Gのレコンギスタ、リギルドセンチュリーに見る宇宙世紀の構造物開発について

先日、ガンダムGのレコンギスタ映画版を視聴した。

テレビ放映当時にはリアルタイムに見ていたのだけど、映画版で見直してようやく本編を理解できた。

リギルド・センチュリーという背景への考察。

宇宙世紀はスペースコロニーへ人類が移民を開始した年を元年0001年としている。

この時代のコロニーは1年戦争当時のコロニーとは形状が異なっていたとは思われるが、そこから79年で、全長42キロメートル、直径6.4キロメートル、コロニー全長とほとんど同サイズの採光用開閉型のミラー部を有した構造を持ち、外側と内側のシリンダーが逆回転している巨大建造物を構築している。

この巨大建造物の建設にかかるコストはともかく、回転する巨大構造物をどう支えているのか。

宇宙世紀は、規格当初、現在から100年後くらいの世界として舞台設定されていた。

2000年から100年前、1900年代には飛行船が、1910年にはプロペラ飛行機が空を飛んでいたのが技術革新によりジェット飛行機に変わっている。

その100年前、1810年には外輪型の蒸気船が航行していたのが、1860年にはスクリュープロペラを有する蒸気船となり、風力に依らない航行が出来るようになって海運が大幅に発達している。

この1800年から1900年に至るまでの技術革新にあったのは、機械的強度を要求される構造に対して、鉄の精錬度が向上して要求される強度の素材が作られたことによる。

さらに軽量、高強度、対候性な素材の開発がなくては、新しい概念のジェットエンジンは作れなかった。

素材として現在知られている以外の物質は生じてこなさそうではあるが、機構として高負荷に耐えられる構造物が作られているのかもしれない。

RX-78-2は一年戦争後半、パイロットの反応速度に機構の遅れが見られるようになった。

対策として関節部にマグネットコーティングすることで、関節部の駆動に伴う摩擦抵抗を減らすことで総合的な反応速度を向上させている。

この円運動する駆動部の摩擦抵抗軽減は、現在の技術では回転軸をベアリングで支えている。

例えば巨大なコロニーの回転軸を支える技術の概念が、より小さな構造のモビルスーツの関節の駆動に使えるように技術革新があったのかもしれない。

ところがリギルドセンチュリーにおいてはこのシリンダー型スペースコロニーが描写されていない。

回転して遠心力を発生させて疑似重力を持たせて居住圏とする宇宙世紀のような構造物はトワサンガのみが描写されている。

金星近傍のスペースコロニー群「ビーナス・グロゥブ」

ビーナス・グロゥブのコロニーは遥かに技術が進んだ宇宙世紀末の設計のようである。

コロニー部は直径100km、水深150mの海を持つ「シー・デスク」と呼称する円盤型のコロニーを6つ接続した円環構造で、環の中心には資源採掘小惑星がある。

この6個がフレーム状の構造物で相互に、かつ中心の資源小惑星に連結されて回転し、遠心力により疑似重力を生みだしている。

この回転速度は秒速3kmにもなるとか。

参照

唐突に振り返るビーナス・グロゥブhttps://togetter.com/li/1210072

これだけの回転は、速度については一度加速を始め動き出してしまえばさらに加速を続けていくことで、秒速3kmになるだろう。

ただそれによって生じる遠心力に対して要求される、構造物の引っ張り強度はいったいどれほどのものになることだろう。

が、確かに、ビーナス・グロゥブを支えられる構造物があるならば、衛星軌道上から地表にあるものを引っ張り上げられる、起動エレベーターも構築できるのかもしれない。

これだけの引っ張り強度に耐えられる素材としては、ダイヤモンド結晶構造を有するモノカーボンワイヤーであるだろうか。

ミノフスキークラフトなどミノフスキー粒子により形成した場で重量を支える手立てはあるのかもしれない。

その場合には常時エネルギーを消費することになるのだけど、フォトンバッテリーを充電して無償で提供できるほど、エネルギーの供給に余力があるならそれも建造物を構築する手段になるのかもしれない。

上記までの推測では

・宇宙世紀初期のシリンダー型スペースコロニー
既存科学技術の応用による金属を用いた構造

・宇宙世紀100年頃までのシリンダー型スペースコロニー
中心回転軸部の摩擦抵抗の軽減

・宇宙世紀末
巨大構造物を支えられる強度を有する素材の実用化
あるいは常時エネルギーを消費して巨大建造物を支えられる場を形成する技術

1000年くらいなら、技術はそこまで進歩しているのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?