【シリーズで見よう007】第16作目007ゴールデンアイ

1989年「消されたライセンス」から6年ついに、007が復活。

長らく苦しめられていた“時代遅れ”との戦い。
時代にも映画史的にも大きく取り残され、あらゆる試行錯誤が続いたもののもがいた「消されたライセンス」がとどめとなり以降休眠を必要とした。

しかし気づけばなんと“冷戦”が終結!
え!スパイいらんやん

スパイが必要なくなってしまったのだ。どうする007!?
冷戦後として以前以降でははっきりと分ける事が出来るであろうターニングポイント。大きく変容したピアース・ブロスナン ボンドはどうアプローチしてきたのだろうか。

<あらすじ>
ソビエト崩壊前、ボンドは化学兵器を破壊するために同僚でもあり友人でもある006ことアレックスと工場に潜入。工場爆破に成功するものの、任務遂行中に敵に見つかったアレックスは殺されてしまう。 
冷戦が終結した9年後。ロシア セヴェルナヤにて大きな電波障害が発生。それはロシアが冷戦中に極秘に開発していた衛星兵器“ゴールデンアイ”であった。そして、その陰には死んだはずのアレックスの姿が…はたしてボンドはゴールデンアイを阻止し世界を救えるのか!!

<感想>
この作品は個人的な思い入れが非常に強く他作品とは別格!
というのも、007というものに触れたのが今作が初で映画を見る前にNintendo64のゲーム「ゴールデンアイ」を遊び倒していたのだ。
なので、初めて映画を鑑賞した時はゲームがそのまま映画化されてる事にめちゃくちゃ驚いた(逆なんやけど)。

鑑賞当時中学生。
衛星兵器、戦車や兵器、ガジェットなど中学生大好き要素が多いにもかかわらず、ボンド特有のラブシーン…特に敵方“ゼニア・オナトップ”がセックス中に相手を絞め殺すという事もあり友達の間では“ギャーギャー”と大盛り上がり。親と映画館行くのも毎回決まづい思いでありました。

しかしなんとも、この子供っぽさと大人っぽさの相反するウイングの広さこそが、007の魅力でもあり、弱点でもあるんだよなぁ。

冷戦が終わり、シリーズ復活にあたり新たなボンド像、作風が求められた本作は大きくチューニングされた。
オープニングのガンバレルシークエンスは銃口内に入る光の反射も描く最先端。タイトルはモーリス・ビンダーからダニエル・クラインマンへ。ビンダーを踏まえつつ、CGを取り入れより近代化された。ボンドも世代補正もあるせいか気品とユーモア溢れるピアース・ブロスナンは今となってもやはり好きだ。

ストーリーもボンドの荒唐無稽さを残しつつ、しかしバカバカしく見えないよう演出され、世界情勢を反映させる事で本来持ってるボンド味にコクと深みが出た。特に006アレックスはボンドの同僚!ライバル!友達!という分かりやすさと、濃過ぎる背景を持ち合わせる。

また、女性たちの強さと存在感も以後ダニエル・クレイブまで続く大きなファクターだろう。ジュディー・デンチ演じる女性Mは上司でありながら、母のような優しさと厳しさ持ち合わせる。マネーペニーもボンドにデレデレしてる訳ではなくイチャつきトークをしようとするボンドをひらりといなし手玉にとるにくいやつ。今作、ボンドガールのナターリアはただのプログラマーでありながらセヴェルナヤの基地爆破で一人生き残るタフなやつで、爆破の中を鼻の穴を広げての猛ダッシュやポンコツ同僚ボリスへの暴言など…かつてないおてんばキャラである。それがまたかわいくて、もちろん個人的にはボンドガールNo1です。

作品のテンポ感もよく、評価も非常に高いブロスナンボンドの幕開けですが、以後はどうなるのでしょうか!?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?