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特撮ヴィラン語り ~その144 仮面ライダー歌舞鬼/カブキ~

初期の平成仮面ライダーの映画って、ほとんどがTV本編にあまり絡まないパラレルワールド、あるいは別時代の物語になるパターンが結構多かったんですが。
その中でも特にツッコミどころが多かったのが、2005年の「仮面ライダー響鬼」の劇場版でした。

メインの舞台は本編の過去にあたる戦国時代。
魔化魍(まかもう)の軍団が人々を苦しめる世界で、厳しい修行により魔化魍と戦う力を得た者は「鬼」としてひそかに人々を守ってきました。
その鬼たちを支援する組織「猛士(たけし)」がいかにして出来上がったかという過去エピソードの映像化なんですが、何がツッコミどころかというとその鬼たち。
劇場版にだけ登場する鬼たちは、日本の各地方にちなんだデザインモチーフを取り入れてるんですが、

北海道代表:凍鬼(とうき)…熊
名古屋代表:煌鬼(きらめき)…シャチホコ
関西代表:西鬼(にしき)…虎
九州代表:羽撃鬼(はばたき)…鷹

シャチホコ以外ただの野球チーム縛りじゃねえか

いやもっと何かあるやん土産物とかさあ。あるいはなんか伝承的なやつとかさあ。野球て。別にプロ野球とコラボしてもないんだからさあ。
むしろ逆に名古屋だけめちゃくちゃピンポイントだしシャチホコで浮いてるし。揃えるなら揃えようよせめて。中国代表で広島にちなんで鯉とかいけたじゃん。
ちょっとこれは笑いになるヤツですよさすがに(笑)

さて、実はそんな劇場版のみの新キャラはもう一人います。それがこの歌舞鬼(カブキ)。
関東代表の鬼として登場しておりもちろんモチーフは歌舞伎。左右非対称の隈取りみたいな顔など派手な見た目が特徴ですが、

何故か英語を話せます
いや歌舞伎関係なくね

基本的に子供が大好きでノリの軽いお兄ちゃんキャラなんですが、なんと彼は密かに魔化魍の軍団に手を貸していたスパイ係。
人助けのために厳しい修行を積んで鬼になったのに、助けた人々からは化け物扱いをされて迫害にあうという経験に絶望し、人間を憎んで魔化魍に協力を申し出たのでした。

この「守るべき人々に裏切られて絶望した」パターンってまぁ王道だし、それを反省にしてちゃんと鬼たちを人間が支援して助けなきゃならないってことで「猛士」が創立するっていう話にも繋がるし、ストーリーの軸は全然いいんですよ。
なんだかんだで歌舞鬼のビジュアルも、鬼という妖怪モチーフにプラスして左右非対称のデザインでさらに怪物感ましましにして、悪役っぽさも強調されてる感じで好きなんですよ。

でも野球ネタでモチーフが決まったのはちょっと……ってのが未だにしこりのように残っているmatthewなのでした。

matthew

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