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UI観察 #008 漫画アプリの使い勝手を観察する

こんにちは。matsumotoo(@matsumotoo988)です。

今回はマンガアプリを観察してみようと思います。
アプリは沢山あるので、いくつかに絞って観察してみました。

■観察するアプリ
・NHN JAPAN株式会社の「comico
・小学館の「マンガワン
・株式会社Amaziaの「マンガBANG
・LINE株式会社の「LINEマンガ
・株式会社スクウェア・エニックスの「マンガUP!

今回はアプリの中でも主要と思われる「ホーム画面、連載画面、検索機能、作品画面」を対象に調べてました

ホーム画面

まずホーム画面ですが、アプリによってコンテンツの種類・数が大きく異なります。

たとえばcomico vs マンガワンだとコンテンツ数が約10倍の差があります。
(comicoアプリ内でノベルも掲載していますが、それでも差が相当あると思われます)

またcomicoはサービス側にて選定しているマンガがとても多く、逆にLINEマンガだとユーザーアクションを元にしたレコメンドが他サービスよりとても多い傾向があります。


それでは各アプリのUIを観察していきます。
どのアプリもたくさんの作品を紹介していますが、見た目にメリハリを持たせるためにカセットのサイズが複数あります。ただその中でも「LINEマンガ・マンガUP!」ではデバイスの高さの半分を超えるカセットが設置されており、極端にメリハリをつけて目線が止まりやすくなっています。

■comico
・キービジュル下にメニュー(受け取りBOXなど)が配置されている
・イチオシ作品やランキングなどプッシュ型での作品訴求数がとても多い
└ 主にCOMICO側で選んだプッシュ系が多い。
・他アプリと比較して、作品のサムネイルが最も小さい


■マンガワン
・ファーストビューでは3つのスライド型バナーを配置している
・コンテンツは、3つのスライド型のバナーとデイリーランキングのみ
└ ランキングは、数が多い確認できたもので48位まで掲載していた(他アプリと比べて最大)


■マンガBANG
・スタッフイチオシや無料の作品などが掲載されており、かつ比較的有名な作品が掲載されている
・3×3での作品の見せ方をしている(他アプリでは多くて3×2まで)
・末尾にオススメ作品のバナーがかなり多く配置されている


■LINEマンガ
・トップページ以外もだが、画面を「総合/男性/女性」で変更できる
・基本的に1つの見出しには1列のみ作品を掲載している
└ 表示しきれない作品はスライドして表示 or 一覧画面で閲覧可
・過去に読んだ作品を基にしたレコメンドが多く表示されている
└ 5作品分。他アプリではCOMICOのみやっているが1作品分のみ。
・スライド型のカテゴリは、少しだけ見切れて表示されている


■マンガUP!
・スライド型のカテゴリは、少しだけ見切れて表示されている
・ランキングのカテゴリが5つもあり、とても多い
・好きなジャンル/読書履歴のレコメンド「あなたへのオススメ!」がある


連載画面

この画面は連載している作品を紹介する画面なので、基本的に各曜日ごとの作品を表示する画面になります。ただLINEマンガはランキングや様々な切り口でマンガの紹介もしています(ユーザーに探してもらうと、量が多く埋もれてしまう作品があるので、サービス側で整理&選定してそうです)

■comico
・1週間の曜日以外にも「新作/完結」があり、新しい作品/完結した作品への導線がある
・1つのカセットが他アプリと比べて大きい(見せ方+情報量が多いため)
└ 応援数/作者名など他アプリと比較して掲載情報数が多い
・「好みの設定」で連載の掲載順序をカスタマイズできる


■マンガワン
・選択している曜日が「●」アプリ起動している曜日が「○」の目印がつく
・1つのカセットがコンパクトである(画像の上に作品情報を掲載しているなど)
└ そのため、2×3で表示ができた(comicoでは2×2)


■マンガBANG
・各曜日で連載されていないため、ナビゲーションが曜日+カテゴリで表示されている
・カセットの縦の高さが大きく取っている
└ 作品カテゴリが複数表示されていたり、カセット間のマージンが他アプリより大きい
└ ただし作品情報の数は少なく、すっきりしている印象


■LINEマンガ
・下部ナビゲーションに「無料連載」の押下→遷移しても、他アプリと異なり連載特集ページが表示される
└ 各曜日の一覧画面は、連載特集ページから一つ下の階層へ遷移する必要がある
・連載の中でも、ランキングや新連載などのコンテンツを他アプリより強く訴求している
└ 各曜日の一覧より、まずは連載している作品の中で合うものを探して欲しい意図なのでは?


