2017年9月は個人的にサビアンブームという記録

南阿佐ヶ谷ウラナイトナカイでは、
現在、吉田結妃さんのサビアン360度の版画展を開催中です。
展示の仕方がすばらしくて、この展示の中に座っているだけで、
どんどん360フレーズあるサビアン占星術の仕組みが解明されていく感覚になりました。

サビアン占星術は、1925年に全天360度の1度ずつに意味があると提唱された比較的新しい技法です。アメリカの占星術師と霊能者が象意をチャネリングによってリーディングしたといわれています。
まず360度は30度ずつ12サインに分かれています→ここまでは普通の占星術。
吉田結妃さんの展示は、12サインを180度対抗のサインがふたつで一組にして1枚のパネルに収められ、全部で6枚のパネルにまとめられています。

牡羊―天秤
牡牛―蠍
双子―射手
蟹―山羊
獅子―蠍
乙女―魚

度数が同じものは、隣同士になっていて、反対側にあるサインが一目でわかります。サインの反対側は、それぞれが足りない物を補完し合う同士なので、サビアンの意味も補完的意味合いがあります。これだけでもう十分楽しい。


例えば蟹座8度の「ウサギパレード」(周囲を真似て増殖していくことで、共感力をパワフルに外に向けて振りまきます)、山羊座8度「しあわせそうに歌う家の中の鳥」(広い外の世界を知った鳥も、かごに戻れば安全です。そしてそのことをわざわざ口に出して主張します)
両方、自分のサインの居心地の良さをアピールする意味で、蟹は水で共感力を外の世界に押し広げ、山羊は土で組織力である一定の区間を閉じてそこに所属する光景になっています。このように対になっていることで、それぞれの意味がより理解できます。
180度で対抗ずつみていくことの利点は、フレーズに使われる言葉の印象に振り回されず、12サインの意味の内側での意図からぶれずに意味を取ることができる気がします。

次は5度ずつ6列になっていることのすばらしさです。
縦に5度×6列=30個 →ひとつのサイン。

5度ずつの1組には、「1で始まったものに対抗の2があり、1と2を調節する3、4で安定して、5で次の段階に抜ける」というサイクルがあり、それが6回続いてひとつのサインは終焉する、という仕組みになっているので、5度ずつ1組になった6列を眺めていると、5番目の度数で次への突破チャンスを迎え、次の列の1番目、すなわち6度・11度・16度・21度・26度は、全て前の1組の意味を引き次いで、次のスタートを意味するということが「視覚的」に合点がいきます。


列にもそれぞれ意味があります。
1列目の5枚はそのサインのスタート、2列目はスタートしたことによる反応、3列目は1列目と2列目のバランスのため、というふうに続き、特にサインの意味を安定させるための4列目のスタート地点である16度のカード、全サイン16度はありますが、わたしはこの16度がとにかく大好きなのです。
より確実にサインの意味を安定させるために、4列のスタートである16度では、対抗にある180度反対側のサインの意味がなだれ込んできます。純血種の命は弱く、雑種化することで、より強い子孫を作るという生物の豆知識が頭をよぎります。
そのサインの意味を安定させるために、対抗にあるサインの力を借りるという占星術のシステム、ドキドキしませんか?
自分にない成分が、容赦なくなだれ込んでくる15~16度では、そのサインの本質からは大きく逸脱したような意味が出てきます。例えば、乙女座16度では、対抗の魚座からわけのわからない、理性では扱いきれないものがなだれ込んでくるので、フレーズは「オランウータン(にぎょっとする人)」になります。乙女が流れ込んだ魚16度は「ひらめきの流れ」、霊体質で具体化しないのが信条の魚サインが、ひらめいたものを具体的な何かに形成するためのアイデアのようなシンボルが出てきます。魚らしく、ピカッ!と明確にひらめいたり、頭をひねって考えこんだりはせず、あくまでも「流れ」という表現なのことに注目ですね。15度で対抗サインの意味が逆流してきて16度ではその反応として開きなおるので、16度は、まるでサインの意味を自然に交換したようなシンボルになるわけです。

4列目でサインの意味が定着するとサインの意味を更に外側に発展させて成長させる可能性の5列目があり、最後の最終調節の6列目を迎え、最終調節6列目の5番目のカードで、次のサインに以降します。5、15、25度はやりすぎでちょっとした危険感や不安定感が魅力で、10、20、30はやりすぎぐらいがちょうど着地して、次の段階へ進んでいきます。そして度数毎に共通がありながら、サインの意味合いによってそれぞれの個性があるという具合です。

サビアン占星術は、ユーモアの占星術だと私は思っていて、吉田さんの版画サビアンもそのあたりがいかんなく発揮されていて見飽きることがありません。

吉田結妃さんの展示は、度数で意味を理解するための配置がとにかくすっきりとしていて、度数それぞれの意味や意図が理解しやすいんですね。

普段は講座やワークショップなどの会場になり、それ以外は、私が事務作業などをしている9畳ほどの小さな小部屋ですが、パネルが並べられた部屋に座っていると、曼荼羅の内部に入ったようにテンションが上がってしまいます。
星の営みの役割が整然と並べられて、規則性のループを描くサビアン占星術の楽しさを、こんなふうに味わせてくれた吉田結妃さんに、ハイタッチで感謝を伝えたいほどです。

本来は9月に入ってすぐに、この案内文を書くべきでしたが、会期の残りはあと一週間になってしまいました。
さらに今頃気が付いたのですが、こういう展示会みたいなものは、来ていただいた方に、ご記名や感想をいただく、ノートとか置きますよね。全然気が回っていませんでした。

もしすでにご来場になった方がいらしたら、是非、吉田結妃さんに感想のメール、またはTwitterのリプで、一言なにかお願いできればと思います。
吉田結妃さんのブログ https://ameblo.jp/yumikoyoshida/
吉田結妃さんのTwitter  https://twitter.com/yukiyoshida18
吉田結妃さんのサビアン占星術計算ページ(無料で自分のサビアンを調べることができます)http://sabianimage.link/sabian_images.html

サビアン版画の展示会場は、南阿佐ヶ谷のウラナイトナカイ http://tonakai.her.jp/

展示期間は、2017年9月1日~9月30日となっております。

お店の2階はトナカイノニカイという名称で時間貸しの小会議室になのですが、今回の展示スペースは、このトナカイノニカイになります。
1階の鑑定ブースと物販棚の間を通って、狭い階段を上がってもらうややこしい形になりますが、ご興味あれば開場日時をHP上で確認の上、是非見にきてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?