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ギターが生まれ変わるナット弦高調整のすゝめ

こんにちは、マウリスです。

前回、REVSTARのナット弦高調整をした話を書きました。

この記事では主にREVSTARの調整内容について書きましたが、メインのナット弦高調整についてもう少し思うところを書きたいと思います。


ナット弦高が重要な理由

ギターの弾きやすさに関わる大きな要素の一つ、弦高。
エレキギターの場合、ブリッジ側はネジで簡単に上げ下げして調整できますよね。
しかし、ブリッジ側はそれなりの弦高調整の効果を得られますが、ナット側も下げてやらないと全体の弦高が下がらないので、劇的な弾き易さの向上は感じにくいです。

特にローフレットでの弾きにくさを感じる場合は、ブリッジ側ではなくナット側を調整して弦高を下げてやらないとずっと弾きにくいままです。

TRIALというエフェクターブランドを展開している高早楽器技術の代表である高早さんのYoutube動画で、『初心者がFコードを弾けないのはギターのナット弦高が調整されていないことだ』と仰っしゃられています。(ぜひ一度動画をご覧になってみてください)


初心者がつまづくFコードの壁、僕もギターを始めた中学生の頃に苦労したものです。(当時はアコギでした)
もちろん、そのときの僕はナット弦高調整なんて概念も知らなかったので、Fを押さえるのは辛くしんどいものであり、練習と根性で乗り切るものだと思っていました。

しかし、僕が当時使っていたギターは父親が使っていた古い何のメンテもされていないおそらく5~6万円クラスのアコギだったので、これがしっかりナット弦高を弾きやすく調整されたギターだったらもっとFコードの習得は早かったのだと思います。

上の動画で高早さんもおっしゃっていますが、初心者が初めて手にするギターは安いものがほとんどで適正な弦高に設定されていないため、とても弾きにくいです。
初心者が弾きにくいギターを弾いて上手くなるのに時間がかかるのは当然ですよね。
これでFの壁で挫折してしまってギターをやめてしまうのは本当にもったいない話です。

初心者に限らず、すでにギターを弾けている人にとっても、ギターを弾くことのモチベーション・楽しさを向上させるギターの弾き心地。

弦高はこの弾き心地にかなりの影響を与える要素の一つであり、特にローフレット周りへの効果が高いナット弦高の調整はぜひ行うべきだと思うのです。

ナット弦高調整の効果を知ったきっかけ

僕がナット弦高調整の絶大な効果を実感したのは、約10年ほど前。
前回のREVSTARの調整をしてもらったいつもお世話になっている楽器屋さんへふと立ち寄ったときのことでした。

並べられたアコギを見ていたところを店員さんに声を掛けられ、気になっているギターについて話をしたら、コレ弾いてみる?とPRSのSE Angelusというエレアコを弾かせてもらいました。

弾いているところを店員さんがじっと見ていて、しばらく弾いた後に
「君の弾き方に合わせて弦高調整するわ」と衝撃の一言が!
僕は焦って、今日は買うつもりできてないんですけど・・・と伝えたところ、「どうせ元々調整する予定だったから大丈夫」と言ったままそのまま弦高調整作業に入られたので、せっかくなので横で見させてもらうことに。

初めての弦高調整作業を興味津々で見させてもらいながら作業完了を待って、調整後のエレアコをいざ試奏!

「何コレ、弾きやすっ! これ本当にアコギですか?!」

もう驚きしかありませんでした。
さながらエレキギターのように軽い力で弦が押さえられる!

これまで調整前のナット弦高が高くて押さえるのに結構力が必要な状態が普通だと思っていたので、アコギでこんなに軽く押さえられるようになることは想像もしたことがありませんでした。

ナットの高さを少し調整するだけで、ここまで弾きやすさに違いが出るものなのだと初めて知った瞬間でした。


この機会がなければ、ナット弦高調整の重要性を知ることもなかったと思います。
こればかりは、自分で体験してみなければその重要さ、効果の大きさを知ることができないのでとても貴重な経験でした。

この経験が、弦高が高いギターについては必ずナット弦高を調整しようと決意したきっかけになりました。

ナット弦高調整は自分でできる?

ここまでその重要性、効果の大きさについて説明してきましたが、ではナット弦高調整はどのようにして行うのでしょうか。
また、調整の方法がわかったうえで、自分でも調整できるのか?
僕の経験も交えながら説明します。

ナット弦高調整の方法

ブリッジ側弦高のようにネジで高さ調整できないナット弦高の調整、どうやるかご存知でしょうか。

基本的に弦高を下げる場合の調整の仕方は次の2つです。

  • 弦が通っている溝を削って深くする

  • ナットを取り外し、底面を削る

どうでしょう。
これ自分でうまくできる自信ありますか?