■マンガUP!
・各曜日以外にも、完結した作品への導線がある
・現在選択中の曜日が他アプリと比較した時に目立ちにくい優先順位となっている
・各カセットの作品情報が3行とかなり多い
└ COMICOと同じだが、画像の高さを抑えてカセット全体の高さを小さくしている


検索機能

検索機能はアプリによって考え方の差がありました。
シンプルにキーワード検索をする「マンガワン・LINEマンガ」とキーワード検索以外にも検索軸がある&作品の紹介もする「comico・マンガBANG・マンガUP!」です。

個人的にはcomicoの検索が好きで、最初は単純な検索→追加の絞り込み&リアルタイム件数表示で徐々に減らしていく考え方が実用性高そうでした。

■comico
・検索画面
└ 単一条件の検索のみで、条件の掛け合わせはできない
└ 検索項目が一覧で表示されていないので、項目選択に手間がある
└ COMICO側のオススメ作品も配置されている
・検索結果画面
└ 公式作品/ベストチャレンジ作品など分類された状態で表示される
└ 複数条件の絞り込み検索機能・リアルタイムでの該当数表示機能あり
└ 末尾には再検索しやすいように、タグ検索が配置されている


■マンガワン
・検索画面/検索結果画面が同じ画面。キーワード検索のソート有無での切り替え
・50音順に掲載されており、作品名/作者名などでキーワード検索がされる
・検索機能が弱く、検索の使いにくさを感じた。


■マンガBANG
・検索画面
└ 単一条件の検索のみで、条件の掛け合わせはできない
└ 性別での検索は新しく感じた。判断が難しい作品もありそう。
・検索結果画面
└ 該当検索作品が多かった場合は、目視で検索しないといけないため、かなり負荷がありそう


■LINEマンガ
・検索画面
└ 未入力の状態でも「無料」「掲載誌」など検索候補が表示される
└ キーワードを入力すると、サジェストで候補が表示される
└ 完全にキーワード検索のみ(他検索項目なし)
・検索結果画面
└ 1画面に含まれるカセット数は他アプリと大きな差はなし
└ カセット要素の中に、ジャンル情報や5つ☆での評価があり、客観的なわかりやすさを感じた


■マンガUP!
・検索画面
└ 他アプリとは異なる検索軸・項目がある
・検索結果画面
└ カセット掲載情報に「カテゴリや作者名」がなく、作品概要が記載されている
└ 1画面に含まれるカセット数が最も多い(4.5)


作品画面

基本的には作品情報と作品が閲覧できるようになっているが、「comico・LINEマンガ」は他の作品への回遊もできるようになっている。
ただcomicoは作者の他作品や作品の関連タグ経由でだが、LINEマンガは作品一覧の下部に画像付きのカセットが配置されており、comicoより強い導線がある。

■comico
・「無料レンタル券の有無」の表示され、すぐに読めるかわかる
・全作読める「全話パック」の販売方法が用意されており、導線も設置されている
・画面下部に「続きから読む」が固定表示されており、スムーズに続きを読める
・作品情報から関連ジャンルや作者の他作品への導線が設置されている
・作品の読者情報が記載されており、読者の性別・年齢が記載されている


■マンガワン
・「続きから読む、投票する」ボタンがあるが、ファーストビューに含まれていない
└ iphoneSEのため、iphone6など解像度の高いデバイスなら含まれそう


■マンガワン
・「続きから読む」ボタンが、iphoneSEでもファーストビューに含まれている
・ファーストビュー内に最も情報を盛り込んでいるが、そこまで文字文字しい印象がない
└ 作品に設定されているタグ・説明文などがページ上部にもあるが、フォントサイズと色で目立たないように調整している



■LINEマンガ
・画面構成が他アプリと異なる
└ キービジュアル→閲覧話の選択エリア→作品内容→発売中の単行本→オススメ作品→最近チェック連載
・作品内容がスクロールしないと表示されないが、不便さを感じない
└ 第1話は無料なため、まずは読んで作品を判断してほしいという考え方
・画面下部に他作品への導線もあり、回遊&複数作品の閲覧を促している


■マンガUP!
・作品の独自性が強いからか、キービジュアルの世界観が強い傾向にありそう
・キービジュアル直下にタグやお気に入り数をうまく収めている
・作者などの情報をかなり大きめに出しており、他アプリより重要な情報と位置付けられている可能性あり


まとめ:観察して思ったこと

今回の観察では、ユーザーに紹介するアプローチを増やしていくcomicoと導線を絞ってユーザー情報によるレコメンドをしていくLINEマンガの対比が面白かったです。

LINEは他アプリと比べると独自でしたが、LINEのような複数のサービスを運営している会社が得意そうなアプローチをしている様な気もしました(レコメンドなどの他サービスでも使用している横展開できるような技術)

ちなみにですが、マンガUP!では以下のような機能もありました。
高い頻度で使用する場合は、こういうステップ数を減らしたり、楽に操作できる機能があると利便性が高くなる機能が地味に満足度に効きそうです。

個人的にはマンガアプリはUIや機能を改善しても面白い作品の有無で、1回のみのユーザー or ヘビーユーザーになるか変わってしまう可能性もあるので、難しいジャンルであると思います。ただ逆に独自コンテンツの調達できればかなり優位にたてるので、そういうところに面白さはありそうに思いました。

また他にも気になる部分や使い勝手に関わる部分がありますが、今回はここまでとさせてください。

今回のUI観察はいかがでしたでしょうか...?
今回も自分なりに解説して見ましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!

お読みいただき、ありがとうございました。

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