恋愛は日常をこわす事故なのに、安全な生活の準備と思うのはなぜ

西洋占星術では、「若い男性」と「事故」を同じ星、すなわち「火星」を象徴として読みます。

いつもの安定した日常を破壊するのが恋愛の出会いということなので、トランジットの火星が巡ってくるのは、若い男性と出会う、と読むし、事故に会うとも読む。私たちは生きている人間なので、事故には合わぬように気を付けて、いい男が来たら、すかさず仲良くするということでしかないのですが、この火星は男?事故?どっち?と考えると夜も眠れなくなりますね。

一般にネイタルの月にt火星がハードアスペクト取るときは事故、ネイタル金星にt火星がソフトアスペクト取るときは出会い、という区分けはありますが、もともとネイタルで月と火星が合だったり、ハードアスペクト持ちだったりすると、事故のように激しくないと、恋愛相手と認識できない!という傾向も合わさって、もう何が何やらです。

こういうふうに複雑な意味と意図を読み取りながら、正解に近づけていくのが占い師としての喜びと楽しみなのですが、素人(勉強中)のときに痛感したのが、ネイタルをきっちり読み込まず(つまり、その人がもともとどういう恋愛感覚を持っているのか)を知らずして、サインの意味をとりこぼしたまま、いたずらにt火星のアスペクトだけ追っても仕方がない。徹底的に間違う!ということです。

n金星にn土星がハードアスペクトだと、辛い思いをする相手とわざわざ付き合って、自分にプレッシャーを与えるような恋愛をするなあという部分があるのですが、そういう場合n金星トラインのt火星ではなく、ハードのt火星が出会い時期になったりします…ので、そう読むと、その時期は交通事故に合いました!とか、発熱して一週間寝込んでいました!とか、なかなかな結果報告が届いたりしますよ。

恋愛は基本「事故」なので、まあそれは仕方ない。好きな人が現れると熱に浮かされて、そのほかのことの優先順位が下がる。誰かと出会って安定して幸せになりたいなら、月や金星への影響ではなく、女性も自分の火星と太陽への影響を見た方が良い相手がみつかるかもしれません。

自分が太陽(人生の目的に向かい)、火星(エネルギーを燃焼する)。お前、カッコイイなあと惚れてもらうという出会いなら、女性もこちらの時期をみたほうがいいかもです。そのほうが、そもそも「自分のプライドある人生」を妥協したり、遠慮せずに生きていけます。

金星は女性としての満足感ですが、それを事故の象徴である火星に任せていいのか、とふと思う午後でした。恋愛以外に自分の女性性や喜びを満たすものも世界にはちゃんとありますよ。先日、学習のための読み会に来ていた奥様は「星野源」とかねえ、とおっしゃっていました。アイドルは偉大ですね。金星のお守りはアイドルに任せて、労働にいそしめる。

カサカサな感じになってきたので、うるおい的な情報も付け加えれば、一般論として、月に土星トラインと、金星に木星アスペクト(ハードでもいいよ)の相手は、幸せにしてもらえます。月に土星がソフトアスペクトすると、基礎的な心持に安定感が出るし、金星はどこからどういうアスペクトが来ても(ハードであれば、思いがけないところから褒められたり、守られたり)幸せです。

問題は、月や金星に自前で、生まれつきトランスサタニアンがアスペクトしちゃって、木星や土星の影響をはねのけたり、物足りなく思う場合。こういう女子は「恋愛運悪い人」というくくりになりますので、こういう組み合わせ持っている人ほど、全部を恋愛や男性に期待しちゃダメってことです。自分の金星を10等分くらいにして、1部は彼氏や夫に期待してもいいんだけど、残りは仕事や趣味や貯蓄やなんだかんだで分散投資したほうがいいです。(了)

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