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特撮ヴィラン語り ~その254 毒ガス怪獣エリガル~

先日NHKBSプレミアムで放送された「全ウルトラマン大投票」、皆さんご覧になりましたでしょうか?
今までも「プリキュア」「ガンダム」「仮面ライダー」と様々なシリーズでこの大投票シリーズが放送されて、旧来のシリーズが上位に来るとも限らない忖度なしのランキングが本当に見てて毎回楽しいんですが、まあ今回も面白かったですね。個人的には最推しの「ウルトラマンネクサス」が何と8位入りという大健闘を果たし、解説の方も熱くプレゼンしてくださったのがもう大興奮でしたw

その中で「ウルトラマンコスモス」主演の杉浦太陽さんが、ご自身で「コスモス」劇中から印象深いシーンとしてピックアップされたのが、この毒ガス怪獣エリガルのエピソードでした。

「コスモス」劇中に登場する防衛チーム:チームEYESは怪獣の殲滅ではなく怪獣の保護を第一の優先目的に掲げており、基本的には怪獣を殺傷することは出来る限り避けるようにしています。そして杉浦さん演じる主人公:春野ムサシが変身するウルトラマンコスモスも、怪獣を傷つけずあくまで大人しくさせること、守ることを前提に戦います。
そんなEYESの面々にとって苦い記憶となっているのが、このエリガル。普段は大人しい性格であるものの危険になると肩口から毒ガスを出すという厄介な性質の持ち主ですが、実は過去にも同族が一度出現していてその時はEYESもやむなく討伐してしまっていたんです。
その苦い記憶から数年の時を経て現れたエリガルに対し、リベンジと意気込んで保護作戦を展開するEYES。しかし実はエリガルが現れたのは宇宙から飛来した光のウィルス:カオスヘッダーに感染した苦しみからで、EYESが撃ち込んだ麻酔弾によってカオスヘッダーへの抵抗力が弱まってしまったことで感染が大幅に進行、凶暴な怪獣カオスエリガルに変貌を遂げてしまいます。

リベンジが裏目に出るとか傷口に塩塗るようなもんですよ
エリガルもEYESも可哀そう過ぎませんかこれ

作戦失敗の焦りとカオスヘッダーへの怒りから独断専行に走ったムサシはコスモスに変身、何とかエリガルを救おうとしますが、感染が予想以上に侵攻していたカオスエリガルの前にはことごとく技が通じず。
いつもならカオスヘッダーを怪獣から切り離せていた光線:ルナエキストラクトも、カオスヘッダー自体が進化したことで効力なしに。ムサシの焦りは加速し、最終的には本当に悪い怪獣の前でしか変身しないコロナモードの姿に変身。力づくで分離させようと最大出力で放ったコロナエキストラクトにより、無理やりにカオスヘッダーを分離させられたことでエリガル自身のダメージも限界に到達――エリガルを死なせてしまうことになります。

2度にわたってEYES、そしてムサシに苦い記憶を残したエリガル。
力でも優しさでも怪獣を救えなかったことにムサシは苦悩し、その後の戦いにも大きな爪痕を残し続けることになりました。

そしてTV本編終盤で、これまでの戦いからムサシたちのトラウマを学習したカオスヘッダーは敢えてエリガルの同族を無理やり覚醒させ、同じようにカオスエリガルへと変えてコスモスとEYESにぶつけていきます。
果たしてこのトラウマを彼らはどう乗り越えていくのか。その変化もまた「コスモス」のストーリー全体の中で大きなキモになるのですが、

とりあえずエリガルが可哀そう過ぎるのは本当に何とかしてください

matthew


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