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ブランディングテクノロジー株式会社のリブランディング全行程を大公開します!【後編】

本記事は2018年11月1日にブランディングテクノロジー株式会社によって、行われた社名変更、及びリブランディングの内容をまとめたものです。

以前、投稿しました前編の続きになりますので、まだ読まれていない方は、合わせてご確認頂けると全編把握できるかと思います<(_ _)>

目次
1.ブランディングテクノロジー株式会社について
2.何故今、リブランディングをしたのか
3.リブランディングをどうやって行ったか
4.言語の開発・再構築
ー本記事は以下から説明しますー
5.デザインの開発・再構築
6.社内説明と公開前の事前準備
7.どう浸透させていくのか
8.最後に ~本プロジェクトを通じて感じたこと~


5.デザインの開発・再構築


― VIの整理とパーソナリティ
言葉の開発・再構築を終え、企業におけるMI(Mind Identity)や、BI(Behavior Identity)が明確になったら、VI(Visual Identity)の開発に向け再度キーワードを整理していきます。

この段階になると、より鮮明にブランドのパーソナリティ(人間的特性)を捉えやすくなります。的確にパーソナリティを捉えた上で、デザインやコミュニケーション開発を行うことで、 一貫性を出すことができると考えています。

※以下はパーソナリティの概要抜粋になります


― 社名の特性
新社名に関して一つ大きな課題がありました。社名がやや長いということです。
・フリーセル(5文字)※旧社名
・ブランディングテクノロジー(13文字)

この点を解消するため、ロゴデザインにおいていくつか工夫したことがあります。

✔ やや幅の狭いフォントを使用する
✔ 頭文字を大きくし文頭を追いやすくする
✔ 単語で改行し可読スピードを向上する

その他、略称をこちらから指定する(ex.ブラテク、BTなど)という意見もありました。しかし、一つひとつ意味を持ってつけられた社名であり、認知もされていない状況から略称にしてしまうのは、意図が伝わらなくなってしまう懸念から、基本的に略称は使用しないと決めました。


― ブランドロゴの検証

これまでの情報を全て整理し、適切なデザインに落としていきます。まずは、メモにラフレベルで考えられる案を書き起こします。そこから、形になりそうな案をデザインソフトで起こします。
ロゴを構成する文字や図形などの要素、一つひとつにバリエーションをつけながら、ベターな表現を探っていきます。

最終的に残った3案を、経営戦略会議で協議し1案に絞りました。
残った1案に関しても再度さまざまな角度から検証し完成させました。

※以下は青の配色を検証しています

※以下はブランドに合わせて開発したオリジナルフォント


― 完成デザイン


― デザインコンセプト
お客さまの想いやブランドをしっかりとくみ取り、テクノロジーの活用で確かな未来に導く姿勢をシンボルに込めました。スピード感がありながらも、有機的で柔らかさも兼ね備えたフォントを開発。配色にも堅実さと、温かさを感じる2色のブルーを採用。フリーセルのブルーを継承し、創業からのブランドを未来へと繋げました。

ブランディングテクノロジーは、お客様、スタッフ、パートナー、関わる全ての人の「想い」を「たしかな未来」へ導いていきます。そんな私たちの在り方を可視化しました。

※傾きのよって意味が変わるシンボル


― タッチポイントに反映
完成したブランドロゴ、ブランドメッセージを軸に、さまざまなタッチポイントに落としていきました。


6.社内説明と公開前の事前準備


― プロジェクトレポートの作成
これまで行ってきた企業ブランドの再構築をまとめたレポートを作成しました。社名変更の背景や目的、今リブランディングを行う理由から、開発された言葉やデザインなどをレポート化しています。


― 説明会の実施
説明会は経営チーム(部門長)と代表木村を中心に行われました。
各部門長が自分の言葉で現場メンバーに説明することが重要になります。
それは、インナーブランディングを促進する上で、部門の方針や運営を行う部門長が、ブランドを意識してマネジメントをしなければ、代表がいくらメッセージングしても浸透が進まないためです。


