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「天空の里」旧山古志村NishikigoiNFTを訪ねて~DigDAO現地レポート~

デジタル庁 Web3.0 研究会 DAOスピンオフプロジェクトとして有志が集まりDAO事例、Web3関連テクノロジーの研究・調査を行っているDigDAO

その有志メンバーにて、NishikigoiNFT(通称、山古志DAO)の拠点となっている新潟県長岡市旧山古志村地域に調査に行ってきた。この記事では、山古志村に魅了されたメンバーの所感や気づきの点を現地レポートとして共有する。

なお、NishikigoiNFT 3RD SALEが開始されるとのこと。
まだ、お持ちでない方、このnoteを持って関心を持った方は、是非!

NishikigoiNFT 3RD SALE

場所:新潟県 長岡市 旧山古志村地域
参加者:RYU、mariroom、megan、hal_sk、matsu
調査日程:

6/17(土)
17:30 長岡駅集合
18:00 温泉/入浴
19:00 農家民宿「三太夫」チェックイン
19:30 懇親会/夕食

6/18(日)
04:00 朝の散歩:絶景スポットへ 住民の方にご案内頂く
09:00 おらたるで意見交換会
11:00 昼食/麵道楽のばら
12:00 牛の角突き大会観戦
15:30 山古志発
16:30 長岡駅着・解散


なぜデジタル村民は帰省するのか?魅力とは?

自然

5人のうち4人(mariroom、megan、hal_sk、matsu)は、今回が初めての山古志訪問だったが、まずその自然に魅了された。

  • 「天空の里」と呼ばれる山古志の星空、朝焼けの中見る棚田棚池は圧巻。今でも心の中に山古志の風景が刻まれ、心を澄み渡らせてくれる。人と自然の強さと優しさに触れるためにもまた訪れたい場所が山古志。@mariroom

  • 棚田や里山は、原生的な自然とは違い、管理された自然が残っている。特に、元村長が震災後に整備をはじめた花畑の「薬師の陵」など、人々が紡いできた歴史の素晴らしさを感じる。 また、花畑整備をきっかけに山古志内外の山古志を愛する人たちの交流の場になっており、コミュニティを支えている。@hal_sk

山古志の朝日。これを見るのに1時間待ったが、それでも感動

観光資源

自然だけでなく、1000年続くとされる牛の角突き錦鯉発祥等の歴史も山古志の魅力に奥行きを与えているのだろう。なお、錦鯉は当初食用として育てられていたが、突然異変で色のついた鯉が生まれたのが錦鯉の誕生とのこと。

  • 美しさ(棚田・棚池、星空、雲海など)に魅せられたアーティスト、綺麗な水に恵まれた農作物、牛の角突きのような伝統文化、錦鯉発祥の地、美味しい郷土料理、温泉、宿泊施設@RYU

牛の角突き、なかには血を流すほど興奮して戦う牛も

立地

長岡市から車で30分程度だが、「天空の里」と地元の人が言うくらい自然豊かな場所であり、異空間な雰囲気を感じるのも山古志の魅力のように感じた。車でほんの少し離れた長岡市中心であっても、少なくとも同じような形でコミュニティは形成されなかったのだろう。

  • 新幹線長岡駅から車で30分(東京駅から2時間余) 長岡市内在住のデジタル村民の方が送迎してくれることも。@RYU

コミュニティ

山古志には、震災からの復興をきっかけに組織され、その流れを組む山古志村住民会議が活発に活動をしており、それに上手く相乗りする形でNishikigoiNFT/山古志DAOが上手く機能しているように感じた。(デジタルがなくても、リアルのコミュ二ティが動いている)
更には、ある程度の地理的な狭さ・コミュニティの濃さが、熱量を維持する理由なのかもしれない。
また、デジタル村民を歓迎しているというより、デジタルとリアルの区別を意識させない、住民の寛大さを感じた。
「NFTというこれが自分には分からないもの・自分にはない価値観をやってみよう・受け入れよう、①誰もしていないこと、②新しい価値観、という2つを積極的にやってみた。」という山古志村住民会議の方の言葉が印象的だった。

  • 関係者の方や住民の方があたたかく迎えてくれる。 デジタル村民というものに関心があるかどうかは別にして、 6/17-18のツアーで牛の角突きの綱をひかせてもらったことは、山古志夢プランのコンセプト「来てもらいたい」を実践されているものと思う。 @RYU

  • 「山古志の魅力」は住民の方々が、前に向かって進む大切さを実感されていることかと思う。 それを個々人だけではなくコミュニティとして体感されているのが強い。これは中越大震災を経験したことも大きいのかもしれない。 地域全体で「この山古志を良くして行こう」という感覚を共有されていることに感銘した。それは、宿泊させていただいた『農家民宿 山古志百姓や 三太夫』の皆さんにも、薬師の陵を丁寧に作り上げた前村長とご家族にも、「牛の角突き」大会の皆様、もちろんお話を聞かせていただいた山古志住民会議のとの会話の端々から感じた。 そしてデジタル住民もそのような山古志の方々の想い、期待を受け止めようと前向きに活動しているのがNishikigoiNFT/山古志DAOが世界の中でもユニークなDAOと存在している理由なのだと思う。@mariroom

