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未来がデストピアになるのは、どうすれば防げるのだろうか?

「AIが仕事を奪う」

もういささか聞き飽きたセリフです。

ただ、さらなるテクノロジーの発達が人間から多くの仕事を奪っていくのは確かなことでしょう。何でもかんでもAIと呼ぶのはまったくどうかとは思うのですが、それはさておいても、この流れを否定できる人はいないのはないかと思います。

いくつか例を挙げてみます。

米国企業のコールセンターの多くが現在フィリピンにあるのはよく知られた事実ですが、このようなアメリカ本土からフィリピンへの雇用の移転も、現在のようなITの発達がなかったら、成り立ちませんでした。

また最近では商用WEBサイトにチャットボットが付いていて、サイト内をうろうろ迷っているとチャットボットが勝手に「お困りですか?」と尋ねてくるところが増えてきました。僕らのサイト徘徊パターンがすべて解析されていて、「このパターンだったらこのタイミングでボットが話しかける」というようにAIが判断しているんでしょうね。また、チャットボットに質問を投げると、やりとりが実にスムーズなのです。どうもどこかのタイミングで人間と入れ替っているようなのですが、これがいつなのか全然わからないのです。本当に感心します。

また、自動運転なんてまだ何年も先かなと思っていたら、テスラだけどんどん進化を遂げています。そして今月には召喚機能を実装しました。例えばお店を出たときに、土砂降りの雨が降っていたとします。しかし、車を停めたのは、駐車場のずっと端の方です。そんなときに、自動車がお店の出口まで自動的に走って来てくれたらありがたいですよね。この召喚機能は、まさしくそれを実現してくれる機能です。こちらのビデオは、実際にユーザーが自動車をスマホから呼んでいるところです。スマホを持っている人のところまで、空っぽの車がスルスルと走ってきます。

やがてこうやって少しずつ、これまでは人間ではないと絶対にできなかった仕事がテクノロジーによって代行されるようになります。特に、これまでは経験値が高い人でないとできなかった様々な仕事が、機械によって代行されるようになるでしょう。例えば医師による画像診断などはその一例ですし、株のトレーダーなども容赦なくテクノロジーによって置き換えられつつあります。

やがて多くの仕事から、経験値が不要になっていきます。熟練工でないとできないとか、ベテラン医師でないとレントゲンを正しく読めないといったことが急速になくなっていくのです。現にGPSの発達と普及により、基本的に誰でもタクシーの運転手ができる時代になってしまいました。かつてタクシーの運転手さんといえば、ありとあらゆる道を知り尽くしているベテラン・ドライバーばかりでしたが、もはやそのようなスキルは必要ありません。運転さえあれば誰でもできるのです。だからこそ、諸外国ではウーバーがタクシーを駆逐しているのです。

この先に僕らを待っているのは、多くの仕事のマックジョブ化です。誰でもできる仕事が増え続けるのです。また、長期雇用をほとんどなくなっていくでしょう。なぜなら、マックジョブをやってもらうのに熟練もへったくれもないからです。アメリカではこの2つがすでに起きています。空前の低失業率だというのに庶民は潤っていません。アメリカ国内で新たに生まれる仕事がマックジョブばかりだからです。また、長期雇用は減る一方で、フリーランスがひたすら増え続けています。

ではこうして仕事がマックジョブ化する先には、一体どのような未来が待っているのでしょうか? 僕たちはどうすればいいのでしょうか?


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