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日本人は「予想できないことに対応する訓練」が足りていない

今話題の野本響子さんの「日本人は「やめる練習」がたりてない」を今読んでいます。

僕と著書の野本さんとはもうかなり長い付き合いです。僕はこれまでに5冊の書籍を出版しているのですが、最初の2冊の編集をやってくださったのが、この野本さんです。

僕がまだ最初の本を書いていた頃に、野本さんはマレーシアへの移住していきました。僕はたまたま外国への移住経験があったので、相談されたときに「最初の1年くらいは日本人とある程度距離を置いて暮らしたほうがいい」というような話をさせてもらったのですね。

別に日本人とつるむのが悪いわけではないのですが、日本人同士のやりとりってあまりに快適すぎて、最初にこれに浸ってしまうと抜け出せなくなってしまうのです。そして、言葉を覚えるのも生活に溶け込むのにも結局時間がかかってしまいます。時間がかかるくらいならいいのですが、あまりにも快適な日本人ライフにハマりすぎてしまって、日本にいた時と同じ生活から全く抜け出せない人もたくさんいます。冗談みたいな話ですが、20年もアメリカに住んでいても英語がほとんど話せない日本人の方なども実際にいるのです。特にいまはネットがあるので、やろうと思えばまったく英語も話さなくても、過ごすことができてしまうのです。

せっかく外国に住む機会が巡ってきたというのに、考えてればもったいない話ですし、これでは何年経っても世界が広がりません。現地で就職しようにも人間関係が構築できていないので誰にも仕事を紹介してもらえませんから、日系社会の狭い選択肢の中で探すしかなくなってしまうのです。そんなわけで、最初は少し無理してでも快適な日本語環境から距離を置くことをオススメしたのです。

結果として、非常にうまくいったようでよかったです。

本を読んでみると、野本さんがどんどん不測の事態に慣れていく様が実に面白いです。最初は日本とあまりに違う世界に唖然とするわけですが、「ま、いっか」とどんどん馴染んでいきます。むしろ、不測の事態を楽しんでいるような様子さえ伺えます。

でも、多くの日本人にとって、不測の事態って実に恐ろしいことです。

僕も、会社が嫌で嫌で仕方がなかったのに、何年も辞められなかったことがあります。何が怖かったって、予想できない世界に飛び込んでいくのが本当に怖かったんですね。「なんとかなる」とは到底思えず、漠然とした不安に囚われて、何年も我慢して会社に通い続けていました。

でも、いざ飛び出してみたら意外となんとかなるのです。では、なんであんなに飛び出すことが怖かったのかいると、やっぱりわかりやすいレールから外れるのが怖かったように思います。会社に通っていればとりあえず給料が振り込まれますから、そこがどんなにストレスの溜まる世界だったとしても、想像がつく分、不安な思いをせずに済むのです。

なんでこんなにも、予想がつかないことが不安なんでしょうね? まさかとって食われるわけでもないのに。そんなわけで、今日ななぜ日本人がここまで予測がつかないことを嫌うのかを考えてみました。

※この文章は単品で100円ですが、1000円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月25本くらい読めるので1本40円です。

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