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【旅行記】アセアンの国全部行く(後編)

東南アジアのアセアン10ヵ国をコンプリートしたので、思い出を振り返ります。
※前編はこちら(リンク先)

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■ 評価ポイント・方法


評価のポイントは以下の6項目。
・アクセス・・・行きやすさ
・観光地・・・観光資源の質、豊富さ
・食事・・・ローカル食の味、レパートリー
・治安・・・犯罪危険度
・物価・・・現地でそこそこの質の滞在をしたいときの物価
★総合おススメ度(★1から10まで)

※あくまでも筆者の経験の範囲内での主観的評価であり、
この情報を参考としたことで被ったあらゆる損害について筆者は責任を負いません※

⑥ インドネシア(2016年5月):初の海外結婚式

・アクセス・・・ジャカルタ・デンパサールに直行便あり
・観光地・・・広大な島国の豊かな自然
・食事・・・人を選ぶかも
・治安・・・良好だけど夜は暗い
・物価・・・安め
★総合おススメ度(★1から10まで)・・・★★★★★★★☆☆☆

【思い出話】
アセアン10ヵ国の後半戦、6ヵ国目はインドネシア。
1万以上の島からなる島嶼国で、人口・面積ともアセアン最大を誇る。

ゴールデンウィークにわざわざこの国を訪れた理由は、大学時代に仲良くしていたインドネシア人留学生の結婚式に出席するためである。

彼の故郷はジャワ島中部のバンドン。
世界史の授業でも取り上げられることも多い、1955年の「アジア・アフリカ会議」の開催地として有名な避暑地。首都ジャカルタと、壮麗な仏教遺跡ボロブドゥールで知られるジョグジャカルタの間に位置する高原都市だ。

ジャカルタから鉄道で向かった。ローカル鉄道チケットの現地手配もこの時が初めてで、人でごった返すホームで目当ての切符を探し回った不安さをよく覚えている。

ここに限った話ではないのだけど、新興国で鉄道やバスのような公共交通を使う時、現地に溶け込めたという感慨と、外国人扱いで甘やかされることがない不安さを同時に感じる。やってみると別段大したことをしているわけではないのだが。

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バンドン郊外の宴会場で執り行われた友人の結婚式は一風変わっていて、
男性と女性の出席者が完全に分けられていた。つまり男性の出席者は新郎および男性親族と、女性の出席者は新婦および女性親族としか合わないように、物理的に仕切られていた。

最近職場のインドネシア人の同僚にその話をしたところ、自分の知る限りではそういった決まりはなく、バンドン式かもねーと言っていた。さすが2.6億人の人口大国、結婚式の流儀も千差万別らしい。

式は至極のんびりと進行し、式場の奥に座る新郎に参加者がそれぞれのタイミングで寄って行っては祝福の言葉をかけていた。

大皿の料理をみんな勝手に取って食べて談笑し、時々新郎と自撮りして(インドネシア人は自撮りが大好き)、適当なタイミングで来ては適当なタイミングで帰っていく。途中強烈な雷と大雨が降ったりもしたが、悠々としたものであった。

新郎は忙しい中、当日の送迎を手配してくれたり現地の食堂に連れて行ってくれた。参加者も日本から単身参加した私のような闖入者にみなフレンドリーに接してくれ、今までで一番思い出に残る式になった。

鉄道の中は意外と清潔。空調がやたら効いている

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バンドンの広場

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バンドン郊外の火山(タンクバン・プラフ)

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ジャカルタの港町コタ

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屋台メシばかり食べていた

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⑦ ミャンマー(2017年5月):最長出張延べ1ヵ月半。素晴らしきバガン

・アクセス・・・ヤンゴンに直行便あり
・観光地・・・ヤンゴン、バガン、インレー湖など。国内アクセス悪い
・食事・・・極めて人を選ぶ。あと、普通にお腹壊す
・治安・・・良好。深夜も安全だけど暗いから気をつけること
・物価・・・安い
★総合おススメ度(★1から10まで)・・・★★★★★★★★☆☆

【思い出話】
ASEANの中で最も現地に溶け込んだ国はどこかと聞かれたら、私は迷わずミャンマーと答える。当時の仕事でのべ1ヵ月半にわたり出張していたためだ。

平日は現地の中小企業や官庁の人間とコミュニケーションし、休日はヤンゴンを歩き回って観光名所はもちろん、通訳に教わった若者に人気のスポットにまで足を運んだ。一つの街をこれほど歩いたことはないかもしれない。

さて、ミャンマーを代表する史跡といえば、アンコールワット・ボロブドゥールとともにアジア3大仏教遺跡に数えられるバガンだろう。

ヤンゴンから墜落しそうな飛行機で1時間(本当に死ぬほど揺れる)。一面緑の平原に、多数の仏塔と寺院が並び、気球が浮かぶ壮大な風景。馬車に揺られてのんびりと移動するのは、ある意味最大の贅沢だったと思う。

ミャンマーのローカルフードはとても人を選ぶシロモノ。例えば現地の人はよく「カレー」を食べるのだが、これは便宜的にカレーと称しているだけで、実際には玉ねぎと具材(鶏肉や水牛)を大量の脂で煮た料理(現地語では「ヒン」という)。

これが苦手な人は本当に苦手で、ハマる人は全然平気で食べられる(もちろん私は後者だった)。ちなみに味に順応できてもほとんどの人はお腹を壊す。何人かで出張した時も、週替わりで誰かが腹痛でダウンしていた。

同国の食の思い出と言えば、旬のマンゴーの美味しさだろう。日本だと1つ1000円以上するブランドもつくマンゴーだが、現地では数十円から100円くらいで大ぶりのマンゴーが買えてしまう。

