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テクノロジーとアウトプットの関係

20世紀までのほとんどの発明は、人間の物理的な能力を補い、強化ものでした。例えば、自転車とか自動車とかバイクが発明されたことで楽に素早く移動できるようになりましたし、飛行機が発明されたことで、空を飛べるようになりました。ブルドーザとか掘削機とか耕運機となどといった様々な道具が発明され、これまで大量の人力を投入しないとできなかったことが、驚くほど僅かな人間によって行われるようになったのです。現在では農業に従事している人はわずか人口の2.5パーセントほどですが、江戸時代には80パーセントくらいが農業に従事していました。考えてみれば、驚くべきことです。

そして20世紀の半ばなると、今度は僕らの知性を補い強化するものが発明されるようになったのです。テレビやラジオやビデオデッキもそうでしたし、コンピュータはその最たるものです。こうして僕らの情報収集能力がそれ以前の何千倍かに強化されました。

スマホがすべてを変えた
しかし、ちょっと前まではこの知性を補う道具たちは、重くて大きく持ち運び不可能でした。でもノートパソコンの発明を皮切りに、次第に小さく軽くなり、ついにポケットに入れて持ち運び可能となったのです。これが、11年前に発明されたスマートフォンです。

スマホが発明されて以降、世界は大きく様変わりしました。僕らはもう電話番号も道順も地図も誰とどこであったかも、来週のスケジュールも一切覚える必要がなったのです。何かわからないことがあれば瞬時に調べられ、道順を知りたければナビしてもらえ、連絡先が知りたかったら名前をタイプすれば出てくるのです。世界中の人と瞬時に無料で話せるようになる時代がくるなんて、一体どこの誰が予想したでしょうか? 僕はIT業界に20年以上いましたが、それでも何か夢の中にいるような気さえします。

この11年の間にスマホは世界中の人々に行き渡りました。今では後進国に行ってもみんなスマホとにらめっこしています。新しいサービスが数多く生まれ、生活の在り方が大きく変わっていきました。例えばソーシャルメディアがあまねく普及して人と人との関わり方も大きく変容しましたし、ウーバーのようなサービスが生まれて、タクシーは拾うものから呼ぶものへと変わりました。そして今、モノの売買やお金の払い方さえ変わりつつあります。電子マネーによる支払いは今度さらに普及することはあっても、後退することはまずないでしょう。

で、次はどうなる?
さて、スマホは人間の脳力を拡張するものだと冒頭に書きましたが、次の進化もあくまでこの延長線上で起きるはずです。

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