見出し画像

人格を形成するのは、「家庭」なのか、それとも「友人関係」なのか?

僕が定期購読しているメルマガの一つに、野本響子さんの「東南アジアここだけのお話」があります。野本さんは5年ほど前に僕の書籍の編集をやってくださった方なのですが、キャラ立ちしててブログも面白いので、Noteでメルマガを始めることを何度も勧めました。そしたらついに去年始まったのですが、いやこれが面白いのなんの。皆さんも是非定期購読してみてください。

そんな野本さんの最近の記事に、こんなものがあります。

これ、本当にお題の通りです。人の一生って、「遺伝」「家庭」「自分で選んだ友人」の三つに大きな影響を受けますが、中でも「誰と付き合うか」って、本当に大事なことです。

まず、「遺伝」はわかりやすい話です。音楽の才能に恵まれる人もいれば、スポーツの才能に恵まれる人もいます。背が高い人もいれば低い人もいます。これらの多くは遺伝に左右されます。また、性格や気質も、遺伝の影響を強く受けることがわかっています。僕も歳をとるにつれて自分の意思に反して(?)亡くなった父に気質がどんどん似てきます。でなんだか笑ってしまいますが、これこそがまさしく遺伝です。

「家庭」は遺伝の研究をしている人たちの間では、「共有環境」とも呼ばれます。兄弟や姉妹と共有する環境なので、こう呼ばれます。それに対して自分で選んだ友達は「非共有環境」と呼ばれます。兄弟や家族と共有していない、自分だけの人間関係というわけです。学校の先生とか友達などがこれに当たります。

感覚的には「遺伝」と「家庭」が子供の性格形成に最も大きな影響を与える気がします。だからこそ、世の中の教育ママたちは子育てに躍起になるわけです。しかし、生後間もなく別々の家にもらわれた一卵性双生児たちの追跡調査などから、共有環境、つまり「家庭」の影響は、本人の性格形成などにあまり関与していないことが判明しています。一方、非共用環境、つまり友人関係は性格形成に多大な影響を与えることがわかっています。つまり、冒頭で紹介した野本さんのいう通り、「人生は、誰と付き合うかで変わる」というわけです。

しかし、本当にそうなのでしょうか? おそらく、話はそれほど単純ではないのです。恵まれた家庭に育った子は大学進学率が高いことも、IQが高いことも、生涯賃金も高いことがよく知られています。また、家に何冊くらい本があるかに子供の知能が影響を受けるといった研究もあります。

家庭でできることは本当に何もないのでしょうか? あるとすれば、何が可能なのでしょうか? 今日は、この辺りのことを考えてみたいと思います。


※この文章は単品で100円ですが、1000円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月20本くらい読めるので1本50円です。

続きをみるには

残り 3,083字

¥ 100

もしこの記事を気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです!