TRPG『忘れじの理想郷』のメモ【ネタバレなし】

モトエナ卓でプレイした『忘れじの理想郷』の探索者作成時に書いたプロフィールです。
全文プレイ前に書かれているので、理論上ネタバレはありません。
「僕はこういうキャラとしてRPした」というだけなので、他の人の探索者とも関係ありません。


【探索者3】

僕は本が好きでよく読んでいた。
なんでも読むというわけではなく、好きな本だけを読むタイプだ。
新校舎の図書室に興味を引く本がなくなった時に、旧校舎にも図書室があるという話を聞いた。

行ってみるとまだ傷みきってはいない本が多く残されていた。
読むだけなら問題ない。
時間がある時に通うようになった。

他にも旧校舎に来ている生徒がいた。
そこにいたのが猫山だった。
そうして仲良くなった。

意外だった。猫山はこんなところに来るやつではないと思っていた。
いつも皆の中心にいて、それが当たり前だと思っていた。
こんなところに来るやつはなかなかいない。
仲良くなるまで時間はかからなかった。

少しだけ優越感はあった。
教室で猫山を囲むあいつらは、猫山のことを何も知らない。
あの姿を見せてくれるのは、
あの冷めた目を知っているのは僕と、旧校舎に来るやつらだけ。

彼が大人びていると言っても、年齢的に大した話をしていたわけではない。
それでもなんだか、僕はひとつ優れた場所に届いた気になっていた。
独占欲なんて大層なものはなかったけれど、
僕が彼にとっての有象無象ではないことを感じられて
何かが満たされていたと思う。

その本性に近づけたからか、卒業後も関係は続いた。
頻度は高くなくても、途切れることはなかった。
途切れたと思っても、自然とまた繋がっている。
今では新しいSNSもあり、重要度の低い情報もある程度伝わってくる。

たまに一緒に食事に行く。
カラオケだなんだと遊びに行く感じではない。
お互いに仕事の愚痴を言い合う歳になってしまった。
大人びていた彼も大人になればただの大人になったけれど、
人当たりの良さと冷めた目は変わらずにある気がする。


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【仕事について】

こんにちは。
図書館で司書をしている松城由紀です。
みなさんは図書館を利用したことはありますか?
図書館って実は、本を読むためだけの場所ではないんです。
何か知りたいことがあるとき、今ならネットで調べますよね。

例えば禁酒法時代のアメリカで、一般的な生活や文化がどうだったのか知りたくなった時に、どうやって探せばいいかわかりますか?
実は禁酒法という尋常でなく特異な状態にあるせいで、何を調べても酒関連の情報ばかり出てきてしまいます。
これほどに強いとマイナス検索だってあまり有効とは言えません。
酒以外の言葉で検索を絞ろうにも、そもそも何があるかわからないから知りたいのに、ピンポイントで言葉を出すのは難しいです。

こんな時に図書館で聞いてみたら、アメリカの文化の変遷を纏めた図鑑のような本から該当ページを探してくれるかもしれません。ロックアーティストの伝記から当時の流行を探してくれるかもしれません。教育史から学生の様子を推測できるかもしれません。

電子書籍や書店にない、貸し出すこともできないけれど図書館内でなら読むことができる本も存在します。数ページのコピーなら取ることができることもあります。

本は知識であり、図書館は知識の集積です。
ぜひ、何かあったときは図書館を利用することを思い出してくださいね。



【今回のTRPGと関係ないこと】

今回と同じメンバーで遊んだ、禁酒法時代のアメリカから出発するTRPG『冒涜都市Z』。
どんな時代なんだろうと検索して、マジで酒関連の情報しか出ないことに驚いた。
何を調べればいいか目星がついてたとしても、「1930年代 音楽 ロック」とかで調べてから、出てきた事象を詳しく調べて、それが禁酒法時代に被ってるか見るしかない。
これでもなかなか、事象があったことはわかるけれど、それが大衆に影響をどれだけ与えたかはわからない。



司書担当らしく文芸関係の企画をやります。
7月2日(日曜) 22時から、白熊Vtuberが4人集まって本の感想を語らいます。
今回の指定図書は宇佐見りん『推し、燃ゆ』
ネタバレ全開になる予定なので、ぜひ配信前に読んでみてください。

白熊文芸部

配信場所は僕のチャンネルです。


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