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移動遊園地にケンブリッジの闇を見た話

新しい家に引っ越す前までは、子供の散歩などでミッドサマーコモンをよく訪れていたのですが、つい先日、そこに移動遊園地がやってきました。私たちの子供も2才になりアクティブに歩き回るようになり、かつ乗り物にも興味を持っているので、何か一緒に乗れるものがないかな、と思って家族で行って来ました。週末の家族連れで賑わっている遊園地をイメージしていたのですが、実際に行ってみるとどうも想像したものと様子が違っていました。

2才でも親と一緒に乗れるような乗り物はあるにはあったのですが、どちらかというと対象年齢はもっと高めで、ローティーンからミドルティーンくらいを対象にした感じでした。私たちが中でももっと驚いたのは、そこにいた彼らの服装。いい天気の日ではあったのですが、男性はもれなく短パンにTシャツもしくは上裸でTシャツを肩にかける、女性はどこで売ってるんだろう、というような派手なドレス、露出高めのトップス、短めのパンツ、遊園地には絶対履いて行かないような高いヒール、etc. 私たちが街中を歩いている時に見かけたことがない、むしろ週末の夜にクラブに出かけるような格好でした。それはあながち間違っていないのかもしれません。アトラクションの近くでは爆音で音楽が流れており、そこでは若者たちがたむろっていました。おそらく、ケンブリッジのようなのんびりした場所では、普段彼らを楽しませることができる刺激的なものがないのでしょう。そんなところに、移動遊園地が来たのでみんなおめかししてやってきたのではないでしょうか。私たちはそんな彼らの派手な格好を横目に、2才の子供には音楽がちょっとうるさすぎるかな、と心配になり早々に退散したのでした。

そして少し残念だったのは、敷地内にはゴミが至るところに放置されており、私たちが愛するあの平和なミッドサマーコモンはどこかに行ってしまっていたのでした。

ケンブリッジは、街の規模の割には文化的資本が(それなりに)整っており、美術館に行ったり、お芝居を見たりなどすることができるのですが、そういったものにあまりアクセスすることなく育ってきた層が一定数おり、そういった若者がこうした場に集まって大騒ぎをしているのではないかと感じました。もちろん例外もあるのでしょう。ですが、私たちが今までケンブリッジに滞在していた中であまり見えていなかった層をはっきりと見ることができ、衝撃的な体験でした。私たちの子供が将来大きくなって、「友達と一緒に移動遊園地に行ってくる」と言ったらどうする?私は妻とそんな話をしながら家に帰ったのでした。

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