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アメリカの部活動は「総当り戦」です

以前アメリカの部活動について書いたことがありましたが、今日はその記事の続編です。前回の記事は非常によく読まれたので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

アメリカでは本当に毎週金曜日、フットボールの試合がある

アメリカの青春映画を見ると、「主人公がフットボールの選手で可愛い彼女がチアリーダーで、毎週金曜日にはフットボールの試合」みたいな設定があります。あれ、本当にああいう感じなんです。

前回の記事で説明した通り、アメリカの部活動はシーズン制なのですが、シーズンの間は毎週試合があります。これは別に強豪チームに限った話でもなく、全ての高校と大学でそうです。どういう仕組みかというと、近隣の学校の対抗戦が毎週行われるようになっているのです。そう。アメリカの部活の試合はトーナメント形式ではなく「総当たり戦」なのです。このためどんな弱小チームでも毎週試合の機会があります。

これは別にフットボールに限った話ではなく、全ての運動部でそうです。僕は水泳部でしたが、シーズン中の秋〜冬は毎週土曜日に試合がありました。全部で10試合くらいあった記憶です。これがシーズンの間中続き、冬に合宿があり、シーズン最後の春先にNCAC(North Coast Athletic Conference)が主催する大きな試合がありました。NACAというのはミシガンの五大湖の近辺にある大学が加盟してる大学スポーツのリーグで、僕が卒業した大学はこのリーグに属していたのです。さらに速い選手はその2週間後に全米大学選手権があります。ま、ここまで行く子達はオリンピックの選考会に出るレベルなので、かなり別格な人々でしたが。

なお、半ば運動部のようなマーチングバンドも同様です。マーチングバンドというとフットボールの試合のハーフタイムにだけ演奏してるイメージですが、これとは別にほぼ毎週のどこかの学校が主催するコンテストがあり、それらの学校に遠征に行って順位を競うのです。ウチの息子はマーチングバンド部でしたが、高校の4年間、毎週どこかに遠征に出かけていました。(アメリカの高校は4年制です)

初心者でも弱小チームでも試合慣れできる

さて、この「総当たり戦」のメリットについて考えみましょう。最大のメリットは、どんな弱小チームに属しているどんな初心者でも試合経験を積めることです。僕は日本でも水泳部でしたが、基本的に区大会、市大会、県大会の3試合でシーズンが終わりでした。仮に3種目泳いだとしても1シーズンに9レースしか体験できないわけです。割と速い選手だと予選、決勝と2回ありますが、それでも18レースだけです。

一方アメリカでは毎週試合ですから、レース体験のしまくりです。仮に3種目エントリーしたとして、1年で30〜40レース前後、4年間では150回くらいはレースを体験するわけです。対抗戦は標準タイムさえないので、遅い選手でも毎試合出場してレース体験を積むことができます。速い選手なら予選と決勝で、もっともっと場数を踏んでいきます。

チームスポーツも新しいことにチャレンジしやすい

場数を踏めるメリットは個人競技だけに止まりません。チームスポーツも同様です。日本のようにトーナメント形式だと序盤で敗退してしまうと後がなくなってしまうので、どうしてもミスをしないことに意識が行き、大きな冒険ができなくなります。しかし総当たり戦なら、1試合落としても次の試合で取り返すことも可能ですから、冒険の幅がずっと広くなります。

また、2軍(Junior Varsity)の選手でも総当たりで試合も用意されているので、同様に場数も踏み、冒険をすることが可能です。

「練習は本番のように、本番は練習のように」

さて、これだけ試合があると、「試合で緊張する」といった意識から無縁になります。また、試合ごとに新しいテクニックやフォーメーションなどを試してみることもできます。よく「練習は本番のように、本番は練習のように」と言いますが、まさしくこれが誰でもできるように制度が組まれているのです。僕も飛び込みのやり方を少しずつ変えてみるとか、ターンのやり方を工夫するとか、練習で手応えがあったことは、小さい試合で実際にやってみて試していきました。

息子のマーチングバンドのフォーメーションなども、毎週の試合ごとに少しずつ変わっていくのが実に興味深かったです。シーズン最後の大きなコンテストで最善のバフォーマンスできるよう、試行錯誤をひたすら繰り返していくのです。日本だと最初に「あるべき理想の姿」を定義してそこを目指してひたすら反復練習を繰り返す感じですが、なんかもっと「本番を繰り返しながら、少しずつ『あるべき姿を作っていく」感じなのです。

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製品開発にも通じる「やりながら考える」仕組み
考えて見ると、これ別にスポーツに限らず受験などでも同じことです。日本だと受験に失敗すると1年間棒に振りますが、アメリカのSAT (大学進学適性試験)は通年何度でも受験可能です。また、通常は秋学期の9月に入学しますが、春学期の1月からバラバラと入学してくる人も沢山います。さらに高校卒業直後ではなく、社会人経験を積んでから進学する人も沢山います。

そしてこの「本番を繰り返しながら試行錯誤を繰り返す」が浸透してるのは、スポーツと受験だけじゃありません。iPhoneだってFaceBookだってIntagram だって最初は「???」な品質で出荷されましたが、リリースを繰り返すごとにガンガンとクオリティをあげて、今では世界中を席巻しています。

オリンピックでメダルを総なめするのはいつもアメリカですし、IT革命でも先頭を走り続けているのはアメリカの企業ですが、おそらくこれらのこの「場数」と「試行錯誤」を重視するアメリカのカルチャーと無縁ではありません。何しろ子供の頃からこのシステムで育ってきた人たちが会社を経営しているんですから、ある意味当然な気もします。

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日本ももっと「場数」と「試行錯誤」を!

日本は雇用流動性が低く様々な仕事にチャレンジしにくい社会です。また起業をしたくても個人が借金の保証人にさせられてしまうため、二の足を踏んでしまう人も少なくないでしょう。これで試行錯誤しろっていう方が無理というものです。現在のような激動の時代には、あまりに致命的な制度と言っても言い過ぎではないでしょう。

そう言えば第二次世界大戦の勃発当初、零戦は世界の最先端を走っていましたが、やがて創意工夫を重ね続けたアメリカに追い抜かされてしまいました。現在の電機業界の大きく姿と重なる姿です。

日本は年に一回の受験制度、そしてトーナメント形式の部活動の試合を改めるところから始めた方がいいのかも知れませんね。

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あ、そうそう。英語学習も同じです

ここまで書いてふと思い出したことがあります。
僕がやってるフィリピンでやっている Brighture English Academy では入学した週と卒業の週にプレゼンを義務付けています。完璧に練習した上で最小限の義務を果たす人が大半ですが、中には別に促されなくても自発的に毎週チャレンジする人もいます。そういう人たちはドンドン上手くなっていきます。

また、会話練習も同じです。完璧になるまで練習を繰り返さないと本番に臨めない人もいる一方で、下手なうちからドンドン実際に使い倒す人もいます。もちろん上達が速いのは後者です。結局「場数」と「創意工夫」です。というわけで、問題集をグルグルと繰り返して完璧を目指すのはそろそろ卒業にして、Brightureに来て実際に英語にドップリと浸かってみませんか?

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