【大公開】みんな知らない小学校の成績の付け方

公立小学校の成績表作成には大きく分けて2つのステップがあります。

1つめは教科の成績

2つめは子どもの様子を書き表す「所見」といわれるものです

ほとんどの公立小学校は3月の25日あたりに年度が終了しますが、実は今の段階で3月の成績表の半分くらいは作成済みです。

ぼくも数校見てきましたが、成績→所見という作成の流れは変わりません。なぜなら、成績がある程度確定していないと所見が書けないからです。

今回は担任や教科の先生に直接聞けない(聞きづらい)成績がどのようにつけられていくのかを紹介しますね。

はじめに

今現在、学校での成績は相対評価ではなく絶対評価という基準になっています。
おそらく30代以降の方の小・中学校時代の成績は相対評価で付けられていたはずです。

相対評価というのは5段階だとしたら良い順に5>4>3>2>1と成績がつくのですが、各評価の人数が決まっているものでした。
私の記憶だと割合として5と1が5%ずつ。4=2が10数%ずつ。残りが3だったように記憶しています。

テストの点数がよかったのに成績が悪かった

と感じている人はここに引っかかっていたとおもいます。
更に成績最上位者を決める割合が決まっていたので5を2人にしか付けられない場合に3人の満点取得者がいた時、誰か1人は4にしなければなりませんでした。

そんなとき教師が評価するための材料として
・忘れ物はしない
・授業中はまじめに
・宿題は欠かさず
と言われ続けてきたんだと思います。

それは成績に1を付けられる場合も同様です。
極端な例としてはクラス全員がすべてのテストで100点を取っていたとしても全員5がつかず、1を付けられる子どももいた。

理不尽極まりないのが相対評価です。
しかし、全体の中での大まかな自分の位置がわかるという点もありました。

続いて絶対評価です。

これは子どもがどれだけ頑張ったのかを成績に評価として表すもので、クラス全員が100点を取得したのならば全員5がもらえます。
時代は変わりました。

現在の小学校成績の主流はABCの3段階評価です。

成績の付け方をざっくり一言で表すと

成績順できめる

それだけです。

世の中にはいろんな先生がいます。

・忘れ物をする
・授業態度が悪い
・宿題をやってこない
・字が汚い
 などなど

ぼく個人的には授業に関する忘れ物を続けてしていたり、授業中他の子の邪魔をしているのであれば後述する評価に関してCを付けることも考えますが、家庭で行なう宿題やノートの字のきれいさで成績を付けることは本来の成績とは違うと考えています。

まずは成績Aについてです。

決められた期間のテストで評価に対する平均点が95%以上あれば多くの場合取ることができます。一般的に小学校で使われている市販のテストは同じ会社のものであっても難易度に差があるので、学年の先生が簡単なテストを選択した場合には95%が96~98%になったりします。

目安として各学期の間に教科の評価項目に対して、配点にもよりますが1~2問間違いまで許されます。3問間違えているとちょっと厳しいかな、という印象です。

次にC評価に関してですが、おおむね平均60%未満で付けられることが多いです。60点て半分超えているし悪くない点数と思っている方、甘いです。
なぜなら市販されている業者テストは簡単だからです。

はっきり言って教科書がそのまま出ているレベルです。なので普段のテストが70点を下回っていたら黄色信号が点滅していると思ってもらってもいいです。

そして教師もC評価はなるべく付けたくないのです。
基本的にC評価を付けた場合、保護者に納得してもらうため所見にその理由を書くことになります。理由を書かないとクレームなどトラブルの原因になりかねません。

市販のテストを見ると点数が書かれている欄あたりに評価項目が書かれているはずです。

国語なら
・読む
・漢字/言語
算数なら
・知識理解
・表現処理
・考え方
など。

その各項目が基準の%に対していくつかを見ているので毎回のテストが80点であってもAを取っている子はいます。逆に毎回70点くらいなのにCを取る可能性もあります。

基本は客観的に評価できるテストの成績で、授業中にどんな思考をしていたかノートの取り方などなどはプラスアルファの要素です。
もっかい言いますが、授業の邪魔をしない限り問題ありません。
授業を妨害する癖のある子どもについては各教科の「関心・意欲・態度」というところに反映していましたが、ぶっちゃけ点数で判断できないこの項目はどうでもいいものです。授業態度に関わらず、勉強できる子は出来るし苦手な子は苦手なのです。
ただし、真面目な子どもが勉強をしているのに授業妨害するのだけは絶対許しませんでした。

問題はここからです。

各学級担任が付けた成績を同じ学年の先生達で見比べます。
どこかの学級に突出してAやCが多かったり少なくないかという確認です。たまに学年で評価基準が異なっていることがありますが、ほとんどは問題ありません。それから校長に提出します。

提出したら結構な確率で呼び出しを食らいます。

理由は他のクラスと比べてAの人数が多いとかCの人数が少ないとかです。

絶対評価なのにです。

ほとんどの学校でこの謎な呼び出し&クレームが管理職から言い渡されます。なので、多くの場合学年の先生で見合わせている段階で人数を修正していることがほとんどです。

絶対評価なのにです。

はっきり言って、学期を通して頑張った子どもに対する侮辱(授業工夫した教師に対しても)だと思ってます。

そんな時、ぼくは成績の基データを持ち出して徹底抗戦するのですが、それをしない教師が多すぎます。もっと成績付けた自分やがんばった子どもに対して自信をもってほしいです。


いかがだったでしょうか。

ぼくは現職の時には「成績付けは好き嫌いを抜きにして客観的に行う」をモットーにしていたので結構ドライかもしれません。けれども、成績についてクレームが入ったことは一度もありませんでした。
それはぼくが子どもに対しても保護者に対しても成績の付け方をオープンにしていたからだと思います。
成績が全てではありませんが、先に基準を公開することによって安心や信頼を得て日々の授業を行うことが今の学校に求められていると思います。

※好評だったら所見編も書きます。

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