見出し画像

特撮ヴィラン語り ~その334 ブレンロイミュード~

果たしていつの頃からそうなったのかは知りませんが、平成以降の仮面ライダーシリーズにはいくつかのあるあるというものが存在します。
その中の一つが、

眼鏡キャラは大体ネタキャラ扱いされる

序盤はインテリで知的な感じを前面に出しているんですが、話が進むごとにだんだん小心者の部分が前に出て来て、急にギャグキャラみたいなムーブが増えていき、最終的には序盤で見せたカッコよさが見る影もないほど情けない無様な立場に落ち着くという転落っぷり。
個人的には序盤のままでいて欲しいなぁって気持ちあるんですけどね。「お前そんなキャラだっけ…?」って違和感を結構長いこと引きずってしまうんです。

そんなネタ枠眼鏡キャラに転向した中での筆頭と言えるのが、「仮面ライダードライブ」に登場したブレンロイミュード
敵勢力のリーダーであるハートロイミュードに忠実な参謀で、豪放磊落なハートをたしなめながらも決して彼の意向に逆らわず、緻密な作戦で仮面ライダーたちを翻弄するインテリ派、でした

様子がおかしくなったのは、休眠状態にあったメディックロイミュードが復活してハートに合流してから。
可憐な女性型であるメディックはハートにゾッコンで、ハートもメディックの能力や性格を買って重用。その姿を遠巻きに見て、ブレンは激しい嫉妬を彼女に憶えてしまうのです。その結果が

ハンカチを嚙んで鬼のような形相を浮かべる顔芸
お前は一昔前のドラマの意地悪な姑か

これを契機に、メディックにいいところを持っていかれまくって悔しがるブレンの姿が定番化し、一気にブレンはネタキャラへと転向。小心者な部分が顕著に表れるようになり、ハートを巡ってバチバチにメディックと対立しながらも、彼女にいいように出し抜かれてしまう情けない場面も増えてしまいました。
ちょっとこれは見てて辛かったなぁ…ブレンの強敵感すごく好きだったんで。

しかし終盤では、ロイミュードたちさえも都合よく利用して世界を牛耳ろうと企む悪の科学者:蛮野天十郎の計画から身を挺してハートたちを庇い、最期の最期までハートへの変わらぬ忠誠と愛情に殉じました。
終盤はもう蛮野がとにかくヘイト集めまくりの極悪非道っぷりを見せたもんで、ロイミュードたちでさえも可哀そうに思えてしまうんですよね。そういった意味でも愛すべき敵役キャラだったと思います。

そんなブレンですが、何と平成の元号が終わる間際に東映ファンクラブ限定配信の新作スピンオフで主人公に大抜擢。TVシリーズでは平成最後の作品として「仮面ライダージオウ」が放送中でしたが、それと並行するような形で本当の平成最後のライダー「仮面ライダーブレン」へと変身を果たしてしまいました。

仮面ライダーにあるまじき毒手という卑劣な武器を駆使し、
メガネブレードというどう考えても他ライダーの武器の色変えでしかない剣で敵をなぎ倒す、
カッコいいんだかカッコ悪いんだかよく分からない真の平成ファイナルライダー:ブレン。

ネタキャラに振りきれ過ぎて役者さんも若干後悔してる姿がとっても印象的でした

matthew

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?