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特撮ヴィラン語り ~その191 ヘビツカイメタル/ダークナーガ~

昔っから結構、洗脳や、思想の違いなどから、チームを裏切る仲間が出てくるお約束ってありますよね。そう、いわゆる「闇落ち」というヤツです。
最近は逆に敵キャラが正義に目覚めて仲間入りするのを「光落ち」なんて言ったりもするけど、それは果たして落ちてると言えるんでしょうか。どっちかっていうと上がってませんかね?

あ、あれか女子を口説き「落とす」とかの方か納得
いやどのみち響きよくねえわ納得いかんわ

とは言っても、意外と特撮ヒーローではその闇落ちパターンって少なくて。特にチームワークを重んじる戦隊ヒーロー、「光の化身」みたいな扱いが多いウルトラシリーズは長い歴史でも片手で数えられるくらいしか事例がない気がします。
そんな中で異例中の異例といえたのが、「宇宙戦隊キュウレンジャー」。なんと仲間の一人が闇落ちしてチームを離脱するという展開が中盤の山場となったんです。

その大きな山場を作った闇落ちキャラがこのヘビツカイメタル
元々は蛇使い座系の惑星出身のミステリアスな青年:ナーガで、お宝を求めて宇宙を渡り歩くてんびん座系の惑星出身である機械生命体:バランスとコンビを組んで行動して「怪盗BN団」を名乗り、宇宙を支配する悪の幕府:ジャークマター相手に義賊として活動してきました。
陽気を通り越してチャラ過ぎるバランスとは正反対に感情表現が欠落しているナーガは、基本的にバランスの言うことに従って動くのみ。しかしある時、ジャークマター相手に反抗の戦いを挑むキュウレンジャーと出会うと初めて自分の意志で加入を決意。相棒のバランスもそれに感動し、それぞれヘビツカイシルバー、テンビンゴールドという新たな仲間としてキュウレンジャーに加わりました。

元々ナーガが暮らす惑星の人々はみな同じ顔をしており、無個性といえるほど感情がありません。
そんな中で出会ったバランスの陽気さに憧れ、自分もバランスのように感情をしっかり得たいと思い彼の相棒になったナーガは、いつしか他人の感情表現にとても敏感になり、キュウレンジャーの仲間たちとも真摯に向き合って感情を学ぶようになります。

ある日、ジャークマターの怪人の作戦でメンバーが過去の記憶を呼び起こされ、その動揺を誘われたことにより散り散りになってしまいます。
しかしナーガには感情がないので動揺を誘われるような過去もなく、彼だけは術中にはまりませんでした。
最終的にみな過去の試練を乗り越えて見事に敵を倒したものの、自分にだけ思い出らしい思い出がなかったことからナーガは大きなショックを受けてしまい、感情がない自分に絶望してしまいます。
そこに現れたのはジャークマターの精鋭幹部:アキャンバー。ナーガの苦悩に気づいたアキャンバーは「私が感情を与えてあげる」と言葉巧みに彼を動揺させ、自らの術によりナーガを洗脳!
その結果、喜怒哀楽を手に入れる代わりに残虐な性質も身につけた悪の戦士:ヘビツカイメタル/ダークナーガが誕生してしまったのでしたーー

元々「キュウレンジャー」って初期の時点で9人、最終的には12人までメンバーが増えるという歴代最多の戦隊ヒーローなんですよね。だいぶ数の暴力がスゴい。
それ故にエピソードごとにくじ引きで戦うメンバーを選抜したり(選ばれなかったらバックアップに回る)、作戦によっては何人かメンバーが離脱して別任務に回るなど、臨機応変に活躍するメンバーを絞る機会が多かったんです。

別任務は分かるけどくじ引きってさ

それ故に、しばらく戦列を離れてもまだ戦えるメンバーがいるからという理由で恐らく闇落ち展開を早めに持って来れたんでしょうね。
実際序盤でもスパイ任務のためにサソリオレンジ/スティンガーがジャークマターの一員の振りをして潜入していたり、ロボットであるオウシブラック/チャンプが敵幹部の攻撃で大ダメージを受け修復のために一時離脱するなど、結構出入りが激しかったりはしたんですよ。この辺りがまた「アベンジャーズ」っぽくて面白いギミックでしたねー。

しかしこのダークナーガ。感情を獲得した結果やり過ぎなくらいに喜怒哀楽が激しいキャラなんです。蛇使い座だけにめちゃくちゃ動きもクネクネするし、ちょっとこう……キモいんですよ。

やっぱり何事もバランスが大事なんでしょうね
相棒がバランスだけにね
(うまいこと言わんでええねん)

matthew

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