単純で、パン祭りはいろいろ有名なパン屋さんのパンを買ってきてバルミューダのトースターで焼けるようにしました。バルミューダのトースターって水を入れないといけないんで割と初見殺しなんですよ。だから使い方を知ってる人は教える役割に回ってくれておしゃべりしてくれるし、使い方を知らない人は教えられる役割に回るんです。パンもお互いどれが美味しかったかなど話のタネになるので重要な小道具です。そういう一つ「話す言い訳」を作ってあげれば交流が一気に簡単になります。「ちょっとしたパーティー用ドレスを着る会」もドレスという共通点があるので、自己紹介を始める前にもうドレスの話で盛り上がれちゃう。すごくいい小道具です。

・・・

平田オリザさんの著作、「分かり合えないことから コミュニケーション能力とは何か」で小学生の授業として演劇を取り入れた話が出てきます。そこでも舞台設定を与えられた生徒は生き生きとセリフを自分たちで考えていく姿が描かれているんですね。少しのきっかけって大事なんじゃないかと。

なんか誰かがイベントを今度考えるにあたり少しでも参考になったら嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?