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snaq.meについて調べたので、まとめる

ある時、TwitterのTLにこんな投稿が流れてきた。

ちょっと気になってサイトを見たら、自分の好きなドライフルーツとかも扱っているお菓子のサブスクでした。個人的にも気になる感じのサービスだったので、調べたことをまとめます(課金してみたけど、まだ商品は届いてないので、デスクトップリサーチです)

snaq.me(スナックミー)とは?

株式会社スナックミーが提供している、ギルトフリーのお菓子の定期購入サービス(サブスクリプション)です。

まずは運営会社についてです。

設立:2015年9月
従業員数:12人(wantedlyより
ビジョン:お菓子をもっと楽しく

こちらに創業時の想いが記載されています。創業のきっかけ(負)やサービスの考えが書いているのですが、ちょっと長文になってしまうので、特にサービスへの想いがつまっていると感じた箇所を抜粋させていただきます。

私達は仕組みを変えることでおやつを変えることができると信じています。

「テクノロジーを使っておやつをもう一回革新したいという意味をこめて」という言葉も添えられており、お菓子×TECHで仕組みを変えていきたい会社のようです。

またお菓子についても、こちらにこのような記載があり(一部抜粋)、お菓子の世界を変えようとしているのがわかります。


ちなみにサービス自体の紹介ですが、公式アカウントがyoutubeに公開してくれていたので、ご覧ください。

ユーザーの声については、Twitterのハッシュタグで調べると多数あるので、こちらを参考ください


国内のお菓子マーケットについて

2018年国内のお菓子の総市場業規模は、3兆3909億円(前年11億円プラス)です。スナック菓子については4361億円(前年比101.8%)と構成比12.6%を占めています(e-お菓子ねっとの資料参照)

市場としては規模もそもそも大きく、成長傾向にあり、スナック菓子も同様のようです。

複数のメディアの分析をみると、もともと景気動向の影響が受けにくい嗜好品であり、最近では訪日外国人客需要もあり、市場全体として拡大していると分析されていました。また株式会社矢野経済研究所のレポートによると、「ロカボ」などの新しい健康ワードの流行などもあり、流通小売店舗側も取り扱いには積極的な姿勢であるそうなので、市場拡大につながっているかもしれません。

株式会社矢野経済研究所の資料より引用)

市場傾向をみると、既存市場が大きく、かつ健康志向のお菓子が好まれる傾向があり、スナックミーに良い環境のようです。またギルトフリーのお菓子を提供×新しい仕組み(サブスク、テクノロジーによるマッチング)をしており、十分に勝機があると考えて良いのではないでしょうか。

ビジネスモデルについて

snaq.meでは、美味しいけど体に悪くないお菓子(ギルトフリー製品)を扱っています。色々調べて見たところ、個人的な仮説としては、ギルトフリー製品×サービス化(サブスク・Tech)×コミュニティで新しい市場を開拓しつつ、早期参入の優位性でシェアを確保しようとしていると思われます。

事業モデルとしては、D2C(Direct to Consumer)モデルです。ちなみに下記には、snaq.me/snaq.me officeのみを図解していますが、プロテインバーリアルバニラアイスなどの別ラインの商品も販売しており、サブスク型と個別商品購入の2パターンで売り上げをあげているようです。

※上記の図解だと、D2Cが表現できていないという指摘がありましたので、補足させてください。D2Cは、企画→製造→流通→販売(サービス)までを全て自社で行うモデルです。SPAとの違いとしては、販売や販促を主にネットで行い、ブランドの世界観やユーザー体験により直接的に関われることだと思っています。さらに詳細を知りたい方は、「D2Cってモデルじゃなくて思想なんじゃないかという仮説」「今さら聞けないD2C(Direct to Consumer)の話 ① マンスタ#2」などを参考ください(7/3 8:30追記)

一般的にD2Cモデルは、全て自社で完結するので、ユーザーに届けられるまでの中間マージンが圧縮されるため、顧客が支払うコストを下げれる傾向があります。ただCEOの服部さんのブログをみると、食品業界ではある程度の原価があるため、そこまでインパクトはないとのこと。
(むしろnoteに記載のあるとおり、高品質で逆に尖った商品をプレミアム価格で提供する可能性があるかもしれない)

