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4月11日 人災の天災

この初体験日記初(?)のネガティブ案件。
書くか書かないか、かなり逡巡した。
最初は書くために思い出すと手が震え、とてもとても当日に書くことができなかった。
一日経って、まだ問題なく記せるかどうか疑問ではあるが、書くことで自分の心の内も少し整理されるのではないかと、努力してみることにした。
思い出すと、頭痛がする。

嫌な思い出も、書くことで客観的に自分を見つめることができるので良い。
・・・的なことを、私の好きなコラムニスト、ジェーン・スーさんもよくおっしゃっているので(ご本人の意図が違っていたらごめんなさい)、そこに乗っかかってみようと思う。

コトはちょうどお昼ごろ、12:10。
どうしてきっちりとした時刻が分かったかというと、私のスマホに家族からラインが来て、バイブレーションが鳴ったから。
ラインを確認して、ふと右を見ると、パーテーションで区切られた隣の席で仕事をしている男性(51歳)、仮にHさんとする。がこちらに向いて立っていた。

鬼の形相で。そう、今までで初めて見た、これが般若の形相ってやつだ。
そして間髪入れずに、
「何回鳴らしてんだよ、ここをどこだと思っているんだ、仕事してるのに何しに来てるんだこの野郎!!いい加減にしろ!!」
と怒鳴り込んできた。この3倍くらいの内容で罵り、叫び、ガナリこんできた。

こちらはいきなりの出来事に、ぽかんと恐怖が一緒に来て、
「す、すいません・・・」
と一言かろうじて言えるだけ。

最後に5秒ほど、般若のにらみをこちらに利かせてから、何もなかったように、仕事に戻っていくHさん。

・・・
通常の仕事でも、目を合わすことなく、小声で会話もまったくせず、朝と帰りのあいさつもか細いつぶやきしか囁かないHさん。
こんなに声が出せるんだ、という意外性を知った。

瞬間湯沸かし器。
アンガーマネジメント皆無とはこれか。

お恥ずかしい話ですが、「瞬間湯沸かし器」がここまでの人を初めて見ました。
今まで不機嫌で人を支配してくる人は、周りに結構いて、常に翻弄されてきたので、そのタイプは慣れていた。(慣れたといってもまったく適切な対応は現在でもできない)「不機嫌」タイプはこちらに非があるという負い目を負わせて場を支配しようとするので、
「こちらに悪いところがあったから」
とか
「こちらがどうにかすれば、状況を変えられるのではないか、反省しなきゃ」
とか、(ただの無駄な省みではあることが多いが)自分側に考える余地があった。

しかし、瞬間湯沸かし器型キレ人は、天災にあったのと同じで
(バイブレーションが鳴ったのが悪いと思われるかもしれないが、仕事でも使用しているスマホであり、会社として机上に出すことは禁止されていない)、こちらが反省のしようもなく、(反省する必要もないが)なんともぐるぐる渦巻く気持ちの持っていきどころがない。

雷などの天災と違うところは、気象の関係なら注意報や警報が出て、注意のしようがあるが、人災の場合はどこにキレポイントがあるのか不明なのだ。
(もともとちょっとしたことでも気になる人ではあったので、日々の仕事中もいろいろな物音に注意してはいた)

すぐに上司に連絡したが、外出中、多忙のため、また改めて話をしましょうとなった。今日はもう有休をとって、帰っていいといわれたが、その時はなんとなくそれも癪で、仕事を引き続きすると伝え席に戻った。
こちらとしては、その日は本当に息をひそめるようにして、そして仕事に没頭した。キーボードを叩く音にも切れるのではないかと、気が気ではなかった。
その後、Hさんはいつもと変わらず、ぶつぶつと仕事内容をつぶやきながら、時々舌打ちをしながら、仕事をしていた。

私の退社時間より、少し早めに退社するときも、か細い
「お疲れ様です」
を一言告げて、帰っていった。

・・・
・・・・・ほっとした。
そしてずっとずっと変わらず、いろいろな思いがぐるぐるぐるぐるした。
涙もずっと出ていた。でも、鼻をかむのも我慢していたので、帰った瞬間に思いっきり鼻をかんでやった。

仕事の空間にはその日、私とHさんしかいなかったので、だれも怒号をきいていなかった。
直属の上司は、夜遅くまで帰ってこない。
私は、とにかく就業時間まで仕事に没頭した。涙を拭きつつ、鼻をかみつつ。
どうやっても不条理な罵りだった。
言い返せなかった自分が悲しかった、悔しかった、情けなかった。
でも、瞬間湯沸かし器に言い返したところでなんになろう。
でも、何かあったんじゃないか、自分の気持ちの置きどころがなかった。

その日ずっとずっと引きずった。自宅に帰って家族に聞いてもらったり、友人に話したり、電話が来た母に話をしたりもした。でも、わからなかった。
夜もあまり寝れなかった。涙はふとした時に、何度も何度も出てきた。
仕事の今後のことを考えた、その先行きの暗さにまた悲しくなった。

この日記にオチはない。
ただ、記しておくことが心の整理につながってほしいと思いを書いてみた。思いを書ききれたかと言えば、そんなことは全くない。
まだ、いろいろなことがくすぶったままだ。

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