銭湯の番台から人生初の登壇

エンジニア銭湯 という勉強会で人生初のLTを行った。今回は勉強会のレポートというよりも、登壇を志したきっかけから当日を迎えるまでに行ったことを中心に書きたいと思う。登壇を終えたあとの今の気持ちをログしておくために。

勉強会で登壇することは心理的なハードルは高い。勉強会に参加する人は、なにか自分にとって有益な情報を得るためにわざわざプライベートな時間を使って参加しており、発表者はその人達に価値を提供しなければならないからだ。私自身、登壇してみたい思いはあったものの、価値の提供にハードルを感じ、応募するまでの第一歩がなかなか踏み出せなかった。

心理的ハードルを超えた理由

昨年くらいから積極的に勉強会に参加するようになったのだが、どこか物足りなさを感じるようになっていた。勉強会では発表者の知見をメモにとり、後に文章化して会社で報告する。ということをやっている。勉強会で得たインプットを自分の言葉に置き換え、アウトプットする。この行為が自分の頭を整理し、インプットをさらに深めると考えているためである。今年だけでもすでに10本程度のアウトプットをこなし、そろそろ次のステップにステップアップしたいという思いがあった。

次のステップとしては、「登壇者やその他の参加者と交流し、密度の濃い情報交換を行うこと」ができればと思っていた。勉強会には懇親会が企画されていることも多く、そのような場で登壇者と参加者が交流する事ができる。しかし、既存のコミュニティには、すでに有識者同士のネットワークができていることが多く、懇親会でも知人同士で固まっていることが少なくない。それでも、勇気を出して輪に入っていくことができればよいのだが、私にはそれができず、懇親会でも誰とも話さず、そそくさを会場をあとにすることしかできなかった。

そんなもやもやを抱えた状態の中、7月に開催された技術書同人誌博覧会でたまたま手にとった「エンジニアの成長を応援する本」という書籍に一つのヒントを見つけたのだった。そこに寄稿されていたさっぴー川原氏の一文に目が止まった。「懇親会において登壇したことは自己紹介を済ませていることになり自分を知ってもらうためには良いチャンスです」また、「登壇することを前提に勉強会に参加すると、懇親会において登壇者と話したい人が集まってきます」

主人公は伝説の剣を手に入れた。

また同書のMzRyuKa氏の寄稿には、今まさに私が感じているアウトプットに対するもやもやに似たような状況下から、初めての登壇や自身の中での決意をきっかけにアウトプットがドライブしていく過程が書かれていた。そして約1年の間に凄まじい量のアウトプットを残されていた。そうか、なにか1つのきっかけで状況は一変させることができるのだ。

主人公は伝説の盾を手に入れた。

どこで何を話すか

勉強会にもさまざまな種類がある。カジュアルなものから技術的なものまで。また発表形式も少数の有識者が深い見識を長尺で話すものから、一人5分程度で知見を共有するLTまで。もちろん私は初めて登壇するので、技術的な知見をそこまで求められない、かつLT形式の勉強会を探すことにした。

LT形式の勉強会を探していると、ある勉強会が目に止まった。「エンジニア銭湯」である。イベント説明欄には「銭湯の番台でのライトニングトーク」と書かれている。なんだこのアバンギャルドでエクスペリメンタルな企画は。しかし、次の瞬間には、ここで登壇したいと思ってしまった。そして見事にLT枠に採用されることになる。8月頭のことである。今年の夏は7月に気温が上がらず、夏を実感するのが8月に入ってからだった。ちょうどそんな時期だったことを覚えている。

登壇までの準備

登壇が決まったので発表する内容を考えねばならない。いくらLTとはいえ、参加者に知見を提供することが登壇者の努めである。私は昔から銭湯が好きで、休日には一日中入り浸ることもあった。長時間滞在する際には、お風呂に入ったあとに休憩所や宴会場を利用する。読書したり、食事をしたり楽しみ、また風呂に入ったりする。最近の銭湯では、電源やwifiまで完備されており、まさに至れり尽くせりである。まてよ、これだ。ここで休憩場で開発して風呂に入ってを繰り返しその効果を知見として共有しよう。

登壇内容は決まったのでスライドづくりである。7分という発表時間に合わせて準備を行うのだが、準備には発表時間の約20倍の時間を最低でもかけるべきと聞いたことがある。平日の夜や、休日にはそれこそ銭湯の休憩所を使いスライドおよび発表内容のスライドを仕上げていった。また、友人たちにスライドのレビューをしてもらい客観性や話のつながりなどを確認してもらった。

発表練習では動画を取り、声のトーンやスピードを確認した。これにより自分の声は自分が思っているほど大きくなく、こもって聞こえることがわかった。こんなことをやったのは大学院の修論発表以来であった。せっかくたくさんのハードルを超えて登壇することになったのだから、準備不足による失敗は避けたいという思いが私を駆動させてくれた。

登壇当日

いよいよ登壇する日がやってきた。久しぶりに食事が喉を通らない状態になった。なぜならMzRyuKa氏とさっぴー川原氏のご両名が参加者リストに名を連ねていたからである。エンジニア銭湯は界隈では有名な勉強会だったのである。私は完全に迷い混んだ子羊状態である。

しかし、発表準備はやりきったことを思い出し、会場につくまでに一定心の準備ができた。発表順序は一般LT枠の1番目であり(おそらく初LTということで世話人の門屋さんが配慮してくれた)、緊張する時間も短くてすんだ。

会場では、参加者同士が自己紹介する時間が用意されていたり、主催者と参加者でコール&レスポンスしたりと一体感というかホーム感を演出してくださり初参加・ぼっち参加でも気をはらずに楽しむことができた。

自身の登壇も一定、準備したとおりにはできたと感じている。参加者のみん様も温かい反応をしてくださり、発表しやすかった。

登壇を終えて

自身の登壇後、参加者の方に早速話しかけていただいた。ぼっち回避のための登壇最強説が立証された。また、この企画の素晴らしいところが、トークイベントの終了後に、有志の参加者で風呂に入るという点である。風呂でも登壇のフィードバックをもらって嬉しかった。風呂でフィードバック斬新すぎる。

企画の終了後、有志の懇親会にも参加させていただき、MzRyuKa氏とさっぴー川原氏のご両名とお話させていただくこともできた。登壇に至るまでの経緯や背中を押して頂いたことに感謝を伝えることができた。

初めての登壇を終えた感想は、下記のツイートに集約されている。このような機会を用意いただいたエンジニア銭湯主催者様には感謝しかない。そして、次回の開催もかならず参加したいと思った。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

13

matorifu

某SIerで自社プロダクトの開発しているアラサーエンジニア。 SESから脱出し、現在は開発チームにてコーディングする毎日。 銭湯とTechnoとHouseが好きです。 二児の父親。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。