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桶川ストーカー殺人事件から22年 あなたはこの事件を正しく理解しているか?

今から22年前の1999年10月26日、
何の罪もない一人の女子大生が
白昼の桶川駅で殺された『桶川ストーカー殺人事件』

詳しく語る前に、
まずは 世にもおぞましいこの映像から ご覧ください。

・・・と書いてYoutube動画を
貼っておいたのですが、削除されてしまいました。

ちなみに貼っておいたのは、
桶川ストーカー殺人事件の被害者について
埼玉県上尾(あげお)署が行った
記者会見の映像でした。(本物です)

うすら笑いで始まり、
緊張感のカケラもなく進んでいく会見。

被害者が刺された箇所について、
「まあ、埼玉言葉でいう、脇っ腹かな。ハハハ」
・・・と笑いながら答える。

改めて書きますが、
これは殺人事件の警察発表の模様です。
再現ドラマじゃありません、本物の映像です。


あの『桶川ストーカー殺人事件』の尋常ならざる一面が
顔をのぞかせた、世にもおぞましい映像だったのです。

犯人と警察によって殺された罪なき女子大生

ぼくがこの事件について
興味を持ったのは、この本がきっかけでした。

「桶川ストーカー殺人事件 ー遺言ー」/清水 潔

どうしてこの本を手に取ったのか
今では覚えていません。

それでもいったん読み始めると・・・
ページをめくる手が止まりませんでした。

この本の冒頭に叩きつけられる真実。
それが・・・
「この女子大生は犯人と警察によって殺された」ということ。
責任の割合は “等しく50%ずつ” 

なぜ警察が50%も悪いのか?

被害者である女子大生は、
当時付き合っていた男性から 熾烈なストーカー被害を受け
地元警察に相談していました、それが埼玉県の上尾署です。

しかし、上尾署の担当職員は面倒くさがって
ちゃんと対応しませんでした。

その結果、男とその仲間たちの嫌がらせはエスカレートし、
とうとう最後、
女子大生は白昼の桶川駅で刺殺されてしまったのです。

この時の警察発表の会見がさきほどの動画です。

当時、警察はマスコミへ被害者のイメージをねじ曲げて
伝えました。
『金遣いの荒い風俗嬢が、付き合っていた男に殺された』
そんなイメージです。(被害者の女性は、断じて風俗嬢ではありません)

つまり、この女性は『同情されるような被害者ではない』
・・・というイメージをマスコミを利用して世間に刷り込みました。

この事件への理解が、ここで止まっている方も多いのではないでしょうか。

さらに驚くべき警察のウソと捏造…

女子大生は家族で上尾署に相談にいきました。
両親も娘さんと一緒に被害を訴えました。
なんせ、犯人グループの嫌がらせは父親の会社にまで
及んでいたんですから・・・

それをロクに話も聞かず、親身にもならず・・・
加えてもう一つ、
にわかに信じがたい “ウソと捏造” があったんです。

「マジかよ」

この本を読んだ時に、思わず口から出ました。
あまり書きすぎてはいけません。
ぜひ、清水さんの本を読んで欲しいです。

事件を解決したのは誰だったのか?

犯人グループを逮捕したのは警察です。
しかし、犯人グループを探し出し、
特定したのは警察ではなく、清水さんでした。

警察は真面目に捜査する気がなかったんです。
事件を詳しく調べられたら、
自分たちのずさんな対応と
ウソと捏造が明るみに出てしまう・・・

これはくだらない事件なんだ。

・・・ということにして終わらせたい。
犯人なんて捕まらなくてイイ。
それが警察・・・、少なくとも上尾署が考えたことでした。

一度は見殺しにし、
さらに死後、その死すらおとしめようとした・・・
1人の人間を “二度にわたって殺そう” としたんです。

誤解を恐れずに言うなら、犯人よりタチが悪い。

そんなやる気ゼロの警察に変わって
体を張って捜査したのが
当時、週刊雑誌「フォーカス」の記者だった清水さんだったのです。

巨大組織の警察ではなく
たった一人の週刊誌の記者が、
命の危険もかえりみず、執念で犯人グループにたどり着いたのです。

1人でも多くの人に正しく理解して欲しい

かくいう僕も
清水さんの本を読むまで
『桶川ストーカー殺人事件』を 正しく理解していませんでした。

なんか頭のおかしいストーカーに殺されてしまった
運の悪い女性がいたんだな、・・・ってぐらいの。

清水さんの本を読み終わった後、
それは殺された女子大生と
その家族に対して、とても失礼なことだと強く思ったのです。

1人の人間の死を適当な知識で分かった気になるな、と。

だからあの事件から22年たった10月26日、
このnote記事を書きました。

この事件がきっかけで制定されたのが「ストーカー規制法」です。
これもまた
ぼくたちは知っておくべきなのです。

1人の人間の死によって、生まれたものだということ。

ネガティブなことだからと遠ざけず、
正しく物事を理解したい。
・・・と 強く思います。


あの事件から22年たった今、
1人でも多くの人に、この本を読んで欲しいと願います。













これでまた、栄養(本やマンガ)摂れます!