旬の時期は5月から7月ごろと短いのだが、味の濃厚さと口どけのよさは衝撃的だ。昔は出国時ろくに検査されないのをいいことに、出張者はみんなマンゴーをこっそり日本に持って帰っていたらしいが、そうするのも納得の美味さである。

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ミャンマー人は近代化と伝統仏教の価値観のはざまでアイデンティティを確立せんとしていたが、人の思惑などお構いなしとばかりにスコールは土砂降って道路を川のように水浸しにしていく。

すべてが熱気と雨に混沌と入り混じりながらも、妙に居心地の良い国だった。

ヤンゴン:シュエダゴン・パゴダ

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環状鉄道

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バガン

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カレー(鶏肉のヒン)

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最近若者に人気の麻辣香鍋(マーラーシャンコウ)。みんなハマった

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⑧ フィリピン(2017年9月):マニラ湾からの夕日を見よ

・アクセス・・・マニラ、セブ、アンヘレスに直行便あり
・観光地・・・セブ島のリゾート、マニラはあまり観光地なし
・食事・・・脂っこいけどビールによく合う
・治安・・・アセアンでは最大級の警戒を要する
・物価・・・ちゃんとした食事は高い
★総合おススメ度(★1から10まで)・・・★★★★★☆☆☆☆☆

【思い出話】
8ヵ国目はフィリピン。実は2015年に乗継でマニラの空港で一晩を過ごしたが、入国しなかったのでここではカウントに含めない。

フィリピンは5~6回訪れたがいずれも仕事でマニラに滞在しただけだったので、セブ島やらボラカイ島やらのリゾートには全く無縁であったのは残念な限りだ。

マニラはスペイン植民地時代の要塞や、教会もあるが、世界的に有名(とされる)なのはマニラ湾の夕日だ。

なんでも、マニラ湾、日本の釧路、インドネシアのバリ島から見られる夕日を称して世界3大夕日というらしい。

世界と言ってる割にアジアしかノミネートされていないのがよくわからないが、そういうものなのだそうだ。

誰が言い出したか知らないランキングはともかくとしても、確かにマニラ湾から眺める夕日は素晴らしい。

夕日と雲と海とが刻一刻と色と形を変えて、一瞬ごとに景色が変わっていく。暗くなるまで海を眺めた後は、現地のサンミゲルビールで乾杯すると尚良い。

残念ながら治安の悪さはアセアン1だと思うので、身の回りには実に気を付けていただきたい。

マニラ湾の夕日

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豚の脂身を鉄板で炒めた料理、シシグ

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マニラの教会

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要塞跡の牢屋

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⑨ シンガポール(2018年1月):ASEAN随一の先進国

・アクセス・・・直行便あり
・観光地・・・リゾートとショッピングで大人の休日
・食事・・・どこの国の料理もあるのでは
・治安・・・良好
・物価・・・日本と同程度かそれ以上に高い
★総合おススメ度(★1から10まで)・・・★★★★★☆☆☆☆☆

【思い出話】
9ヵ国目はシンガポール。1人当たりGDPは日本を既に上回る、アセアンどころか世界でもトップクラスの近代都市国家シンガポールを訪れたのが最後から2番目というのは意外なような、いかにもというか。

ナイトプール「インフィニティ」で有名なマリーナ・ベイ・サンズ、とりあえずいい感じの写真を撮りたくなるマーライオン像など、一通り観光した。

デジタル化が世界でも随一に進んでおり、自動運転のバスや電動キックボードのシェアリングなど、日本にもまだないサービスを利用できるのも楽しい。まあ、自分の嗜好上仕事でもなければ当分は訪れないだろうけど…

マーライオン

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マリーナ・ベイ・サンズの水上ショー

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高層ビルが立ち並ぶ

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⑩ ブルネイ(2019年9月):知られざる金持ち国

・アクセス・・・首都への直行便あり
・観光地・・・モスクと水上集落と国立公園のトレッキング
・食事・・・エスニック感が強い
・治安・・・良好
・物価・・・予想外に安かった
★総合おススメ度(★1から10まで)・・・★★★★★★★★☆☆

【思い出話】
長かったアセアン10ヵ国訪問のラスト、10ヵ国目はブルネイ・ダルサラーム国。スルタンを擁するイスラム国家で、沿岸部で産出される石油と天然ガスの輸出でほとんどの外貨を稼ぐ。

このような国は「レンティア」と呼ばれ、豊富な外貨収入でインフラ開発、国民に生活保障を行い、非民主的(ここではイスラム指導者のスルタンを頂点とした立憲君主制だが)な政治体制を存在可能にする国家である。

ちなみに個人の所得税や住民税もないらしい。うらやましい限りである。

首都のバンダルスリブガワンには、今代のスルタンと前代のスルタンの立てた美麗なモスクがあり、まるでアラビアンナイトの世界。一方で大河ブルネイ川を渡った対岸には数万人が暮らす水上集落やマングローブの原生林が共存する。

今年になって成田とバンダルスリブガワンを結ぶ直行便が就航し、日本人の観光客の姿もそれなりに見られた。ツアーでマレーシアとセットで回るルートが一般的なよう。

いつも旅行にいくと、訪れたいところが多すぎて移動は駆け足、日が暮れるころにはクタクタになってしまうのだが、同国のゆったりとした空気に当てられたか珍しくのんびり過ごすことができた。

前国王が建てたオールド・モスク
(スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク)

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現国王が建てたニュー・モスク
(ジャメ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク)

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ナイトマーケットで食べ歩き

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水上集落(カンポン・アイール)

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地元メシ。これで80円くらい

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お読みくださりありがとうございました!

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