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ゆたぼんくん、人生は長いよ

ゆたぼんくんへ

ゆたぼんくん、一年前から学校に行けなくなったと話しているこの動画を見ました。家でYoutubeをアップしたり、有名人の蓑輪さんに会いに行ったりして、「天才少年革命家」などと呼ばれながら大人にちやほやされているほうが、学校の宿題をやっているよりはそりゃ楽しいでしょう。私もそう思います。ただね、「不登校は不幸じゃない」というのは、まだまだ人間的に幼いあなたが、たった一年学校に行かなかった時点での感想です。「不登校問題」は、子供一人一人の将来に多大な影響を及ぼす大きな大きなものです。短期間の経験だけで答えを出せるような簡単な問題ではないのです。

まだ10歳のあなたにとって、物事の良し悪しを正しく判断するのはとても難しいことでしょう。まだ10年しか生きていないのですから当然です。驚くかもしれませんが、40年も50年も60年も生きてきたようなおじさんやおばさんでも、私も含め、人は迷ってばかりいるのです。世の中は簡単に判断できない問題に溢れています。「学校に行くか行かないか」も、そのうちのひとつです。

こちらの動画であなたは、「学校に行きたくないから行かない」と言っています。理由は「親と先生の言うことをハイハイと聞いている周りのみんながロボットに見えてきて、自分はそうなりたくなくて、それで宿題をやりたくなくなって、やらなくなった」から。
まず、先生がどんな思いであなたを叩いたのかはわかりませんが、叩くのはよくない。言葉を使ってコミュニケーションできる、上手くいけば分かり合えるのは人間だけなのだから、その特権を使わずにいるのは大変もったいない。ゆたぼんくんは暴力ではなく、まず言葉を選ぶ人になってくださいね。

同時に、ゆたぼんくんに自分の頭で考えて欲しいことがあります。「先生はなぜ宿題をだすのか」です。生徒をいじめたいからでしょうか。それとも単なる気まぐれでしょうか。どちらも間違いです。
先生は、「教えること」のプロフェッショナルです。プロフェッショナルってわかりますか?ひとつの分野を集中して何年もかけて勉強し、経験を積み、難しい試験に合格し(試験がない職業もあります)、仕事を始めてからも自分のスキルを高め続ける努力を惜しまないープロフェッショナルとはそういう人たちです。先生は「教えること」のプロフェッショナルであり、今日の授業で教えたことをより深く理解してもらうために、必要であれば宿題をだすのです。自分の経験とこれまで培ってきた知識を踏まえて「生徒のために今日は宿題が必要だ」と思うから宿題をだすのです。

「学校に行きたくないから、行かない」
「学校に行きたいけれど、行けない」
ゆたぼんくん、この違いがわかりますか?あなたは「行きたくないから、行かない」と決めました。でも、不登校の子供たちの大部分は、いじめなどの理由で「行きたいけれど、行けない」のです。下の動画のおじさんは、しどう先生という精神科医です。心の問題をあつかうプロフェッショナルです。ぜひ再生してみてください。このお医者さんの言葉があなたの心に届くことを祈っています。

最後にあなたの持っている夢について。
*ラジオパーソナリティになって、不登校に苦しんでいる子供たちに勇気を与えたい
*2020年の4月にピースボートに乗って世界一周に行く
*子供ピースボートをつくって世界中をまわり、世界中に友達をつくって戦争を失くしたい
*子供でも活躍できる世の中をつくりたい
*子供も大人も自由に生きていけばいい

どれも素晴らしい夢です。応援したいです。ただ、ひとつだけ伝えておきたいことがあります。
それは、「大きなことを成し遂げるためには、いやなこと・やりたくないことも、時にはやらなければならない」ということです。好きなことだけして生きているように見える大人も、人の見えないところで「やりたくないなぁ」「面倒くさいなぁ」と思うようなことを、きちんとやっています。人間が「自立する」というのは、そういうことです。もしも、「自分は本当に好きなことだけやって生きている」という大人がいるとしたら、周りの親切な人が、その人にかわって面倒なことをやってあげているだけの話しです。

これからは「人生100年時代」といわれているのは知っていますか?ゆたぼんくんの人生はまだまだ先が長いのです。将来自分の頭で考え行動できるようになるためにも、学び続けると同時にたくさんの経験を積み、視野の広い人間になってください。応援しています。





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