個人的に上記のnoteを読んで、「コミュニティ/商品開発/サービス」が課題になっていると理解した。つまり、バリューチェーンで考えた場合の「商品開発」「マーケ」「サービス」のフェーズ。

むしろ本質は、顧客とのオープンな対話であり、ソーシャルを活用した透明性で、オシャレな投稿を続けることではない。
お客様の評価情報をもとに次回のBOXの内容が決まるため、お客様は、次回に届く自分のBOXの内容を良いものにするために評価をしていただける。
そのため、質の高い評価データを蓄積することができ、このデータを商品開発に活用することができる。
D2Cモデルでユーザーと直接つながることができるため、顧客体験を設計・コントロールしやすく、モノ以外の価値を提供しやすい

従来のリテールでも上記の課題はあると思うけど、特にサブスクリプションモデル(継続型)なので、重要になっていると思います。

単純化するために月次での場合で考えてみると、企業側は課金額はコントロールできないので、それ以外の加入者側をコントロールしにいこうとする。なので、新規顧客を増やし、継続顧客を増やす(解約顧客を減らす)。上記の3つの課題はこの数値に貢献するはずと思われます。

(補足)本来なら月次でなく、時間軸がもっと長いため、KGIに「利益や顧客生涯価値」をおくと思われる。サブスクリプション業界で有名なZuoraさんのe-Bookだと、重要な指標は「解約率、定期利益率、成長効率」の3つを追うべき、と言っている。このあたりは自分はまだ理解しきれてないので、もっと勉強してビジネス理解したいと思います(もし深く知りたい方は下記参考)

STP分析

snaq.meは今まで存在しなかったギルトフリーで新しい市場を取りに行っているが、ターゲット層と商品コンセプトの親和性の高さを感じた(Twitterinstagram上の動きやネット上でのレビューより)

またポジショニングで見たときに、毎回好みのお菓子を顧客に合わせて変更しているのも非常にポジションを築く上で有利に働いていそう(市場に早いタイミングで参入しているため、顧客の好みデータが資産となっている)


調べてみて思ったこと

「snaq.meってどんなサービス?」と思って調べたのですが、元々自分の中にお菓子に対する負があったりしたこともあり、非常に楽しく調べられました。

特に最近は「業界の中で新しい仕組みづくり」に興味があったので、このような取り組みをしているサービスはとても興味深かったです。色々ありますが、特に気になったことを下記に記載しております。

市場規模が大きく、イノベーションが起こっていない場所はチャンスである
今回であればお菓子市場であるが、テクノロジーによる介入がされていない場所は仕組みを変える余地が残っている可能性が高い。
snaq.meはお菓子×TECH企業である
お菓子をサブスクリプションで届けるサービスと捉えられがちであるが、テクノロジーの企業でもある。wantedlyの募集職種からもわかるとおり、膨大なデータを教師データ+アルゴリズムに反映させていると思われる。
先行参入メリットを活かす
ギルトフリーのお菓子=snaq.meの第一想起獲得(カテゴリブランド)やネットワーク効果により、ユーザー増→売上増→投資→サービス改善→ユーザー増・・(繰り返し)の循環フローを作れるか?サービスを成長させる上で必要なユーザー体験とお金の両立ができたら、強いと思う。
顧客体験の最大化(各チャネル×回数×体験品質)
サブスクリプションの一番有利だと感じるところ。つまり通常の都度購入と違い、オンライン/オフラインの両面から継続的な接点を持てる。これにより顧客の解約が発生しない限りは顧客体験が続くのはサービスの強み。
サブスクの欠点をどのように克服するか?
サービスを継続していると、飽きが必ず発生する(仮に顧客体験を損なわず、一定基準が保ってたとしても)。どのように仕組み化で解消するかが課題だと感じる。個人的には顧客体験(ユーザーとの接点やコミュニティ)で小さな喜びを作ることが鍵のように思っている
コミュニティ構築とサービスの共存共栄
サービスを大好きな人たち(ファン)が集まって、喜びを共有できる場所がある。そのサービスとファンの人が繋がり、より良いサービスになる関係を作れる良いと思います。自分でもうまく言語化できていないですが、良いサービスを作るだけでなく、思想や世界観といった目に見えないものもプロダクトに付随していると強く実感します(特にnoteコミュニティを見て)

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お読みいただき、ありがとうございました。
自分なりに調べてみましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!

今後も色々なサービスを観察していきますので、よかったらフォローください!

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