僕にはありません!(笑)
実は過去に1度底面を削る方でやってみたことはあるのですが、綺麗にまっすぐ削るのがすごく難しくてナットを無駄にしたことがあります;

1つ目の弦の溝を削る方は、専用のヤスリが必要ですし、どのくらいの力でどのくらいの深さが削れるかは相当の経験が必要になります。
2つ目の底面を削る方法は割りと簡単そうですが、僕が失敗したように綺麗にまっすぐ削るのが難しい。それにネックとの剥離・接着も必要ですしね。

ナット弦高を下げる場合は削っていく方向なので、一度削りすぎてしまうともう後には引き返せません。ナットを新たに買って再加工するハメになります。

調整はプロにおまかせしよう

ナット弦高調整は、微妙な削り具合の調整やフラットな加工などそれなりの経験と技術を必要とする作業になります。

DIYや工作作業などをよくする方で腕に自信がある方であればできるのかもしれませんが、削っては弾き削っては弾きの加工と確認を繰り返しての調整になるのでそれなりに時間と手間もかかります。
時間と手間をかけた挙げ句に削りすぎて失敗し、またナットを買い直してイチから作業・・・となってしまうことを考えると、多少の費用がかかったとしても経験豊富なプロにおまかせして自分にあった調整をしてもらうほうが確実だと思います。

時間と手間、失敗のリスクを考慮しなくてよいこと、それから調整後には抜群の弾き心地が得られることを考えると、プロにお願いする調整費用は決して高いものではないと僕は考えます。

調整依頼は個人の楽器店・工房がおすすめ

いざ調整に出す場合、どんなお店にお願いするのがいいのでしょうか。

個人的な経験からいうと、大手チェーンの楽器店よりかは職人さんがお店にいる個人の楽器店や工房にお願いするのがいいと思います。
その理由について書きます。

1.調整具合を確かめながら作業してもらえる

個人の楽器店・工房にお願いする最大のメリットは、調整具合を確かめながら作業してもらえることです。

大手チェーンの楽器店などでは、店舗で調整してもらいたい内容を伝えて楽器を預け、店舗とは別のリペア・メンテンナンス専門の工房に送って調整するケースがほとんどだと思います。
楽器店が抱える専門の工房であり、プロのスタッフさんが作業してくれるので作業自体はしっかりやってくれるとは思いますが、直接対話ができない完全おまかせである以上、仕上がりに対して100%満足いかない可能性があります。
最悪の場合、もう一度時間とお金を掛けてメンテンナンスをしなければならない可能性があります。

一方、個人の楽器店・工房の場合であれば、店舗でメンテンナンスしてもらえるケースが多く、職人さんと直接会話をして調整してもらいたい内容や悩みについてじっくり話をして、納得した上で作業をしてもらうことができます。
また、お店が混んでいなければ、僕のように実際に作業を目の前でしてもらいながら、調整しては弾き、調整しては弾きを繰り返しながら自分の納得のいくまで調整を追い込んでもらうことが可能であり、100%以上満足のいく仕上がりにしてもらえます。

これこそが、個人の楽器店・工房へお願いする最大のメリットです。

2.即日対応してもらえる可能性が高い

さきほど述べたように、大手チェーンの楽器店では一定期間の預かり修理となります。
それも混み具合によっては数ヶ月となる場合もあるのだとか。


その点、個人の楽器店・工房の場合、お店が忙しくなければ、ギターを持ち込んでその場で即調整をしてもらえる可能性が高いです。

もちろんお店ごと対応可否が変わるため一概には言えませんが、大手チェーンに比べるとすぐ対応してもらえるケースが多いと思います。

個人の楽器店・工房であっても複数の調整依頼が立て込んでいる可能性はありますが、チェーン店のように全国から多数集中するわけではありませんので、預かり修理となっても短期間で対応してもらえるはずです。

すぐ調整作業してもらえるかどうか、事前に直接お店に確認しておくのがベストです!

3.親身に相談に乗ってもらえる

調整・メンテナンスを受け付けている個人の楽器店・工房には、ほとんどの場合、実際に調整作業をしてくれる職人さんがいます。

経験豊富な職人さんであるほど、こちらの抱えている悩みや困りごとについての解決方法をたくさん知っています。

僕も弦高を下げようとナット弦高調整をお願いしに行ったところ、職人さんに見てもらった結果ネックが反っている事が分かったので、弦高調整に加えてネック反り修整もしてもらいました。

また、当日持ち込まなかったギターについても、写真を見せながら悩みについて相談したところ、不具合の理由とその解決方法についても親身になって教えてもらうことも出来ました。

大手チェーン店だと、店舗にメンテナンス担当がいないことがほとんどだと思います。
チェーン店の店員さんも楽器に関する知識は持っているとは思いますが、専門的に毎日メンテナンス業務をしているわけではいので的確なアドバイスがもらえない可能性があります。

まとめ

自分のギターが弾きにくい、特にローポジションで弦が押さえにくかったり押さえるのにかなり力がいると感じたら、ナット弦高の調整がオススメです。
もう劇的に弾きやすさが変わります!

一度ナット弦高調整をしてしまえば基本的にはずっとその弾き心地のまま使えるので、多少メンテナンス費をかけてでもやる価値はあります。

1本しかギターを持ってなくて今のギターが弾きにくいのかどうかわからない場合も、一度楽器店・リペアショップに持っていって見てもらうことでそのギターの状態を教えてくれます。
ギターの状態が良くなかったり、もっと弾きやすくできるようならその方法を教えてもらってそのまま調整してもらうこともできるので、まずは楽器店に自分のギターを診てもらいましょう。
状態を診てもらうだけならタダなので!

ということで、以上、ナット弦高調整のすゝめでした!


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