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特撮ヴィラン語り ~その415 カリュブディスメギド~

仮面ライダーシリーズの中で個人的に好きなのが、複数のモチーフを合わせた合体怪人
絶対混ざりようがないモチーフをデザインの中に落とし込んだグロさと、それでいて整ってるように見えるのが面白いんですよね。

ただ、そんな中でちょっと異色だったのが令和仮面ライダーシリーズ2作めの「仮面ライダーセイバー」に登場したカリュブディスメギド
「セイバー」のキーアイテムは動物、伝説、物語の3属性に分けられるライドブックと言われる本型のアイテムなんですが、このライドブック3種を合わせて生まれたのがカリュブディスメギド。にもかかわらず、元のモチーフが何なのか分からないツルッとしたデザインなんです。
それもそのはず、何故ならカリュブディスはまだ未完成。体に備わった巨大な口を使って人間を呑み込むことでその人間の特技をさらに吸収して成長するタイプなのです。

何気にさらっとエグいことするんですよね仮面ライダーってね

しかもカリュブディスも含め、メギドは元になるライドブックさえあれば何度でも再生が可能。故にだんだんパワーアップしながら再登場をしてくるんです。
「セイバー」では同じような合体タイプのメギドとしてデザストというライバルキャラもいるんですが、いわばカリュブディスはその新型。デザストからしたら面白くない存在なのは間違いないので真っ向から戦いもしたんですが、そのデザストの必殺技すらも取り込みパワーアップ。
右半身が肥大化し筋肉が剥き出しになったカリュブディス・ハーキュリーという強化形態にまでなってしまいます。

あ、筋肉だからって「ヤー!」はしませんよ?
それは去年「ゼロワン」で散々ご本人がやりましたからね?(どうでもいい)

けど、そうやって何度も復活しながら出続ける合体怪人ってのがそもそも仮面ライダーシリーズでは異例ではあって。大抵こういうイレギュラーってちょっとだけだから爪痕が残るものですからね。

しかもその性質をちゃんとラストバトルへの伏線にしてしまうというのがまた巧い。
カリュブディスを生み出した敵勢力のリーダー格であるストリウスは、自分と同じくかつて悠久の時を生きた仲間たちなどの最期を看取りながらも、その力が宿ったライドブックをカリュブディスに喰わせ、最後に自分も喰わせることで全ての力を集めたのです。
そしてカリュブディスの中でその力を自らのものとして取り込み、カリュブディスの肉体を突き破って全知全能の知を手に入れた仮面ライダーストリウスとして生まれ変わったのです。

まさかのラスボス誕生のきっかけにまでなってしまったカリュブディス。つくづく珍しいタイプの怪人だったと思います。

matthew

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