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『8823』の歌詞の本当の意味 ~君とは誰なのか?

『8823』に込められたメッセージ


『8823』(ハヤブサ)は、
通算9作目のオリジナルアルバム『ハヤブサ』の中に収録されている曲です。

歌詞の解釈は人それぞれ。
とはいえ、下ネタ三昧の解釈となっているものも結構ありました。

『8823』に込められたメッセージは、そんなものではないと思っています。
下ネタ三昧の解釈で終わらせたらもったない。

なぜならこの曲は、
マサムネが「君」に向けてメッセージを書いてくれているからです。

では、前置きはこれくらいにして、歌詞の世界へ入ってみることにしましょう。

さよならできるか 隣り近所の心
思い出ひとかけ内ポケットに入れて

家族、友達、仲間、君を知らない間にしばりつけている過去、そんな「しがらみ」と決別することができるかな……。
大切な思い出はポケットの中にしまい込んで、自分の人生を生きるために旅立とう!

あの塀の向こう側 何もないと聞かされ
それでも感じる 赤い炎の誘惑

「夢や希望?そんなもの結局なんにもないよ」
って、多くの人がそう言うけど、
それでも感じる、
心の中で赤い炎のような情熱が君を誘っている。

誰よりも速く駆け抜け LOVEと絶望の果てに届け
君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ

身動きが出来なくなる前に、誰よりも速く駆け抜けろ。
愛とか恋とか孤独とか絶望とか、そんなものをすべて超えたところに行こう!
君を自由にできるのは、宇宙でだたひとり、キミだけだから。

夜明けの匂いを 吸い込み すぐ浮き上がって
裸の胸が 触れ合ってギター炸裂!

朝まで眠れない夜でも、夜明けの匂いを吸い込めば、沈んだ気持ちもすぐに浮き上がってくる。
まっさらな裸の心となった君。
そのとき君は、もうひとりのキミ自身と触れ合うだろう。
君とキミ、2人がひとつになったとき、
ギターが炸裂したように音楽が鳴り響く。

荒れ狂う波に揺られて 二人 トロピコの街を目指せ
君を不幸にできるのは 宇宙でただ一人だけ

荒れ狂う海の中を小さなボートで進みながら、
君とキミの2人は「トロピコの街」を目指すんだ。
(※トロピコの街とは、「小さいけど自分にとって魅力的な場所」の比喩)

君を不幸にできるのは、宇宙でただひとり、キミだけだから。

簡単なやり方でいいよ ガンダーラじゃなくてもいいよ
愚かなことだって風が言う 
だけど

別に何か難しいことをする必要はないよ。
ガンダーラを目指さなくていいよ。
(※ガンダーラとは、理想郷のこと)

「ガンダーラじゃない場所を目指すことは愚かなことだ」
そんな声が風にのって君の耳に届いたり、頭の中で聞こえたりすると思う。
だけど、そんなことは構わず「トロピコの街」へ進もう。

誰よりも速く駆け抜け LOVEと絶望の果てに届け
君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ
今は振り向かず8823 クズと呼ばれても笑う
そして 君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ
今は振り向かず君と

誰よりも速く駆け抜けよう!
そして、
愛とか恋とか孤独とか絶望とかそんなものをすべて超えたところに行こう!
君を自由にできるのは、宇宙でキミひとりだけだから。
今は後ろは振り向かず、ハヤブサのように速く駆け抜けよう。
「あいつはクズで役立たずだ」って言われたって笑い飛ばそう。
そして、なんども言うよ。
君を自由にできるのは、宇宙でだたひとり、キミだけだ。
今は振り向かずにトロピコの街へ進もう、
僕もいっしょにいくよ、君と。

『8823』には他の歌と違う秘密がある

みんなの顔色うかがって生きるよりも、自分らしく生きていこう。
みんなが憧れるような場所を目指すよりも、自分が喜ぶ場所を目指そう。
僕も君と一緒に行くよ。

これがこの歌に込められたメッセージです。

『8823』には他の歌と違う秘密があります。
それは、私たちにメッセージを届ける役割としてマサムネ本人が登場し、マサムネ目線で語られているってことです。

最後、意味あり気にスローで歌われる、
「今は振り向かず君と~~」の部分は、
マサムネ本人が直接「君」に話しかけているみたいに聴こえてきませんか?
君とはもちろん、歌を聴いている「あたな」のことです。

ガンダーラとトロピコの街とは?

ガンダーラとトロピコの街
これは、比喩(暗喩・メタファー)として使われています。

【ガンダーラ】
「どんな夢も叶う、みんなが憧れている理想郷」
と、ゴダイゴが『ガンダーラ』の中で歌っています。

【トロピコの街】
ガンダーラと真逆の場所です。
「小さな夢」、「誰も憧れないけど、自分にとっては魅力的な場所」
という比喩として使われています。
南にある小さな島、みたいなイメージでしょうか。(トロピカル)

『8823』はある意味LOVEソング

「誘惑」、「裸」、「触れ合って」、「2人」という言葉が出てきますので、ついついLOVEソングのように解釈してしまいがちです。

『8823』はLOVEソングではありません。
とはいえ、ある意味、私たちに向けたLOVEソングと言えるのかもしれませんね。

インタビューで、
『「自分が歌ってほしい歌詞」を作りたいなとは思う』
と語っていたマサムネ。

ということは、私たちへのLOVEソングであると同時に、マサムネが自分自身に向けたLOVEソングなのかも。

みんなそれぞれのトロピコの街を目指していけばいいんだよ。
というマサムネからのメッセージが込められている歌です。



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