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クルマやがて、クルマでない「何か」になる

今から5年〜10年後に現れる「未来のクルマ」は一体どうなるんだろう?とこれまでも何度も考えてきました。自動運転、EV化、コネクティビィティ。この3つがキーワードです。3つのテクノロジーが合体してクルマはどう変わるのだろか?

で、ふと思いついたんです。

次に来るクルマが、今の「クルマ」の延長線上にはない、何かまったく「別のもの」になるのだと。

電話で起きたこと
1980年くらいまで、電話といえばサザエさんに出て来るような黒電話でした。80年代の半ばから留守録とかファックスとかが登場し、急激な進化を果たしたのです。今の進歩のスピードを考えると実にマイルドな変化ですが、当時はすごい変化だと思ったものです。

そして90年代になるとポケベルや携帯電話が普及し、電話は家に据え置くものから持って歩くものへと変化しました。これは、「電話 2.0」とでもいうべき大革命だったのです。そして2007年にはiPhoneが登場して今のスマートフォンが出来上がりました。電話 3.0 というわけです。

そしてそれを機に、電話は電話ではない何か「別のものに」なったのです。無数のアプリが生まれ、そこから新しいビジネスがたくさん生まれました。ちょっと考えただけでも Instagram, Lyft, Uber, Square, snapchat. Spotify, Airbnb, ApplePay などなど、いくらでも思いつきます。そしてこれらのアプリは僕らの生活を一変させました。そして本来の電話機能はもっとも使われない前近代のテクノロジーとなったのです。


次はクルマ
クルマにも同じことが起きます。いや、多分もっと強烈なことになるでしょう。何しろ、クルマの方の変化は、黒電話から一足飛びにスマホになるくらいの変化のはずだからです。

どんな変化が起きるのか、ちょっと考えてみましょう。
まず、人間が運転やナビから解放されることで、「移動時間の有効活用」「移動時間のエンターテイメント化」あたりがキーワードになるような気がします。

1)クルマは自分でも運転できるが、運転機能はおそらくもっとも使われない機能になる。

2)クルマ、スマホ、スマートウオッチ、スマート家電などのすべてのデバイスが連動し、僕らのアシスタントとなる。スケジュールも体調もルーティンもその日の予定も天候も渋滞情報もすべて鑑みた上で、最適な行き先を決めてくれたり、アドバイスをしてくれるようになる。ちょうどアマゾンが「あなたへのオススメ」を紹介してくれるように。

3)クルマが今の前2席、後ろ3席のレイアウトから解放され、全く新しい形になる。例えば対面で座るなど。

4)クルマにインストール可能なアプリが無数に生まれる。そして、それらがたくさんの新しいビジネスを産み出される。また、既存のビジネスもこのデバイスネットワーク網に繋がり、その形を変えていく。

なんとなくですが、今のクルマのイメージよりも、もっと「カプセル」のようなものになるのよな気がします。中に閉じこもって快適な時間を過ごす空間です。家にいるとなんとなくベットやソファーでゴロゴロするように、クルマの中でゴロゴロするようになるのです。

クルマの中がバーチャル空間になって、そこで英会話を勉強したり、会議に参加したりといったアプリーションはすぐにでも登場するでしょう。デートのアシスタントをしてくれるアプリとかも出るかもしれません。映画や音楽の鑑賞はもちろん当然です。
車内で食事をしたり、仮眠をとったりするのが今よりもずっとやりやすくなるだろうと思います。例えば飛行機の機内のように折りたたみのトレイやディスプレイが設置されたり、リクライニングが180度になったりといった具合です。

僕の妄想はこの辺で止めにしておきますが、おそらく思いがけないサービスが無数に生まれるのは間違いないでしょう。スマホが僕らの生活形態を根本的に変えてしまったように、未来のクルマはクルマの在り方そのものから、産業そのもの、そして生活形態をも根底から変えていくのです。

新しい雇用もたくさん生まれるでしょう。ただ、それら新しいサービスが、クルマの自動化で失われる雇用を吸収するとは僕にはどうにも思えないのですが。

テクノロジーによる混乱と分断の時代は、まだまだ当分の間続きそうです。

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