  • まずやってみよう」という言葉が印象的。また、千年続いて来た伝統行事に、デジタル村民を迎え入れるなど、新しい事、変化への包容力を感じた。 小さな気遣いだが「おかえりなさい」が嬉しい。なかなかできるコミュニティも少ないに違いない。 山古志住民会議のコミュニティの強さは、震災後、ビジョンを話し合って来た住民の結束力と行動力に由来するのだろう。@hal_sk

NishikigoiNFTグッズをGETさせて頂く

住民とデジタル技術との距離

山古志では、web3/Discord/NFTという最新の技術が受け入れられている。もちろん、全村民が使用できている訳ではないが、年代を問わず利用したい人が利用できる環境がそこにはあった。理由は単純ではないと思うが、技術を使うことが目的になっておらず、その先のビジョンが共有されていることが一番の理由ではないかと思った。

  • NFTが技術的に何をしているかわからなくても、NFTを使うと何ができるのか、それが自分たちの生活にどう役立っていくのかに関して、自分達で説明していた点、Dsicrodのようなコミュニケーションツールを使いこなし、コミュニケーションをとっている点から村民の方々のTechに対する感度の高さを実感。@megan

  • 通常、自治体を含めたパブリックセクターが新しいツールを導入する際、様々な評価プロセスを通すことで、結果的に導入を断念する、または、導入時にはツール自体がトレンドに出遅れる等の現象が散見されるが、山古志においては、単にDiscordの使い方を理解しているだけでなく、Modを立てた運用をすることで、匿名で双方向のコミュニケーションが可能なDiscordの良さを理解されている。@megan

  • おらたる(案内所)にデジタル村民プロジェクトの紹介ブースが設置されている。具体的には、NishikigoiNFTのアート、デジタル村民の取り組み、デジタル村民の掲載されたメディアのまとめ、NFTの解説書籍、Nishikigoi NFTにアクセスするためのOpenseaのリンクなどが設置されており、山古志に来た観光客・村民のアクセスのハブとなるおらたるに来た人全員にデジタル村民プロジェクトの情報がシェアできるようになっていたことに驚いた。@megan

宿泊させて頂いた農家民宿「三太夫」、これから宴会がはじまる

なぜNishikigoiNFTは元気か?DAOとは?

山古志の様々な資源と最新のweb3技術の掛け合わせが生み出したNishikigoiNFT/山古志DAO。その掛け合わせを実現させたコミュニティの力を感じるとともに、改めてDAOとは何かを考えさせられた。
NishikigoiNFT/山古志DAOは、十分な「自律性」と「分散性」を有していないかもしれないが、多くの人に支持され、多くのweb3界隈の人に注目されている。そもそもDAOの定義のなかに単純に位置づけることが難しいものなのかもしれないし、もしかすると、新たなweb3の在り方を作り出す存在なのかもしれない。
そんなNishikigoiNFT/山古志DAOを山古志ファン/(隠れ)デジタル村民として、引き続き応援していきたい。(次は冬の山古志を見てみたい!)

  • 山古志が大好きでふるさとへの強い想いをもった山古志住民、その思いが通じて出会うことができたNFT、また、中越地震の復興をきかっけに活動が継続している山古志住民会議の賛同・支援、どんなDAOでも通じるValuesが備わっている中核メンバーなど、いくつもの出会いが支えていると実感。 また、コミュニティに流れている価値観もDAOを元気にしているに違いない。@RYU

    1. 新しい挑戦を厭わない 「よくわからないけど、失敗しても損は限られているからまずやってみる

    2. 諦めない行動力 「粘り強く、どこへでもチャレンジする気概

    3. 多様性の尊重と相互理解 「さまざまな人に合わせた配慮ある対応

  • 第一回山古志住民会議で出されたキーワードが今も根付いていることは驚きである。@RYU

    1. 感謝(ありがとう):震災で多くの人にお世話になった「感謝」を表そう。「感謝」の気持ちが自然に表せる方法を考えよう。

    2. 来てもらいたい:山古志に心地よく来てもらえるようにトイレや案内板などのハード整備を具体的に検討しよう。

  • サステイナブルな活動へ向けて課題もあるだろう。@RYU

    1. ファウンダーに頼ることなく、もっと多くの協力者で支えていく体制(DAO化

    2. NFT販売収益だけに依存しない安定的な資金確保

    3. デジタル村民が山古志にとってプラスになっていると言う印象がリアル村民に伝わりつつあるが、さらなるリアルとの融和と貢献

  • 山古志の例をとると、DAOを関係人口プラットフォームとして考えることもできる。仕組み化できない部分も残るリアルな場を有するDAOにとって、「Autonomous」は必要なのか? DAO=ビジネスモデルではなく、DAOを通じてビジネスモデルが作れるかが大切だろう。@hal_sk

デジタル村民、闘牛を引く

NishikigoiNFT/山古志DAOの詳細は山古志住民会議のnoteもご覧ください↓


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