【今週の米大学野球】LSU14年振り7度目の優勝/スキーンズ歴代9位シーズン209奪三振【CWS編】

 こんにちは、あまなつ(@MattDavidson91)です。
現地時間2/17に開幕したアメリカ大学野球(NCAA1部)は、全日程が終了しました。

1.LSU14年振り7度目の優勝

 LSUは昨シーズン終了後に、全米最高の二刀流ポール・スキーンズ1年新記録27HRのトミー・ホワイト、24年1巡目有力候補のサッチャー・ハードなど、他校から全米トップクラスの選手を獲得。
開幕前の全米ランキング1位で11週目まで首位をキープ、全米第5シードを獲得し、NCAAトーナメント5連勝で19度目のCWS出場が決定しました。
しかし、初戦のテネシー大戦6-3で勝利したものの、2回戦の全米第1シードウェイクフォレスト大戦2-3で惜敗。
その後、敗者復活戦でテネシー大に5-0、準決勝のウェイクフォレスト大戦は5-2、2-0で、6年振りに決勝へ駒を進めました。

●LSUvsウェイクフォレスト大2戦目ハイライト

●アーカイブ

 そして、決勝の全米第2シードフロリダ大戦は、4-3、4-24、18-4で、歴代単独2位となる、14年ぶり7度目の優勝を達成しました。
●1戦目ハイライト

●2戦目ハイライト

●3戦目ハイライト

●優勝の瞬間

●カメラクルーver.

LSUの最終成績は54勝17敗で、NCAAトーナメント1位94得点/27HRと、ポストシーズンでは持ち味の打線が爆発。
また、投手陣も8位の防御率3.75と、課題のリリーフも本来の能力を発揮しました。

2.ポール・スキーンズ12年ぶりの200K到達

 ポール・スキーンズ(LSU3年/RHP/MLB公式1位)は、空軍士官学校1年次に、全米12位の打率.410/11セーブを記録し、大学代表に選出。
昨年は、先発で全米8位の10勝を記録し、再び大学代表に選出されました。
そして、LSUに転校した今季はエースとして開幕から7試合連続で6回11奪三振以上/失点1以内を記録。
17日のテネシー大戦7.2回 被安打5 与四球1 奪三振12 失点2の快投で、13勝目を記録し、トレバー・バウアー以来12年ぶりのシーズン200奪三振を達成。
22日の全米1位ウェイクフォレスト大戦は、中4日ながら、8回 被安打2 与四球1 奪三振9 失点0の快投で、記録は歴代9位の209奪三振まで伸びました。

テネシー大戦(100mph以上46球)

●スキーンズvsロウダーのCWS史上最高の投手戦

スキーンズの球種は、97-101/MAX102mphの速球・スライダー・チェンジアップ。
平均98mphとスピードはMLBでもトップレベルで、大学生No.1の大きく横に曲がるスライダー・チェンジアップ・制球力も高評価。
124球目に101mphを記録するなどスタミナも抜群で、ストラスバーグ以来最高の大学生投手と評されており、全体1位or2位指名が濃厚です。
また、2年連続2桁HRを記録したパワーも魅力的ですが、今季は打席に立っていません。

3.タイ・エバンスCWS新記録5HR

 ブロック・ウィルケン(ウェイクフォレスト大3/3B/MLB公式24位)は、高校4年次に打率.486を記録したプロスペクトで、昨年は99打数/5HRを記録。
しかし、今季はCWS前までは打率.217 4HRと不調で、スタメンから外れることもありました。
ただ、CWSでは持ち前の長打力を存分に発揮し、6試合で20-7 5HR 9打点の大活躍で、ベストナインを獲得しました。

●5号HR

●6号HR

●7号HR

●8号HR

●9号HR

 エバンスは、パワー型のプルヒッターで、高校時代から9kgの増量に成功。
また、高校時代に投手としてMAX90mphを記録した強肩で、LF/RF向きの選手です。
さらに、60ヤード走6.46秒の俊足で、昨年のサマーリーグではCF中心でした。

4.タイ・フロイド8回17K3失点

 ポール・スキーンズ(LSU3年/RHP/MLB公式58位)は、20年MLB公式141位のトッププロスペクトでしたが、短縮ドラフトの影響で指名されず進学。
昨年は先発中心に防御率3.77と好成績を残しましたが、指名はありませんでした。
そして、今季はスキーンズに次ぐ先発2番手として活躍。
24日のフロリダ大戦では、8回 被安打5 与四球1 奪三振17 失点3と好投しました。

 フロイドの球種は、92-95/MAX97mphの速球・チェンジアップ・スライダー・カーブ。
ホップ型でスピン量の多い速球の評価が高く、低めのリリースポイントから浮き上がるような軌道で、空振り率が非常に優秀です。
また、昨年と比べチェンジアップが向上しており、奪三振率はSEC6位の11.87を記録しています。

5.トミー・ホワイトシーズン105打点

 トミー・ホワイト(LSU2年/3B/24年ドラフト対象)は、21年MLB公式ランキング107位のトッププロスペクトでしたが、指名されずノースカロライナ州立大へ進学。
開幕戦で1試合3HR、3連戦で5HRの衝撃デビューを飾り、一躍大学球界のスター選手となりました。
そして、その後も順調に数字を積み重ね、1年生新記録の27HRで1年生MVPを獲得し、同大へ転校。
今季は主に2番3Bとして活躍し、CWSでは準決勝の延長11回にサヨナラHR、決勝の初戦に8回に同点HRを記録するなど、クラッチヒッターぶりを発揮。
CWSでは37-13 2HR 8打点の大活躍でベストナインを受賞し、105打点は全米1位タイとなりました。

●延長11回23号サヨナラHR

●24号同点HR


 ホワイトは、力感の無いスイングで、軽々逆方向にHRを放り込むパワーヒッターで、24HRは全米11位タイ。
昨年と比べ三振数が大きく減少しており、打者としての完成度も高まっています。
一方で、183cm107kgと大柄で守備・走塁は期待できませんが、打撃力は世代トップクラスで、24年1巡目指名有力候補です。


6.MLB公式23年ドラフトプロスペクトランキング投手・野手成績

●投手

●野手

7.その他

●トレイ・モーガンスクイズ阻止

●ジャック・カグリアン(フロリダ大2年/1B/LHP)年の33号HR(打球速度114.5mph/打球角度55.8mph)

●ディラン・クルーズのファインプレー

●ジョシュ・ピアーソンのサヨナラを阻止するファインプレー

●ワイアット・ラングフォード9回19号同点HR(推定飛距離139m/CWS最長記録)

●ブレイズ・ブラザーズ(オーラルロバーツ大)9回逆転3点HR

●チェイス・バーンズ(テネシー大2年)リリーフで6回9奪三振無失点

●CWS新記録観客動員数393946人(平均24560人)

●CWS第3戦視聴者数歴代1位(358.6万人)

●今年のCWSの視聴者数
ESPN歴代最多/16試合で平均164.7万人/昨年比48%増

●CWS決勝戦ハイライト

●CWSベストナイン


●CWS好プレー集

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