― 社名変更に伴う調整業務
社名変更やブランドロゴの変更を行うと、非常に多くの調整業務が発生します。当社では、大きく5つのグループに分かれ調整業務を進めて行きました。1人で全体把握をするのは難しいため、連携を図りながら進めて行きました。

✔ 申請が必要な登記・契約関連
✔ エントランスや看板などのオフィス関連
✔ 名刺や封筒などのツール関連
✔ WebサイトやSNSなどのメディア関連
✔ メールアドレスやネットワークなどのインフラ関連

※タスク数にして100弱発生しています


― 社名変更の案内について
2018年11月1日の外部公開に合わせ、ハガキの送付やチラシの配布を行いました。メールでの案内もあったので定型文や署名などの設定も事前に展開しています。公式HPでも社名変更の案内や、ブランディングの内容が閲覧できるよう、コンテンツを充実させたり、プレス媒体との連携も図っています。


7.どう浸透させていくのか


― 社内の浸透計画
ポテンシャルとパフォーマンス両面から高めることで、ブランドを体現し伝導する人材(エバンジェリスト)を増やすことを目的としています。

人材定義をベースとした教育、考課、採用の施策を考え、各タッチポイントに落としていきます。新卒、中途、入社1年目、2年目、3年目などフェーズごとに施策を変えていきます。スキル、マインドの成長を促すだけでなく、ミッションリンクやエンゲージメントも高まるよう設計しています。
経営戦略(黒澤)と人事(内山)、広報(松井・和田)の連携を図っています。当社ではサーベイを活用することでKPIを定量化し改善活動を行っています。

※以下は人材育成のプロセスを可視化したマップ(入社~3年版)


― 社外の浸透計画
社外へのブランド浸透度を高めるだけでなく、バリューを最も発揮できるお客様に対しエンゲージメントを高め、ロイヤルカスタマーを増やすことを目的としています。

ロイヤルカスタマー、メインターゲットのペルソナを具体化し、各タッチポイントに落としていきます。マーケティングファネルごとに施策を変えていきます。
CXM(顧客体験価値)の観点からLTVを向上させるだけでなく、顧客とのコミュニケーションからエンゲージメントを高めていきます。
当社では部門ごとにKPIを設定し改善活動を行っています。

※以下はブランドコミュニケーションを可視化したマップ


8.最後に~本プロジェクトを通じて感じたこと~


― 特別なことは何もないと思った
今回の企業ブランドの再構築、浸透活動に関わる中で 感じたことを振り返ってみたいと思います。
全ての工程に関わる中で、改めてブランディングを学ぶことができました。
実践を繰り返すことの大切さを再認識しています。

ブランディングを実践し、学ぶと言っても特別なことは何もしていません。 「誰でも今日から実践できる」と思っています。
一部、デザインを作ったり言語の体裁を整えたりすることは、 専門的な知識が必要になりますが。
基本的には、「考える・行動する」ことができれば、 あとは、「やるか・やらないか」だけだと思っています。

もう少し具体的に説明したいと思います。
以下のようなことを、主観的、客観的に考えて具体化するだけでも、
ブランディングに繋がってくると思います。

✔ 自分たち(会社)が、何をどうしたいのか。
✔ 何故それをやるのか。
✔ 誰にどんな価値や課題解決を提供したいのか。
✔ それによって、いつどうなりたいのか。etc……

こういったことから逆算し、粒度をどんどん細かくしていけば、 今日やるべきことや、選択基準が見えてきます。
昨今、大企業やBtoCだけでなく、中小企業やBtoBの企業でも、 ブランディングは重要と言われています。
全てのビジネスマンに必要なスキルとして、 実践するプレイヤーが増えたら良いなと考えています。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。
今後もマイペースに記事をアップしていく予定ですのでよろしくお願いします!<(_ _)>


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