しんごちゃんヘッダー

018.「象徴コンプレックス」

ーゲスト紹介ー

宮城慎悟(みやぎしんご)
沖国大法学部法律学科。休学中。現在は旅の資金を貯めるためアルバイト中。以前は恩納村のリゾートホテルでアルバイトをしていた。古宇利ナイトフェス2018.2019実行委員Litterati OkinawaYume Wo Katare Okinawaなどにも関わってきた。

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どんなコンプレックスだった?

宮城慎悟=〇〇がない、というのがコンプレックスでした。例えば、あの人は〇〇の人というみたいに、他人から見てその人を作っている象徴があると思うんです。一芸をもっているというか。けど、僕にはそれがない。大学に入ってから、そんな虚しさを気にするようになりました。

大学入って、その人のイメージを作ることをされている方々に会うようになって、自分が劣って見えるようになったんです。自分には何があるんだろう。自分って何ができるんだろう。と考えて、その何かがほしくてインターンを始めました。

でも、インターンを始めてもそれは自分のイメージにはならなかったんです。インターンはあくまでもそれを始めた人の、やっている会社のもので、ぼくはそのイメージに頼っているだけ。周りの人たちからも『あのインターンをやっている宮城慎吾』として見られてしまうのが辛かったです。あぁ、そう見られたくはないんだけどな、と。

でもそう見られてるのは自分発信の何かがないからだし、自分が自分の良いところを見つけて表に出すことができてないからだろうという考えが無限にループして、一人のときにめっちゃ悩んでました。その頃は深い沼に立っているような、どうもがけばいいのか分からないという気分でした。

どうやって乗り越えた?

しばらくして、インターンを辞めたのが大きなきっかけだったと思います。

大学1年の9月頃から悩みが深刻になり始めて、12月くらいに ふと「あ、自分は自分だと思えばいいんだな」という考えが浮かんだんです。自分に何かがあるから自分なんじゃなくて、自分=自分なんだと。いま目の前にあるもの、取り組んでいること、やりたいこと、これから成し遂げたいことのすべてが自分の道の上にあるものだし、それをひっくるめて自分なんだと思えるようになって、乗り越えたと思います。

他人と比べて見ようとしなかった自分の良さを、認識できるようになったんでしょうね。自分には自分の良さがあって、人には人の良さがあってという風に自分と他人を別個の良さをもつ存在として考えると、それでいいなと。その上で自分を象徴するようなイメージを作っていければいいと考えています。年明けのタイミングで心機一転、新しいチャレンジをしようと思って抜けて、今は休学して自分を作る何かを模索しているところです。

あ、自分は自分でいいんだと吹っ切れたのには、WANIMAというグループの『シグナル』という曲をたまたま聞いたことも大きかったです。「まだ今は未完成でいい」っていう歌詞があって、それが当時のぼくの心に刺さりました。今まで散々悩んだし、自分はダメだと思ってきたし、完璧に見える人たちと自分を比べて落ち込んできたけど、それでいいんだなって。未完成の自分も自分でいいんだと思える後押しをしてくれたのがその曲でした。

全体的に素敵な歌詞で、今でも迷ったときはすごく聞いてます。自分はけっこうネガティブに物事を考え込む性質なので、ポジティブさをもらっているというか。希望があると思わせてくれるWANIMAにとても救われてます。自分が自分として歩き出した今、未完成だけど、その未完成さに自信をもてるようになったのはWANIMAのおかげだと思っています。

WANIMA聞いてください。WANIMAのシグナル。

過去の自分についてどう思う?

逃げずに考えてきたことが良いなと感じてます。自分と人を比べなくていいんだって考えが腑に落ちたのは、考え込んだからこそだと思うので。だから考えてること自体がすごい大事だなと。もっと悩んでもっと悩んで、もっと考え込んでいけばいくほど、もっと良いという感覚をもてるようになったので、当時の自分が考えてるのはすごい良いと感じてます。
考えることから逃げることもできたはずなんですが、良くも悪くも考えすぎてしまいながら立ち向かってきたことが、良いほうに動いてくれてよかったです。

同じく、自分を象徴する何かがないことで悩む方々にメッセージをお願いします。

人と自分を比べるが故に、自分が劣ってると見えるじゃないですか。だから自分には何もないと思ってしまうし、すごいと感じる人がより一層そう見えてしまいますよね。だけど、自分のオンリーワンな部分を考えてほしいというか、自分のこの生き方で間違いはないと思ってほしい、と思います。

ぼくも大学は行って、授業に精を出した時期もあればそうじゃない時期もあったし、友達と遊んだり、学生団体に入ったりもしたし、なんだかんだ今が正解だと思ってます。東京の大学も受かってたけど、沖縄の大学を選んで、結果としてここに来てよかったと思っています。

正解を追い求めすぎたら、何が正しいのかわからなくなる。だから、正解はないことにしたって感じです。ぼくは。だから人と比べないようにしてるんですが、自分のモチベーションを上げるときには人と比べてみるのもいいかなと思います。人と自分を比べて、自分も頑張ろうと思えるときは比べるのは自分のためです。面白くなりたい、あの人と比べて何が足りないんだろう、こうしたら面白くなれるかも、という風に考えられるなら、良い比べ方かなと。向上心につながる比べ方はおすすめです。

今は比べたらやる気になるとか、今は比べない方がいいなとか線引きができてればいいのかなって思います。オンリーワンです。みんなオンリーワン。

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取材・文・写真:松田和幸

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