生まれてきたくなかった

生まれてきたくなかったと思い始めるようになったのはいつからだろう。
どれくらい前なのかはもはや思い出せない。

両親に対して一つだけ許せないことがあるとするならば、それは僕を生んだことだ。今まで育ててくれたことには感謝もしているし尊敬もしている。だけど、なんで僕を生んだのかについては納得はできない。

「生まれてきたくなかった」と検索すると、「そんなことを考えてはいけません!両親に感謝しなさい!」みたいなサイトばかり出てくる。
そんなのを眺めるたびに、普通の人はこんなこと考えないんだろうな…とやるせない気持ちになる。

子供連れの家族を見ると、「すごい」という気持ちと「怖い」という気持ちが混じり合って目を背けてしまう。
子供を生むためのリソースを準備できることへの尊敬と、子供をこのしんどい世界に生むことへの葛藤がなさそうに思えることへの恐怖で、僕とは違った人種なのだろうと意識してしまう。

残念ながら、僕はこの世には向いていなかったみたいだ。誰が悪いとか、そういう話ではない。ただ、生きることに向いていなかったのだ。

それでも、生まれてしまったものは仕方ない。なので今の僕の人生の目標は、天寿を全うすることだ。どうにか自殺せずに寿命を使い切れたら勝ち。
それくらいの意識の低さで、毎朝目覚める勇気を確保している。

もし僕と同じ気持ちの人がいたら、どうか少しでも自分を許してあげてほしい。この世に生まれたことはあなたの責任ではない。そして、あなたには幸福を追求して生きる権利がある。ニートでも無職でもメンへラでも全くかまわない、どうか生き延びて天寿を全うしてほしい。

やっていけない世の中だと思う。それでも生存を追求する権利はあると思う。それを義務とは呼びたくない。

やっていけない人生も、やっていきましょう。

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