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東南アジア放浪記〜二重決済〜




タイのとある島。この日もスコールが凄かった。俺が宿に着いた瞬間に突風が吹き荒れ、大雨が島を包む。

ブッキングドットコムで予約した宿。フロントで宿泊代を支払い、チェックインを済ませ、部屋でスコールが過ぎ去るのを待っていた。

頭の中は既に今夜のナイトライフのことでいっぱいで、出会った女性といい感じになってしまう妄想であっという間に時間は過ぎていく。念の為、部屋を綺麗にし、貴重品をベッドの下へ隠して、それから照明なんかをいじってみる。するとあることに気が付いた。さっき、フロントで宿泊代を払ってしまったが、ブッキングドットコムでこの宿を予約した時クレジットカードで支払いを済ませたはずだということを。サイトで詳細を確認してみると、クレジットカードで支払い済みと記載されていて、現地で支払う必要はないと書いてある。

俺はすぐさまフロントへ出向き、状況を説明する。すると、宿側はブッキングドットコムからの支払いがきてないため、返金できないと言う。
これはいわゆる二重決済だ。
クレジットカードでの支払いと、現地で支払いを両方やってしまっている。
クレジットカードで支払い済みと書いてある画面を宿のスタッフに、見せても、こっちでは支払いが確認できないから返金はできないとの一点張り。この客は何を言ってるの?馬鹿じゃないの?みたいな表情でカスタマーサービスに問い合わせすれば?的な煽りを入れてくる。そっちがしろよと思いながらもカスタマーサービスの連絡先を調べ、メールを送った。外は嵐のように風が吹き荒れ、大雨が降り続いている。雨宿りをしていた宿の飼い犬にさえ、優しくできないほど、俺は宿のスタッフに腹がたっている。あまりにも態度が悪かったからだ。お互い非がないみたいだから優しく歩み寄って解決すればいいだけの事だが、奴は違かった。ブッキングドットコムからの対応があるまで結局2時間ほど待機していた。外で強風が吹き荒れる中、今夜のナイトライフの妄想だけは膨らむ一方だった。
そしえ宿のスタッフに呼ばれた。入金の確認が取れたから返金するわの一言にim sorry (ごめんね )が添えられていた。結局は予約サイト、ブッキングドットコムの手違いだったらしい。2時間程妄想を膨らませた俺の頭は一回り大きくなったような気がした。二重決済に気が付かなかったらまんまと2倍の代金を支払っていたところだった。ただ、あのスタッフの態度に関しての腹立たしさと2時間というモヤモヤした待ち時間を考えると気が付かなかった方が良かったとさえ思った。

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