2017星の王子様

【2017年】お母さんの読書感想文「星の王子さま」

2017年1月18日
星の王子さま
サン=テグジュペリ 作
内藤 濯 訳
岩波書店
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読書は、そのときの自分の立場の違いで、感想が変わる。

この本を最初に読んだのは、おそらく小学生のときだろう。
子どもだった私は、「王子さまの冒険物語だな」と、それほどおもしろいとは思わなかった。
冒険に胸躍らせるような夢見る少女ではなく、けっこう現実的な子どもだったのかもしれない(笑)

次に読んだのは、母となり、子どもと一緒に読んだときだろう。
そのときは、「大人なんてこんなもんだよね。こんな大人いるよね」と、王子さまが旅行先で出会う大人たちに興味を持った。

そして先日、久しぶりに読んだ。
今回、私の心に引っかかったのは、王子さまと友達になったきつねが、別れ際に言った言葉。

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「さよなら」と、キツネがいいました。「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」
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肝心なことは、目に見えない。だから心で見なくちゃね。
というキツネの言葉に、そうなのかもしれないな、と思った。

だが一方で、こうも思う。
目の前に存在していて、本当はしっかり見えているのに、私には見えていないものがあるんじゃないかな…と。

実はすべてのものは見えているのに、自分が見ようとしていないだけなのじゃないかな…

人は、自分が見たいものしか、見ていない。

見ようとしていないところ、見たくないところに、なにがあるのだろうか…

それは心の有り様しだいで見えるのだろうか。

そこに踏み出す勇気を、私は持てるだろうか。


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