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映画「ダークタワー」 ネタバレ考察

眠りに落ちるとそこはオバケの手術室

4歳くらいのころ、布団の中で目をつむると何かに足をつかまれ地面の下に引きずり込まれた。ウォータースライダーの様に滑り落ちると薄暗い手術室に着く。
手術室とは言ったけどホントは何するとこか分からない。そこにいるのが人かどうかも分からない。台に乗せられ顔を覗き込まれる。
そこで目が覚める。そんな夢を何度も観た。
小学生になり友達にこの話をすると似たような夢を見た子が数人いた。
布団、クローゼット、鏡、細かい違いあるけど何かされちゃいそうな夢。
もし夢じゃなかったら僕らは何をされたのか?

映画版「シャイニング」

原作はスティーブン・キング、映画化したのはキューブリック。
原作の改変で揉めた。原作者は監督を変えてもう一度映画化するほどに。
日本では今現在に問題になってる。原作者がいじってほしくないところってあるんだろう。
原作はタイトルにもなってるシャイニングという能力が物語の中心になる。映画ではあんまり関係ない。
原作のあらすじは
「ホテルのオバケが息子の持つシャイニングの能力を狙って襲って来る」
「ダークタワー、シャイニング」の両方で同じの能力が出てきてどちらも化物が出てきて子供を狙う。
この能力は子供の時に強くあらわれ、能力を持つ子供は多感な子として描かれる。現実でも多感な子供は親や社会から矯正される。
キングの小説で子供が主役になってるものは社会じゃなく化物にまで襲われる。
このダークタワーでもITのペニーワイズが黒衣の男の差し金と匂わせられる。
さらに人間が暮らす「根本世界」は外の世界の化物に狙われてることも分かる。ここは「ミスト」の関係が匂わせられてる。
子供だけじゃなく人類が狙われてる。それを防いでるのがダークタワー。その存亡の鍵が能力を持つ子供なんだけど、大体の小説で大人は問題がある。

親ガチャハズレ図鑑

ここからは映画に絞って語っていく。
とにかくキング作品の大人はダメな奴ばっかりだ。
スタンドバイミー、IT、ダークタワー、子供が主役だと親までボンクラ。
世界の存亡は子供たちの「シャイニング」にかかっているのに大人だけじゃなく親までも子供を苦しめるっていう恐怖。
無教養、わがまま、偏見、怠惰、種類豊富な毒親たち。中には愛してるのに無自覚に害を与えるやつもいる。ダークタワーなんてまさにそう。
ここまで親を悪に描くのはキングの父が幼いころに蒸発したのと関係がありそうだけど詳しくは分からない。
ただ救いもある。

親は無くとも子は育つ

キング映画の子供たちは勝手に大人になっていく。
スタンドバイミーのゴーディは作家として成功。
ダークタワーでも現実を捨て塔を守る一員になる決意をする。
それと同時に子供の純粋さとか当時の記憶みたいなのは薄れていく。
ようは「輝き」がなくなっていく。
スタンドバイミーを観た後の安堵感と寂しさはきっとここから来てる。
僕達はもう子供には戻れない。「輝き」は取り戻せない。
子供の多感さを受け止めて上げれるほどの器もない。
でもせめて理解しようする努力はしたいと思う。

備忘録

ガンスリンガーの父が「24」の初代大統領。

スタンドバイミー=町(の大人)が子供を呪ってる。
キャリー=村八分的な要素。町が子供を呪ってる。
it=舞台はデリー?って名前の架空の町。ペニーワイズはデリー担当のオバケ。
取り巻く環境が一番の恐怖って事かもしれない。

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